女忍、深めて広める

「簡単に説明しますが、完全同位体である被験者とレプリカの間にある現象が起きる可能性があると懸念しているんです。その現象とは大爆発・・・様々な条件こそ重なりますが、要約すれば命の危機に瀕した被験者がレプリカの体を人格ごと乗っ取るという現象です」
「なっ・・・!?」
「落ち着いてください。あくまでもそれはもしもの場合で可能性が相当に低い事です。それに相当に距離が離れている今ならそういったことになる可能性はありませんし、アッシュがもし何らかで亡くなったとしても大爆発の影響を受けることはありません」
「何だよ・・・それを聞いて少しは安心したぜ・・・」
ディストはそこで大爆発についてどうなるかを説明し、ルークは焦った様子になるがすぐさまの補足を入れられて言葉通りホッとした様子になる。
「確かに現状ではすぐに貴方に被害が及ぶということはありませんが、それでも完全同位体という貴殿方以外に存在しない方々の関係性を考えれば万が一の事を考えて貴方の容態についてを診ておいた方がいいと思ったのです」
「何だよ、それなら別に全然構わねぇよ。俺だってそんなことになんのは嫌だしな・・・でもそれだとアッシュの方を診た方がいいんじゃねぇか?軽く聞いただけだけど、あいつの方があぶねぇんだろうしよ」
「そこんとこに関してだけど、今からちょっと時間を使うけど旦那様がこれからどう考えて動いているかに動くだろうかについてを話していいかな~?ちょっとこれからの方針にも関わってくるし、今頃旦那様もその為に動いてるだろうから変な行き違いを避けたいしね~」
「?・・・あぁ、わかった」
ディストは一応の念のためといったように診たいと言い、ルークはそれならアッシュの方が重要ではと言うのだがくのいちが詳しい説明をすると言い出したことに訝しげになりなかがらも頷く。


















・・・それからくのいちはルークの為にも説明をした。孔明がアッシュの事でどのように事態を進めようとしているのか、その流れがどうなっているのかについてを。



「・・・って訳でね~。旦那様も今頃はグランコクマかそこから離れてる頃だろうと思うけど、少なくともあっしらと合流する前にはアッシュには大爆発の事は明かしている筈だしね・・・嘘の中身についてを」
「俺にアッシュが乗っ取られる可能性があるかもしれないって部分の事か・・・」
・・・そしてくのいちが説明をし終わるのだが、グランコクマで孔明が話した中身そのままとは言わずともある程度トレースしたようなその話の中身に、ルークも神妙な面持ちでそれらを受け止めていた。
「確かに大爆発の事を考えるとアッシュの方を気にした方がいいって言うのはあるけれど、旦那様からの策の事を考えるとルークが大爆発の事を知っていると言ったように振る舞われると少しいけなくなるんだよね~。何しろ大爆発についての正しい情報がアッシュに知られるって言うのもそうだし、ルークがそれを知ってるってなるとアッシュがどうするかって言うのが分からなくなるし」
「あ~、今までのあいつの感じからすると俺と一つになるのは嫌だって言うのは間違いないにしても、そんな嘘をつかれたってなったらキムラスカには戻らねぇってなるのは間違いない感じはするな・・・」
「うん、アッシュなら自分を騙してたのかって事でキムラスカに戻らせる為に嘘をついたんだろって言うだろうしね~。だからあんまり公にって言うか、大事にせずにその上でルークは何も知らないって風にしたいんす」
「まぁそう聞くとそうした方がいいって思うな・・・」
その上でいかに孔明が造り上げた流れが壊れた場合がどうなるか・・・話を進めるくのいちのその中身に、ルークも真剣に受け止める。事実が明らかになればアッシュの危険性が高くなるのだということを。









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