軍師、狭める
「話は決まったようだな・・・事が進めばアッシュはキムラスカに戻ると聞けたのなら、こちらとしても特に問題はない。後は細かな所の調整をそちらで煮詰めた上で、インゴベルト陛下達と話し合うまでは俺には然程関係無い物になるだろうからこの話はここまでにしよう」
「えぇ、そうしましょう。後の報告に関しましては我々ではなく、お二方からしていただけるでしょうからね」
それでピオニーからこの件は一先ず終わりとする言葉が出て、孔明もまた了承を返す。
「では次はこの後早速タルタロスに向かうのだろうが・・・まずはどこに向かう?」
「まずはケセドニアを経由してバチカルに向かい、そして最終的にはシェリダンへと向かいます。ディストの話ではベルケンドかシェリダンの研究施設に人員を借りてタルタロスの改造に取りかかりたいそうですから、近くにパッセージリングの入口があるシェリダンで待ち合わせる予定になっています」
「成程・・・そう言った順路で行くのか。分かった。そう言うことならしばらくグランコクマに戻らんだろうし、何か重要な問題があるからと一々こちらに来るというのも面倒になるだろう。だから二人は俺の代表として代理の形で何らかの決定が求められた場合はお前達独自で判断を下せ。決断の時間は色々と惜しいだろうから、後でこちらに報告書を送ってくれればいい」
「「はっ」」
そこからピオニーが次に行き先についてを聞いて孔明が順路についてを答えると、ジェイドとフリングスの二人に命を出して了承の敬礼を返させる。
「・・・取り敢えずはこれで以上だ。後はジェイド達に付いていってくれればタルタロスのある場所まで案内する事になっているから、行かれるといい」
「ありがとうございます、陛下。では参りましょう、皆さん」
そしてこれで終わりと言うようにピオニーが言い、孔明が頭を下げてリグレット達もそれに倣ってから一同は謁見の間を後にしていく。
「・・・あそこまで丞相の予想通りに行くとはな・・・」
そして孔明達が謁見の間から出たのを見届けた所でピオニーはポツリと呟く。孔明への賛辞と、ある人物への呆れを滲ませる形で。
「アッシュ自身は微塵たりとも感じていないんだろうな・・・先程の会話の流れが俺達の間で予定していた通りの中身であることもそうだが、自身の悩みを取り除いたかに見える丞相が全てその中身を誘導したのだという事実をな・・・っと」
そのある人物とは誰かと言うまでもなくアッシュなのだが、独り言を述べる中で兵士が元の配置につくために入ってきたのを確認した為に一旦言葉を止める。
(そもそも戻れないと考えていたのは、様々な要素が絡み合って複雑だからだったはずなのに全部ルークのせいだみたいに丞相が呟いた瞬間、それにしがみついて本音を口にした・・・重大な選択をする責任から逃れたいと思うのは人の性ではあるが、そうしてルークに全てを押し付けるのが被験者として自分はお前より偉い存在だとの自負から来る正しい姿などと言うなら、矛盾しているとしか言いようがない上にそうだと考えもしていないという証拠の筈なのにな・・・)
そこから内心で考える方に気持ちを切り替えるピオニーだが、アッシュに対する呆れを続けて口にするような中身でしかなかった。
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「えぇ、そうしましょう。後の報告に関しましては我々ではなく、お二方からしていただけるでしょうからね」
それでピオニーからこの件は一先ず終わりとする言葉が出て、孔明もまた了承を返す。
「では次はこの後早速タルタロスに向かうのだろうが・・・まずはどこに向かう?」
「まずはケセドニアを経由してバチカルに向かい、そして最終的にはシェリダンへと向かいます。ディストの話ではベルケンドかシェリダンの研究施設に人員を借りてタルタロスの改造に取りかかりたいそうですから、近くにパッセージリングの入口があるシェリダンで待ち合わせる予定になっています」
「成程・・・そう言った順路で行くのか。分かった。そう言うことならしばらくグランコクマに戻らんだろうし、何か重要な問題があるからと一々こちらに来るというのも面倒になるだろう。だから二人は俺の代表として代理の形で何らかの決定が求められた場合はお前達独自で判断を下せ。決断の時間は色々と惜しいだろうから、後でこちらに報告書を送ってくれればいい」
「「はっ」」
そこからピオニーが次に行き先についてを聞いて孔明が順路についてを答えると、ジェイドとフリングスの二人に命を出して了承の敬礼を返させる。
「・・・取り敢えずはこれで以上だ。後はジェイド達に付いていってくれればタルタロスのある場所まで案内する事になっているから、行かれるといい」
「ありがとうございます、陛下。では参りましょう、皆さん」
そしてこれで終わりと言うようにピオニーが言い、孔明が頭を下げてリグレット達もそれに倣ってから一同は謁見の間を後にしていく。
「・・・あそこまで丞相の予想通りに行くとはな・・・」
そして孔明達が謁見の間から出たのを見届けた所でピオニーはポツリと呟く。孔明への賛辞と、ある人物への呆れを滲ませる形で。
「アッシュ自身は微塵たりとも感じていないんだろうな・・・先程の会話の流れが俺達の間で予定していた通りの中身であることもそうだが、自身の悩みを取り除いたかに見える丞相が全てその中身を誘導したのだという事実をな・・・っと」
そのある人物とは誰かと言うまでもなくアッシュなのだが、独り言を述べる中で兵士が元の配置につくために入ってきたのを確認した為に一旦言葉を止める。
(そもそも戻れないと考えていたのは、様々な要素が絡み合って複雑だからだったはずなのに全部ルークのせいだみたいに丞相が呟いた瞬間、それにしがみついて本音を口にした・・・重大な選択をする責任から逃れたいと思うのは人の性ではあるが、そうしてルークに全てを押し付けるのが被験者として自分はお前より偉い存在だとの自負から来る正しい姿などと言うなら、矛盾しているとしか言いようがない上にそうだと考えもしていないという証拠の筈なのにな・・・)
そこから内心で考える方に気持ちを切り替えるピオニーだが、アッシュに対する呆れを続けて口にするような中身でしかなかった。
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