女忍、深めて広める
「っ・・・」
それで医者に引き連れられくのいち達の前に現れたティアだが、居心地が悪そうに視線を反らそうとモジモジとしている。
「・・・彼女の血を抜かせてもらい検査しましたが、普通の人の血と比べると有り得ない量で血中に障気が混じっています。時折障気が吹き出る場所に行って障気を取り込み障気障害となると聞いたことはありますが、呼吸して吸い込んだだけでこうなるとはとても思えません。それこそ一気に大量の障気を吸い込むくらいしかありませんが、そのような事はあったのですか?」
「一気に大量なんて事は無いはずです。私達も一緒にアクゼリュスには行きましたけれど、私達の血はそこまで酷くは無かったんですよね?」
「はい。確かに障気が全く無かったとは言いませんが、まだこれなら自然に体内から抜けていくか著しく体調を崩すような物ではないと診れましたが・・・彼女の血からは貴殿方とは比べ物にならない障気が検出され、とても自然に治るような物ではないのですがだからこそ不自然なのです・・・それこそ呼吸して大量に吸い込んだというよりは、障気を体の中に直接送り込むくらいされなければこれだけの障気を取り込むことなど有り得ないと言えるほどに」
「っ・・・!」
医者はそんな様子については追及せずにどういった状況なのかをくのいちと話していき、いかにティアの体が異常かを強調するとその当人は視線を自分の下へと向ける。言われたくない事実を言われたというように。
「・・・ちなみに当人が障気に自覚なく気付いてない可能性はあるんですか?」
「それは有り得ないでしょう。言ってみれば障気は人間の体にとっては異物であり、毒でしかありません。その体にある痛みが我々の想像を絶するようなものであるのは確かだと思われますが、むしろそれだけの痛みに自分の異常を貴女方に訴えない方が有り得ないかと・・・」
「・・・ティア、ここまで来たんだから正直に答えて。貴女の体は相当な痛みで蝕まれているのは確かなんだろうけれど、いつからそうだったの?」
「・・・・・・それは・・・パッセージリングで、ユリア式封呪を解除し出した時からです・・・あの時に私の体の中に何かが入ってくるような感覚がして、同時に体に痛みがきて・・・」
「それで痛みが来たのに、なんで今まで黙ってきたの?言ってくれたらこっちもどうにか出来ないかって動くこともそうだけど、そういった痛みがあるなら言ってくれた方がこっちも良かったんだよ。無理をされていきなり倒れられる方が困るからね」
「それは・・・その・・・」
それでだめ押しとばかりに医者に異常だと気付かない可能性についてを否定させ、くのいちがさも何も知らなかったといった上でどうしてかと問いを向けるとティアは、視線を合わせようとしないままにモゴモゴと口ごもる。
「・・・何も言わないで済ませるのは無しだよ。そして自分は大丈夫だからこのまま連れていってほしいなんて要求だけ通そうとするのもね・・・もしそうしようって言うなら時間がかかるってことはもう仕方無い物だって思って、謡将をこっちに送ってもらった上でティアにはダアトに戻ってもらうよ」
「そっ、そんな!?」
「今までティアが何度もそういったことをしてきたこともあるけど、もう先生の話だと体力的に厳しいって様子な感じだから何も言わないティアより、もう処分を待ってる謡将に強制させる方がこっちとしても悩まなくていいんだよね。嘘をつかれる事もそうだし、言いたくないことを言わないままで済まされるよりはね」
「っ・・・!」
だが黙ることは許さないとヴァンに交代してダアトに戻す事もすると冷酷な言葉で口にするくのいちに、ティアは一気に表情をひきつらせた。自分が関われなくなるばかりか兄にとてつもない負担を強いることになると、黙っていた場合のもしもが残酷な事に。
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それで医者に引き連れられくのいち達の前に現れたティアだが、居心地が悪そうに視線を反らそうとモジモジとしている。
「・・・彼女の血を抜かせてもらい検査しましたが、普通の人の血と比べると有り得ない量で血中に障気が混じっています。時折障気が吹き出る場所に行って障気を取り込み障気障害となると聞いたことはありますが、呼吸して吸い込んだだけでこうなるとはとても思えません。それこそ一気に大量の障気を吸い込むくらいしかありませんが、そのような事はあったのですか?」
「一気に大量なんて事は無いはずです。私達も一緒にアクゼリュスには行きましたけれど、私達の血はそこまで酷くは無かったんですよね?」
「はい。確かに障気が全く無かったとは言いませんが、まだこれなら自然に体内から抜けていくか著しく体調を崩すような物ではないと診れましたが・・・彼女の血からは貴殿方とは比べ物にならない障気が検出され、とても自然に治るような物ではないのですがだからこそ不自然なのです・・・それこそ呼吸して大量に吸い込んだというよりは、障気を体の中に直接送り込むくらいされなければこれだけの障気を取り込むことなど有り得ないと言えるほどに」
「っ・・・!」
医者はそんな様子については追及せずにどういった状況なのかをくのいちと話していき、いかにティアの体が異常かを強調するとその当人は視線を自分の下へと向ける。言われたくない事実を言われたというように。
「・・・ちなみに当人が障気に自覚なく気付いてない可能性はあるんですか?」
「それは有り得ないでしょう。言ってみれば障気は人間の体にとっては異物であり、毒でしかありません。その体にある痛みが我々の想像を絶するようなものであるのは確かだと思われますが、むしろそれだけの痛みに自分の異常を貴女方に訴えない方が有り得ないかと・・・」
「・・・ティア、ここまで来たんだから正直に答えて。貴女の体は相当な痛みで蝕まれているのは確かなんだろうけれど、いつからそうだったの?」
「・・・・・・それは・・・パッセージリングで、ユリア式封呪を解除し出した時からです・・・あの時に私の体の中に何かが入ってくるような感覚がして、同時に体に痛みがきて・・・」
「それで痛みが来たのに、なんで今まで黙ってきたの?言ってくれたらこっちもどうにか出来ないかって動くこともそうだけど、そういった痛みがあるなら言ってくれた方がこっちも良かったんだよ。無理をされていきなり倒れられる方が困るからね」
「それは・・・その・・・」
それでだめ押しとばかりに医者に異常だと気付かない可能性についてを否定させ、くのいちがさも何も知らなかったといった上でどうしてかと問いを向けるとティアは、視線を合わせようとしないままにモゴモゴと口ごもる。
「・・・何も言わないで済ませるのは無しだよ。そして自分は大丈夫だからこのまま連れていってほしいなんて要求だけ通そうとするのもね・・・もしそうしようって言うなら時間がかかるってことはもう仕方無い物だって思って、謡将をこっちに送ってもらった上でティアにはダアトに戻ってもらうよ」
「そっ、そんな!?」
「今までティアが何度もそういったことをしてきたこともあるけど、もう先生の話だと体力的に厳しいって様子な感じだから何も言わないティアより、もう処分を待ってる謡将に強制させる方がこっちとしても悩まなくていいんだよね。嘘をつかれる事もそうだし、言いたくないことを言わないままで済まされるよりはね」
「っ・・・!」
だが黙ることは許さないとヴァンに交代してダアトに戻す事もすると冷酷な言葉で口にするくのいちに、ティアは一気に表情をひきつらせた。自分が関われなくなるばかりか兄にとてつもない負担を強いることになると、黙っていた場合のもしもが残酷な事に。
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