軍師、移動する
「そしてこうして話をした以上、知らぬ存ぜぬに話をしていないに聞いてないといった言葉は許されぬということです。言うなれば我々は互いに事情を知り、互いに互いを見張りあう関係性になったと言うわけです。まぁ戦争にならなければ大した意味はありませんがね」
「それも全て後々の為の抑止力にするという訳ですか・・・丞相の考えをこうして聞かれた訳ですが、理解されましたか?アッシュ」
「・・・馬鹿にするな、それくらいは分かる」
そしてこれで終わりといったように話をまとめに入る孔明にジェイドは納得した後にアッシュへ確認を取ると、不機嫌さを滲ませながら返す。
「イヒヒ・・・では丞相、キムラスカに参りましたなら是非ともここでのお話をお願い致します」
「それは構いませんが、戦争の流れが止まりこのまま事態が進めばいずれキムラスカとマルクトの代表が面と向かって対峙して会談を行い、和平の締結を行う時も有り得るでしょう。もしそうなりましたらこちらの屋敷を使うことの許可をいただけますか?」
「えぇ、それは勿論。歴史的な瞬間の立ち会いが出来ることに、この屋敷が使われるというのでしたら大歓迎です」
「ありがとうございます・・・では話も済みましたし、我々はお暇させていただきます。この後にバチカルへと向かわなければなりませんので」
「えぇ、分かりました」
アスターもその話が終わったことで念押しをすると了承しつつ孔明が和平の会談を行えるかを問うてきたため、快く了承を返すと礼を言った上でもう行くとの旨を返され頭を下げる。
・・・そして孔明達が屋敷から出て一人になったアスターは自分の部屋に戻り、自身の机に備え付けられた椅子へと座り独特の笑みを浮かべる。
「イヒヒ・・・あの様子では次代のキムラスカ王は暗愚な判断ばかりしそうですな。ただ暗愚とは言えプライドばかりは誰よりも高いでしょうから、それをいかに刺激せずに事を進めるか・・・これを徹底することを忘れないことは重要でしょうがね」
ただその笑みは普段なら怪しい物と揶揄されるようなものとは一線を画した、明らかにアッシュを見下した物であった・・・現に一人言で漏らすアッシュに対しての言葉は辛辣そのものであり、とても評価されているような物ではない。
「元々神託の盾にいたから、帰るつもりがなかったというのは言い訳でしかないでしょうな。現にあぁして不満げな表情を浮かべながら自分は帰る気はないと言い切るような事も、丞相に不満を口にしないのも結果として自分自身が選んだこと・・・未だにそれを受け入れきれないといった様子を見せるのは、そろそろ止めた方がよろしいはずなのですがねぇ・・・」
そのまま続けて今の態度を変えるつもりも考え方をどうにかしようとするつもりも一切ないだろうアッシュの姿に関し、嘲るような声を漏らす。いい加減に態度を改めるべきだと。
・・・ケセドニアという商業自治区を任されていることもあり、アスターは自分の立場がいかに重いものかを理解した上で行動している。
その上で人前でいかな行動を取るべきか、それらをちゃんと考えて行動している・・・ただ慣れていない人物から見れば怪しい商人以外の何者でもない姿ではあるが、これは下手に素の態度までもを飾った物にするのは幾分か無理が生じることがあると判断したからだ。現に普通の時のアスターはケセドニアでは頼られる人物として、その態度は問題ないものと見られている。
しかしアッシュはまるで違う・・・そういったアスターとはあまりにも違いすぎるのだ。何も隠すことなく、何も取り繕うことのないその姿に心は。
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「それも全て後々の為の抑止力にするという訳ですか・・・丞相の考えをこうして聞かれた訳ですが、理解されましたか?アッシュ」
「・・・馬鹿にするな、それくらいは分かる」
そしてこれで終わりといったように話をまとめに入る孔明にジェイドは納得した後にアッシュへ確認を取ると、不機嫌さを滲ませながら返す。
「イヒヒ・・・では丞相、キムラスカに参りましたなら是非ともここでのお話をお願い致します」
「それは構いませんが、戦争の流れが止まりこのまま事態が進めばいずれキムラスカとマルクトの代表が面と向かって対峙して会談を行い、和平の締結を行う時も有り得るでしょう。もしそうなりましたらこちらの屋敷を使うことの許可をいただけますか?」
「えぇ、それは勿論。歴史的な瞬間の立ち会いが出来ることに、この屋敷が使われるというのでしたら大歓迎です」
「ありがとうございます・・・では話も済みましたし、我々はお暇させていただきます。この後にバチカルへと向かわなければなりませんので」
「えぇ、分かりました」
アスターもその話が終わったことで念押しをすると了承しつつ孔明が和平の会談を行えるかを問うてきたため、快く了承を返すと礼を言った上でもう行くとの旨を返され頭を下げる。
・・・そして孔明達が屋敷から出て一人になったアスターは自分の部屋に戻り、自身の机に備え付けられた椅子へと座り独特の笑みを浮かべる。
「イヒヒ・・・あの様子では次代のキムラスカ王は暗愚な判断ばかりしそうですな。ただ暗愚とは言えプライドばかりは誰よりも高いでしょうから、それをいかに刺激せずに事を進めるか・・・これを徹底することを忘れないことは重要でしょうがね」
ただその笑みは普段なら怪しい物と揶揄されるようなものとは一線を画した、明らかにアッシュを見下した物であった・・・現に一人言で漏らすアッシュに対しての言葉は辛辣そのものであり、とても評価されているような物ではない。
「元々神託の盾にいたから、帰るつもりがなかったというのは言い訳でしかないでしょうな。現にあぁして不満げな表情を浮かべながら自分は帰る気はないと言い切るような事も、丞相に不満を口にしないのも結果として自分自身が選んだこと・・・未だにそれを受け入れきれないといった様子を見せるのは、そろそろ止めた方がよろしいはずなのですがねぇ・・・」
そのまま続けて今の態度を変えるつもりも考え方をどうにかしようとするつもりも一切ないだろうアッシュの姿に関し、嘲るような声を漏らす。いい加減に態度を改めるべきだと。
・・・ケセドニアという商業自治区を任されていることもあり、アスターは自分の立場がいかに重いものかを理解した上で行動している。
その上で人前でいかな行動を取るべきか、それらをちゃんと考えて行動している・・・ただ慣れていない人物から見れば怪しい商人以外の何者でもない姿ではあるが、これは下手に素の態度までもを飾った物にするのは幾分か無理が生じることがあると判断したからだ。現に普通の時のアスターはケセドニアでは頼られる人物として、その態度は問題ないものと見られている。
しかしアッシュはまるで違う・・・そういったアスターとはあまりにも違いすぎるのだ。何も隠すことなく、何も取り繕うことのないその姿に心は。
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