軍師、移動する

「その詳しい中身に関しては実際にアスター氏とお会いする際にお話ししますよ。あまりここで長居をしても他の方々の迷惑になりますし、二度手間になりますからね」
「チッ・・・行くならさっさと行くぞ・・・」
ただすぐに話はしないと理由つきで言う孔明に、不機嫌そうながら先へ行くぞとアッシュは漏らす。









・・・そうしてケセドニアの街の中を歩いていった孔明達は街の中で一番立派な屋敷へと入っていった。



「・・・イヒヒ。これはこれは丞相、よくおいでくださりました」
「お久し振りです、アスター殿」
・・・それで客間に通されて少し待っていた一同の元にアスターが奥から現れ、孔明は丁寧に頭を下げる。
「・・・以前からお知り合いだったのですか?」
「えぇ。以前から色々とお話しさせていただいていました」
「イヒヒ・・・丞相にはいつも奥方共々お世話になっておりますが、今日はどのようなご用でしょうか?」
フリングスがそんないつもの通りといった様子でのやり取りに疑問を挟み、孔明が肯定を返した上でアスターも同意しつつ用向きについてを問う。
「色々とお伝えすることはありますが、まず現在のダアトの状況としては大詠師に謡将と謡将率いる一派の掃討が完了しました。いずれ遠くない内に大詠師と謡将にはその所業を表にして、表舞台から退場していただく予定です」
「おぉ、そうでしたか。その事を伝えていただき何よりです」
「少々お待ちを・・・やけにアスター殿があっさり今の言葉を受け入れましたが、まさか最初から協力関係だったというのですか?謡将の元に潜ませていたリグレットやシンク達同様・・・」
孔明は早速と用は何かと話をするのだが、アスターがアッサリ話を受け入れるその様子に怪訝そうな様子でジェイドは問い掛けを向ける。初めから知っていたのかと。
「それは少々語弊があります。私は以前から事が全て済んだ後についてを考えていたのですが、その展開の中でどうしても避けられないことがありました。それは大詠師を排する事もありますが預言についての体制の事から、ダアトがそれまでの影響力を失うことです」
「影響力・・・確かに大詠師の事を明かすとなれば預言保守派が勢いを無くすのが想像出来ますね」
「えぇ。そして将来的にダアトと言うよりはローレライ教団の信者は今より大幅に減ることは避けられなくなるでしょう。この事に関しては教団という性質上どうしようもない部分が大きいですが、だからこそアスター殿に事前にそうなることを話しておいたのです・・・今年に入って我々の行動がうまくいけばそうなり、もし失敗すれば今のままどころかキムラスカとマルクトの戦争が起こり預言通りならマルクトが負けるという話も含めて」
「・・・それらについてを話すことで貴殿方にとってもですが、アスター殿に何の得があるというのですか?それに先程に言っていた我々も関係があることとは一体・・・」
そんなジェイドに対していかに自分がダアトやローレライ教団についてを考えてアスターに話をしたのかに関して答えていくが、明確な答えを早く出してくれとばかりに先を促す。前置きばかり聞かされても、どういうことか分からないと。









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