女忍、深めて広める

「そう言ってくださるならありがたいです」
「まぁ俺に関係することでもあるから黙るけどよ・・・それなら別に俺に言わないまんまの方が良かったんじゃないのか?一応はそういうことがあるなんて事も言わずに済ませてよ」
「確かに言わずに済ませておけば貴方もそんな風に感じずに済んだでしょう。ですがこれからの貴方の事を考えれば言っておいた方がいいと考えての事ですよ」
「俺の事・・・?」
それでディストがならいいと言う様子に言わなければそれでよかったのではと言うルークに、貴方の為との答えに眉を寄せる。
「これからの事を考えれば、貴方が丞相の元で動くにあたり様々な事に直面することになります。その事を考えれば貴方には色々と経験を積んでいただくことが必要だと思ったのですよ。物事についてを真摯に受け止め考える為の経験をね」
「受け止め考える経験・・・」
「えぇ。丞相も最初は貴方に無理強いはしないでしょうが、かといって全く成長しないままというのは貴方に仕事なりなんなりを任せるにあたって、あまりよくない傾向と言えますからね」
「仕事、か・・・そう言われると俺も何か出来るんだろうか・・・?」
「まぁ最初は色々と難しいでしょうが、丞相なら貴方の力量をちゃんと見極めて出来ることと出来ないことを分けてくれるでしょう・・・ただ不安ではあるでしょうが、あまりこういう言い方は良くないと分かっていて言わせていただくなら、少なくとも貴方はティアよりは見込みがあると丞相達からは見られています。それを自信とするのは良くないにしても、そういったように自覚された方がよろしいですよ」
「・・・あいつと比較ってのは今となっちゃ微妙な気分にしかなんねぇが、あいつよりはまだそんな風に見られてるってんならちゃんとしねぇとって気にはなるな」
そこからディストがいかにルークについてを考えた上で言葉を向けていくのだが、その中身に多少微妙そうに表情を歪めつつもすぐに表情を改める。例えとして出されたティアよりはちゃんとしたいと、ナチュラルにそうなりたくないと考える形で。
「やる気に満ちているのはいいですが、あまり彼女に色々と悟られるような事にはさせないようにしてくださいね。彼女の行動如何によっては丞相達の策が台無しになるばかりか、繰り返すようですが貴方の命が危ぶまれる事態になることも有り得ますからね」
「あ~・・・分かったよ。そんなんで迷惑をかけたくないしな」
「そうそう、その意気です」
ただとディストが注意を添えたことに瞬時に表情を申し訳なさそうに変えたことに、満足そうに頷いた。先輩として後輩を優しく見守るような笑顔で。









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