・・・それで中に入りコーラル城を孔明一行は中の仕掛けを解きつつ、進んでいった。









「・・・貴方は、丞相！？何故ここに・・・！？」
「そういう貴方はディスト・・・こちらからも何故貴方がここにいるのか、聞きたいのですが・・・」
・・・そんな中、コーラル城の一角の奇妙な譜業が置かれた場の近くに来た時に空を飛ぶ椅子に乗って現れた白髪の男・・・ディストの驚く声に、孔明もまた何故と聞き返す。
「・・・私はアッシュからの頼まれごとを嫌々引き受けてここに来ているんですよ」
「アッシュから？・・・彼が貴方を頼ることなど余程の事が無ければまずないことだと思うのですが・・・もしかして、彼はこちらにいないのですか？」
「・・・あぁ、丞相の様子から察するにアッシュの件でこちらに来たということですか・・・えぇ、彼はもうここにはいません。と言うかここにいられては港の襲撃を自らの判断で強行した時以上の勝手な行動を取りかねないので、タルタロスで待てと私達全員で言ったんですよ。そうしたらだったらテメェらが俺の代わりにうまくやれと言われたから私とリグレットでこちらに来ることになったんです・・・二人を拐う役目を背負わされる形で」
「リグレットもこちらに来ていると？」
「はい・・・本来ならアリエッタとシンクが最初は私と共に来る予定で更にアリエッタは魔物を率いて港を襲う段取りだったのですが、アリエッタはアッシュの言うことを頑なに拒んだのです。丞相の教えを受けたこともあって彼女は自分の意志を伝える術に理論的に考えることを身に付けた事もありますが、元々友達の魔物を乱暴に扱うアッシュの事は快く思っていませんでしたから・・・それでアッシュは仕方無く港を自分で襲うことにし、リグレットがグリフォンを二匹借りて二人を拐う段取りになったんです。まぁ私達は誰か来たなら適当に失敗したとでも言って、さっさと撤退する予定でいたんですけどね」
「・・・成程、そういう予定だったのですか」
それでディストと会話を交わしていく孔明だが、アッシュという敵と見ていい側の人物達の事を平然と話していき終いにはすんなりと納得する。



・・・何故孔明とディストがこんな普通に会話をしているのかと言えば、単純にディストがリグレット同様孔明の側の人間だからだ。と言ってもこれもまたリグレット同様普段はそこまで関係のない風に見せている為に会話はないが、それでも孔明の味方である事に変わりはなかった。ただディストが何故孔明の側についているのかという理由については長くなるので、ここでは割愛する・・・



「それよりリグレットがいるというのであれば、是非話が聞きたいのですが・・・」
「いえ、今は整備士と共に奥で待っていますので下手に我々と繋がっていると整備士に見られるのはまずいでしょう。話なら私が答えられる範囲でお答えしましょう。何故丞相がこちらに来ているのかも気になりますからね」
「分かりました・・・では互いの情報のすりあわせを行いましょう。私も色々と知りたいことがありますからね」
そんなディストと話をする内に情報の交換をと孔明は言い、話を進める・・・















「・・・成程、丞相が何故こちらに来たのかは分かりました。謡将の妹がいることにルークが来ていることはこちらも把握はしていましたが、そのような理由だったとは・・・」
「謡将とは連絡は取り合ってはいないのですか？」
「一応彼から役目を与えられていて信頼されている身ですからね、我々は・・・彼はやることをやれば何も言ってはきませんから、報告をしなくても別段問題ないんですよ」
「そういうことですか」
それで互いの情報交換を終えた孔明はヴァンへの報告について聞くが、大丈夫と言い切るディストにならいいとばかりに追求をせず一言で納得する。










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