軍師、狭める

「ありがとうございます、大佐殿・・・大方同じような説明を私もディストからお聞きしましたし、大爆発が起きたならもうどうしようもない状態になるともお聞きしました。そうなれば我々との意志疎通が出来る状態になる方になるならまだしも、そういったことすら出来ない人格の人物が出来る可能性すらも有り得るともお聞きしました」
「な、何だと・・・!?」
「あくまで可能性の話ですが、そうなる危険性があることを覚悟してまでルークを自らの手で殺す気になれますか?」
「じょ、冗談じゃねぇ!俺が俺じゃなくなるだけじゃなく、そんな訳の分からねぇような奴になるかもしれねぇなんて聞いて、それでもあの屑を殺したいだなんて言えるか!」
そこから孔明がいかに大爆発による危険性が高いかを更に明かしていき、その中身にアッシュも流石に焦りを隠せずにルークを殺したいという気持ちを翻した。そこまでの事になど、なりたくはないと。
「理解していただけたようですね?私が貴方に勝手に決着をつけようと動かれると困ると言った意味が」
「・・・あぁ・・・そこまで聞きゃあな・・・」
「結構です。ただ一応貴方が自分の手でルークの事を殺そうというのはあまり望まれることではないとは理解出来たかとは思いますが、それでも大爆発の影響が及ばない程に遠くで対象が亡くなればもう一方は影響がないとのことです」
「何っ・・・それは本当か・・・!?」
「確実に大爆発が起きるとは確定はしていませんが、少なくとも大爆発の影響を受けたくないならそうした方が断然にいいのは確実ではあります・・・そして貴方がルークがいなくなったなら結論を出せると言うなら、こちらが貴方の為にルークを手にかける事も将来的には検討しています。勿論今の状況が状況な為、妻達と合流したらすぐにとはいきませんが・・・どうですか、アッシュ?」
「・・・俺、は・・・」
孔明はそんな姿に説明を積み重ねていき安全なのはどうかと言った上で、協力の体制を取る意志はあると柔らかな微笑を浮かべる姿に・・・今まで孔明に対して反目の様子ばかりを浮かべていたアッシュが、非常に苦々しい物へと変える。
「・・・・・・あの屑を排除、そっちが殺すというのであれば・・・俺は・・・・・・キムラスカに戻る・・・」
「・・・成程、それが貴方の本音という訳ですか・・・よく言ってくれましたね、アッシュ」
そして相当な葛藤の上で小さい声でうなだれつつもハッキリとキムラスカに戻るとアッシュが口にした事に、また孔明は微笑を浮かべて絞り出した本音についてを誉めた。よくぞ素直になってくれたと。
「こちらとしてもアッシュが本音を明かしてくれたことはありがたく思うが・・・そうするとなれば、あのルークに関してはどうして対処をするというのだ?話によればバチカルでインゴベルト陛下達と話をさせるとは聞いたが・・・」
「無論その懸念に関しては私が対処をしますが、まずアッシュにはこれ以降は特定の話し合いの場以外では何も知らないフリの徹底をお願いします」
「何故、そんなことを言いやがる・・・?」
「最も有り得る可能性はルークに何らかの意図を察されて、彼を逃がすことにあります。彼も今の状態に危機感を感じているでしょうし、自身に何らかの危害を加えられると考えられれば自分の命大事さに逃げ出す事も有り得ます。そうなれば彼の行動次第では世界に混乱が招かれる可能性もありますが、そうしないためには何も悟らせないよう不自然なことは何も起きてないと見せるのが手っ取り早いのです」
「そういうことか・・・分かった、何も言わないようにしてやる」
ピオニーはそんな会話を見てルークに対しての対応を問い、孔明はアッシュに何も知らないフリを理由と共に頼むと偉そうな調子を取り戻し頷いた。失敗はしないと。









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