女忍、深めて広める
「はぁ~・・・やっぱりっていうか、あんな理由だったんだな~・・・」
「貴女方の事情については詳しくは知りませんが・・・あの様子では苦労されているんですね・・・」
「あ、分かります?」
それでくのいちが疲れたような声を上げる姿にネフリーが同情するよう声をかけ、気楽そうな笑顔をヘラリと浮かべる。
「まぁ取り敢えず市長はもうこれで帰ってもらって大丈夫なんですけど・・・一つついでって形で聞くのはどうかとは思うんですけど、ティアの考えについてはどう思いましたか?市長の立場からすると、色々分からないところもあるとは思うんですけど・・・」
「そうですね・・・私が感じたところでは家族の事についてを嘆いて決心を固めたといったように言っていましたが、それは自己満足でしかないという物でしかないのではないかと」
「自己満足ですか?」
「はい・・・あの人の自分を犠牲にしてでもという姿勢は、覚悟と呼べるものかもしれません。ですが貴女方の会話を聞いた後に思ったのです・・・彼女がそういった覚悟を誰にも言わないよう、自分が倒れるまで露見しないようにしようとしていたことは覚悟ではなく、自分のやりたいことを邪魔されたくなかっただけなのだと」
「だから自己満足、と」
「はい・・・あの人は言葉では貴女や丞相の事を敬っているような事を言っていましたが、それは多分立場だけを見て言ってることだと思いました・・・ですが彼女は無自覚でそういったことなど全く感じてないようにしか思えず、おそらくそうだと指摘しても直る事はないと思いました」
「成程・・・」
ただそれでネフリーの立場からティアはどう見えたのかと興味を持って聞くくのいちに、自己満足による物でどうしようもないだろうと言い切る様子に納得する。
「・・・取り敢えずありがとうございました、今回協力していただいて。私達は宿に行きますので」
「はい、分かりました。では私も戻ります」
そしてこれで終わりと別れを口にするくのいちに、ネフリーもすぐに頷く。
・・・それで診療所を出てネフリーと別れたくのいち達は宿に向かう。
「・・・自己満足、か。ネフリーさんの言ってることってホント、その通りって思えたな~」
「アリエッタもそう思った、です」
それで宿の一室にて集まった一同の中でアニスとアリエッタはネフリーの言葉に同調するように頷きあっていた。
「ですが丞相や奥方の事を本気で敬ってないとなると・・・やっぱり僕の事もそうなるんでしょうか?」
「多分っつーかそうなんだろうな。あいつの中じゃ立場に加えて人柄ってヤツで敬ってるって感じで、深い所まで人を見てねぇんだろ」
「その言葉はしっくり来ますが・・・貴方からそういった言葉が聞けるとは思いませんでしたよ、ルーク」
「さっきの言葉と俺にイオンやジェイドへの態度の違いから考えてみた結果だよ。特にジェイドに関しちゃ最初の頃はあの嫌味ったらしい態度だったってのに、軍人としちゃ丁寧な態度だって何か最初からあいつの事を信頼してたしよ」
「あぁ、そう言えばそうでしたね・・・あの時の事を今思い返してみれば、最初からティアはジェイドに信頼を向けていましたね・・・」
それでイオンが自分の事も同じような物なのかと口にした事にルークがだろうと根拠について語っていくと、呆れたように納得の言葉を漏らす・・・タルタロスに乗って初めてまともに会話をした時から、今まで同道していたルークよりジェイドに高い信頼を向けていたティアの姿を思い出したが為に。
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「貴女方の事情については詳しくは知りませんが・・・あの様子では苦労されているんですね・・・」
「あ、分かります?」
それでくのいちが疲れたような声を上げる姿にネフリーが同情するよう声をかけ、気楽そうな笑顔をヘラリと浮かべる。
「まぁ取り敢えず市長はもうこれで帰ってもらって大丈夫なんですけど・・・一つついでって形で聞くのはどうかとは思うんですけど、ティアの考えについてはどう思いましたか?市長の立場からすると、色々分からないところもあるとは思うんですけど・・・」
「そうですね・・・私が感じたところでは家族の事についてを嘆いて決心を固めたといったように言っていましたが、それは自己満足でしかないという物でしかないのではないかと」
「自己満足ですか?」
「はい・・・あの人の自分を犠牲にしてでもという姿勢は、覚悟と呼べるものかもしれません。ですが貴女方の会話を聞いた後に思ったのです・・・彼女がそういった覚悟を誰にも言わないよう、自分が倒れるまで露見しないようにしようとしていたことは覚悟ではなく、自分のやりたいことを邪魔されたくなかっただけなのだと」
「だから自己満足、と」
「はい・・・あの人は言葉では貴女や丞相の事を敬っているような事を言っていましたが、それは多分立場だけを見て言ってることだと思いました・・・ですが彼女は無自覚でそういったことなど全く感じてないようにしか思えず、おそらくそうだと指摘しても直る事はないと思いました」
「成程・・・」
ただそれでネフリーの立場からティアはどう見えたのかと興味を持って聞くくのいちに、自己満足による物でどうしようもないだろうと言い切る様子に納得する。
「・・・取り敢えずありがとうございました、今回協力していただいて。私達は宿に行きますので」
「はい、分かりました。では私も戻ります」
そしてこれで終わりと別れを口にするくのいちに、ネフリーもすぐに頷く。
・・・それで診療所を出てネフリーと別れたくのいち達は宿に向かう。
「・・・自己満足、か。ネフリーさんの言ってることってホント、その通りって思えたな~」
「アリエッタもそう思った、です」
それで宿の一室にて集まった一同の中でアニスとアリエッタはネフリーの言葉に同調するように頷きあっていた。
「ですが丞相や奥方の事を本気で敬ってないとなると・・・やっぱり僕の事もそうなるんでしょうか?」
「多分っつーかそうなんだろうな。あいつの中じゃ立場に加えて人柄ってヤツで敬ってるって感じで、深い所まで人を見てねぇんだろ」
「その言葉はしっくり来ますが・・・貴方からそういった言葉が聞けるとは思いませんでしたよ、ルーク」
「さっきの言葉と俺にイオンやジェイドへの態度の違いから考えてみた結果だよ。特にジェイドに関しちゃ最初の頃はあの嫌味ったらしい態度だったってのに、軍人としちゃ丁寧な態度だって何か最初からあいつの事を信頼してたしよ」
「あぁ、そう言えばそうでしたね・・・あの時の事を今思い返してみれば、最初からティアはジェイドに信頼を向けていましたね・・・」
それでイオンが自分の事も同じような物なのかと口にした事にルークがだろうと根拠について語っていくと、呆れたように納得の言葉を漏らす・・・タルタロスに乗って初めてまともに会話をした時から、今まで同道していたルークよりジェイドに高い信頼を向けていたティアの姿を思い出したが為に。
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