「その件をお伝えする前にお聞きしたいのですが、現在ナタリア様は自由に動けるような状態ではないのでしょうか？我々、特にアッシュの事がバレるような事を考えて対策を取られているかとは思われますが・・・」
「その事については問題ない。基本的にこちらに戻ってきてからのナタリアには自室での待機に執務を命じており、兵士を扉の前に配置して見張りをさせている。そして今の状況もあるからそなたらの事を下手に知られないようにと、情報も制限させているが・・・これからの話に何かナタリアが関係があるのか？」
「その為にも今からお話しさせていただきます。先程話さなかった事に関してを」
孔明はそこでナタリアの事を聞き、インゴベルトが答えつつも関係があるのかと疑問を向けた事に話さなかった事を話すと返す。大爆発の事に関しての話に、アッシュに話した嘘の大爆発の事を話すために・・・









「・・・と言うわけで、現在アッシュはルーク様に対して自ら手を下すことに関しては諦めこそはしました。ですがあくまでそれは大爆発の事を誤解させたからこそであり、いつまでもルーク様が殺されないとなったなら話が違うと怒りかねません。幸いにもまだ事態が完全に沈静化するまでには時間がかかりますから、まだしばらくはどうにかなりますが・・・手は早目に打つに越したことはありません」
「それは分かるが・・・その事がナタリアと何の関係がある？今の話を聞く限りでは、ナタリアにどのような役割を負わせるのかが想像がつかぬのだが・・・」
・・・それで一通り大爆発についての事を話終えた孔明に納得するインゴベルトだが、肝心のナタリアがどう関わるかを聞いていない為にどうなのかと問い掛ける。
「・・・その為にも少しお聞きしますがもし今の状態でアッシュがキムラスカに戻ったとして、彼がナタリア様に対してどのように接するのか想像はつかれますか？」
「それは・・・おそらくは多少の遠慮と言うか気遣いはナタリアに対してはするだろうが、それで終わりだろう。アッシュの様子から察するにナタリアを嫌ってはないというのは想像はつくが、極端に気を使う程には行動はしないはずだ。ナタリアの事実・・・これを知っているのもあってだ」
「陛下の言われた通り、確かにアッシュは現状のままいくならナタリア様に対しての秘密を抱えたまま過ごしつつ、それでいて特に何か変わることもないでしょう・・・ですがもしナタリア様もアッシュの事情を知っているとなれば、アッシュはどのように反応すると思われますか？」
「まさか・・・ナタリアにアッシュの事を明かすというのか！？今までナタリアに黙ってきて、行動も制限させてきたというのに・・・」
「申し訳ありません、陛下。ですがお二方に関してこのまま沈黙を続けた場合の危険性が高いことにあるからこそ、申し上げたのです。特にアッシュについての危険が今までの旅から相当に大きいと見たからこそになります」
「アッシュが危険、だと・・・？」
そこからいくつかの質問を経由して問い掛けを向けられたことにインゴベルトはその意図がなんなのかをハッと察したような表情になるが、その理由がアッシュにあると言う孔明に怪訝そうに表情を歪める。









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