女忍、深めて広める

「む~・・・そういった言葉を聞くと、あっしとしてもどうにかしなきゃならないって思うな~。と言ってももう今のティアの体の状況からいって、全部終わる頃には何もしなくて済むだろうとは思うけれどね」
「それは前も聞いたけど、ディストの作る薬ってヤツを飲み続ければ普通に生活どころか神託の盾に居続ける事は可能だって思って薬をねだり続けるんじゃねぇのか?あいつ」
「その点は残酷なことを言うようだけど、心配はいらないって。ディストは痛みを和らげる薬を作るとは言ったけれどそれは障気をどうこう出来るって代物じゃないし、ましてや薬を飲んでれば命に別状なくずっと活動し続けられるような物じゃない・・・ティアは多分飲み続ければ普通にずっと生き続けられるとでも考えてるかもしれないけれど、痛み自体は誤魔化せても体は直に自由に動かなくなってくると思うよ」
「そうなりゃもう後は神託の盾から離れざるを得ないって所か・・・」
「まぁ流石にいきなり倒れられちゃ困るってのはあるけど、全部が終わったらやんわりとティアの体についてはちゃんと告げて神託の盾を辞めてもらうように話そうかとは旦那様に言うつもりだよ?本当は言わない方がいいかとは思ったけど、皆と市長の話を聞いた後だと納得は出来ないにしても一応伝えておいた方が後々文句を言われたとしてもだから言ったでしょ?・・・って言えるからね~」
「あ~、確かに言っておいた方がいいかもな。今回は何も知らなかったって感じで済ませることは出来たけれど、その時まで何も知らなかったし考えてなかった・・・ってなると、あいつの事だから自分の事を棚に上げて無責任だって言いそうな感じがするしな」
それでくのいちがティアの体についてを言うことを理由つきで言葉にしていく様子に、ルークもまた納得と言ったようにウンウンと頷く・・・のだが、ナチュラルにティアがドロップアウトすることを受け入れている辺りルークも相当に慣れてきている証拠だったりする。くのいち達の考えにもそうだが、ティアの独りよがりな行動に関して思うことに。
「そうですね。そう考えればティアには説明をした方が言いとは思いますが、それでも納得せずに神託の盾に居続けようとしたならどうするんですか?」
「まぁその時は旦那様から話をすることになるとは思うけど、ティアは嫌がるのは間違いないにしても流石にそこまで体が障気の影響を受けてるんだからそれを理由にもう神託の盾にはいさせることが出来ないって言うだろうね。無理をすれば死期を早めるだけだって」
「そう言うのが妥当だということですか」
「その上でティアにその後の生活が楽になるくらいの多額の退職金を渡して、後はゆっくり暮らしてって言えば表向きはそれで終わりで・・・それでもって神託の盾に居続けたいって言い張ったり、辞めてからやっぱり自分の思い通りにしたいから神託の盾でなくとも旗揚げする・・・みたいな傍迷惑な行動を取るようであれば、すぐに対処はするけれどね。今のティアに知られてはいけないことはいくつもあるけれど、それでも普通の人が知ったらいけないような事を結構知ってしまってるしね~」
「成程、そうするというわけですか」
イオンも納得しつつももしもティアが不満からの行動を起こした場合についてを聞くのだが、自分の考えだけでも抜かりはないと語るくのいちの様子に安心したように笑顔を浮かべる・・・そこにティアの安全などないと知っているからこその笑顔を。









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