女忍、深めて広める
「僕も時々ではありますが、彼らの元に行っています。その時の様子はとても皆楽しそうでしたよ」
「そんなことが簡単に・・・ってこいつがいりゃ可能、なのか?」
「その通り~。イオンの代わりはその時はあっしが務めてたんで、何度かお忍びでノワールちん達の所に行ったよ~。それにイオンだけじゃなく、シンクも時々行ったりしてたけど皆良くしてもらってるって笑顔を見せてたって言ってたからね~」
「あいつもそんな風にしてたってのか・・・あんまそんなイメージはねぇけど、あいつにとっちゃそれだけ兄弟が大事ってこともそうだし本当に大丈夫だってんだな。あいつらの所にいる兄弟って奴らのことがシンクもイオンも」
「そうですね。確かに彼らは僕やシンクのような形で外の世界に出ることは出来ないでしょう・・・けれどあの人達と共にいるのなら、僕らは安心出来ます。兄弟達を無下に扱わないどころか、大事にしてくれると」
「そこまで信頼してるってのか・・・」
イオンはその根拠をシンクも同じようにノワール達の元に行って話をし、周りの環境を知ったからとくのいちの言葉も併せて説明するのだが・・・ルークは納得すると共に、表情を暗く重い物へと変える。
「ルーク、どうした、ですか?」
「・・・お前らや今の奴らが師匠とは違うってのは分かってるつもりじゃいるんだが、やっぱ師匠の事を思いだしちまってな・・・そういうことを聞くとよ・・・」
「それは・・・」
「あ~・・・ルークの立場だと仕方無いっていうか、そうなっちゃうか・・・」
その姿にアリエッタが心配そうに声をかけると、重く返ってきた返答にアリエッタだけでなくアニスも複雑そうに表情を歪める・・・今のルークはまだ気をしっかり持ててこそはいるが、それでもヴァンという信頼していた師に利用され見捨てられた実績があるために。
「・・・その事についてはもうゆっくり時間をかけてルークの中で解決していくしかないよ。私達も手助けくらいは出来るけど、そういった不安の気持ちを乗り越えるのはルーク自身がどう考えて向き合うか・・・勿論すぐにどうにかっていうのは難しいだろうから、ゆっくりとね」
「・・・あぁ、そう言ってくれると助かる・・・」
くのいちがそんなルークに真面目でいて優しく声をかけると、心なしかホッとした様子で頷いた。気休めでも本気でも、優しい言葉をもらえたことに。
・・・それから少しして船員から船の用意が出来たと言われた上でディストとティアが戻ってきた為、くのいち達はケテルブルク行きの船へと乗り込んだ。
「・・・ふむふむ、ケテルブルクではそんな風にしてティアの事を診るような流れにすると・・・」
「一応は向こうの知り合いに協力を頼みましたし、事情が事情ですから我々が着く前には用意していただけるかと思います。彼女もまた聡い方ですからね」
「それなら大丈夫か」
・・・そして船の中でティアを除いた面々が集まる中、ディストの段取りはどうなるかとの説明にくのいちが一同を代表する形で納得する。
「ただその時になんですが・・・あくまでティアに対するフリだけではなく、ルークの体調についても出来ることなら把握したいのですが・・・」
「・・・俺の体調?何で俺までそんなことする必要があんだ?」
「少し貴方の体について不安があるからです。と言っても病気の類いとかそういった訳ではなく、貴方とアッシュが完全同位体であるがための懸念です」
「完全同位体、だから・・・?」
ただそこでディストがルークに懸念が完全同位体というものにあると言い出したことに、言われた当人は眉を寄せる。どういうことかと。
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「そんなことが簡単に・・・ってこいつがいりゃ可能、なのか?」
「その通り~。イオンの代わりはその時はあっしが務めてたんで、何度かお忍びでノワールちん達の所に行ったよ~。それにイオンだけじゃなく、シンクも時々行ったりしてたけど皆良くしてもらってるって笑顔を見せてたって言ってたからね~」
「あいつもそんな風にしてたってのか・・・あんまそんなイメージはねぇけど、あいつにとっちゃそれだけ兄弟が大事ってこともそうだし本当に大丈夫だってんだな。あいつらの所にいる兄弟って奴らのことがシンクもイオンも」
「そうですね。確かに彼らは僕やシンクのような形で外の世界に出ることは出来ないでしょう・・・けれどあの人達と共にいるのなら、僕らは安心出来ます。兄弟達を無下に扱わないどころか、大事にしてくれると」
「そこまで信頼してるってのか・・・」
イオンはその根拠をシンクも同じようにノワール達の元に行って話をし、周りの環境を知ったからとくのいちの言葉も併せて説明するのだが・・・ルークは納得すると共に、表情を暗く重い物へと変える。
「ルーク、どうした、ですか?」
「・・・お前らや今の奴らが師匠とは違うってのは分かってるつもりじゃいるんだが、やっぱ師匠の事を思いだしちまってな・・・そういうことを聞くとよ・・・」
「それは・・・」
「あ~・・・ルークの立場だと仕方無いっていうか、そうなっちゃうか・・・」
その姿にアリエッタが心配そうに声をかけると、重く返ってきた返答にアリエッタだけでなくアニスも複雑そうに表情を歪める・・・今のルークはまだ気をしっかり持ててこそはいるが、それでもヴァンという信頼していた師に利用され見捨てられた実績があるために。
「・・・その事についてはもうゆっくり時間をかけてルークの中で解決していくしかないよ。私達も手助けくらいは出来るけど、そういった不安の気持ちを乗り越えるのはルーク自身がどう考えて向き合うか・・・勿論すぐにどうにかっていうのは難しいだろうから、ゆっくりとね」
「・・・あぁ、そう言ってくれると助かる・・・」
くのいちがそんなルークに真面目でいて優しく声をかけると、心なしかホッとした様子で頷いた。気休めでも本気でも、優しい言葉をもらえたことに。
・・・それから少しして船員から船の用意が出来たと言われた上でディストとティアが戻ってきた為、くのいち達はケテルブルク行きの船へと乗り込んだ。
「・・・ふむふむ、ケテルブルクではそんな風にしてティアの事を診るような流れにすると・・・」
「一応は向こうの知り合いに協力を頼みましたし、事情が事情ですから我々が着く前には用意していただけるかと思います。彼女もまた聡い方ですからね」
「それなら大丈夫か」
・・・そして船の中でティアを除いた面々が集まる中、ディストの段取りはどうなるかとの説明にくのいちが一同を代表する形で納得する。
「ただその時になんですが・・・あくまでティアに対するフリだけではなく、ルークの体調についても出来ることなら把握したいのですが・・・」
「・・・俺の体調?何で俺までそんなことする必要があんだ?」
「少し貴方の体について不安があるからです。と言っても病気の類いとかそういった訳ではなく、貴方とアッシュが完全同位体であるがための懸念です」
「完全同位体、だから・・・?」
ただそこでディストがルークに懸念が完全同位体というものにあると言い出したことに、言われた当人は眉を寄せる。どういうことかと。
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