女忍、感じ入る

・・・孔明達が順調に進む中、場面はくのいち達へと移る。



「・・・よ~し、これでラジエイトゲートのリング操作も終わりっと・・・後は戻るだけだけど、大丈夫ティア?」
「はい、問題ありません」
「そっか。じゃあ戻ろっか」
・・・ラジエイトゲートの操作盤の前に来たくのいちは操作を終わらせ、後ろにいたティアに大丈夫かと確認を取ってから戻ると口にする。









・・・それでノワール達より使うようにと渡された船へと戻り、くのいち達は次の目的地であるシェリダンへと向かう。



「・・・ふぅ」
「あ、お疲れ~。どうだった、ティアの容態は?」
「やはりあまり良くはありませんね。薬で誤魔化していますからまだ普通に動けてはいますが、血中に入り込んでいる障気の濃度はあまりにも濃くなっています・・・それこそ薬が無かったなら今頃彼女は死んではなくとも、もうまともに歩くことすら出来ていないレベルに入ってますよ」
「う~ん、ちなみに最後のメジオラ高原のパッセージリング解除したらティアの体はどうなると見てる?」
「・・・今の様子ならギリギリ薬ありでしばらくは普通に暮らせる程度に収まるでしょう。もし残っているのがラジエイトかアブソーブのどちらかであれば今の状態なら危なかったでしょうが、まぁメジオラ高原のならそこまでの危険性はないでしょう。ただ彼女にとっては不本意かもしれませんが、いっそ薬があってももうダメだというレベルになった方が諦めがついていいと私は思うんですがね」
「まぁそうなってもティアは諦めは簡単にはつかないとは思うけどね~」
・・・それで船の中のルーク達が集まった一室にティアの容態の診察を終えたディストが入ってきて、部屋の中にいたくのいちとの会話に興じる。いかな状態かもそうだが、それでティアが諦めきれないのは目に見えているといったように。
「と言うか、段々と体が危なくなってるとはティアに何度も言ってるんだよねディスト?」
「えぇ、それは勿論。ですがあの彼女の様子を見る限りは諦めるというか、認める気は一切無いでしょうがね。自分の体の様子を知って、それを聞かされても辛そうな素振りこそ浮かべはしますが結局は諦める様子にはなりませんからね」
「うわぁ・・・お義父さん達は別に放っておいてもいいみたいに言うけれど、改めて聞くとやっぱりどうにかした方がいいって思えてくる・・・」
「アリエッタもそう思う、です・・・」
「俺もだ・・・」
それてアニスが確認を改めてするのだが変わりはないとハッキリ言い切るその言葉に、アリエッタとルークまで加わりどうにかした方がいいのではと眉を寄せる。



・・・ケテルブルクで体調を障気により著しく崩していることをぶちまけられたティアだが、それからの道中は悲嘆に暮れることがないどころかむしろばらされたことにより、一層のやる気を見せるようになった。と言ってもアリエッタがいる状況で魔物と敵対などそうそうないが、ティアがやる気を見せ出したのは積極的にくのいちに近付いて役に立とうという姿勢を見せるようになったことである。

これは一種の開き直りとくのいち達は見ている・・・どうせ自分の隠していることが明らかになったのなら、それがバレたからと悲嘆に暮れることはみっともない。むしろこういった状況だからこそ前向きな姿勢になって、丞相や奥方の為にも役に立とうとすることが大事な事・・・そう言ったようにティアからしてみれば考える形でだ。
しかしそれはくのいち達からしてみればあまりにもわかりやすく、露骨な姿であった。なら何が露骨かと言うと・・・









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