軍師、狭める

「ただそうすることにより、アッシュの機嫌が一気に酷くなることは避けられないと思いますが・・・その事については覚悟はされているのですか、丞相?」
「えぇ、そのくらいは覚悟の上ですし想定の内です。それにそろそろ彼の気持ちがいかように固まっているかを触りくらいは確認する時間に来ていますし、考える時間がいつまでかの制限を認知していただくことも重要です。と言うよりは・・・下手をすれば今のこのアッシュからしての自分の立場に関して、宙ぶらりんの何も決めずに済む今の旅の状況がまだしばらく続くとどこかで感じている可能性も少なからず有り得ると私は見ています」
「あ~・・・確かにその可能性は結構有り得そうですね・・・あいつ何だかんだで不満だとか苛立ちとかの態度を見せはするけど、その反面としてまだこの状況が続くって思ってるからか不安だとかって様子を全く見てないんだよね~。あいつの事だから考えが決まってるとかって言うなら自分からどうしたいかにどうしろだとか強気で言ってくる姿は目に浮かぶけど、それが無いって事はまだ何も決まっていないって可能性があるってことですか」
「そういうことです」
そこでリグレットは不安要素が残ることについて考えがあるかを問うと、平然と孔明が是と返した中身にシンクが納得気味にアッシュの様子からこうではと口にした中身に頷き返す。
「ですがそんなことはもう望まれない段階にまで来ています。確かにリグレットの懸念は一理ありますが、その怒りを恐れることであったり面倒だからなどという理由で話をしないという選択をすれば彼が何も考えていなかった場合・・・それこそいざどうするかとの決断を下すように求めた際、勢いだけの考えのない答えを選びかねません。その中で最も最悪な展開としてはルークを殺して自分はキムラスカに戻らないと、意地だけの選択をする展開を望んでくることです」
「今のアッシュなら放っておいたらそうすることも有り得るということですか・・・そしてそれを避けるためにもアッシュとの会話をすることで、先程言われたようにする必要があると・・・」
「えぇ。意地を張ることに意地を持つこと自体を否定する気はありません。ですがそうすることに固執するあまりに、考えることを放棄するような意地など持つべきではありません。そしてそれらを認識していただくために行動を起こします・・・よろしいですね、リグレット?」
「はっ、そのような理由であれば私に異はありません」
それでリグレットへとアッシュの可能性を悪い方向に向かわせないように行動を起こすのだという孔明に、合点がいったと強く頷いた。


















・・・船の中でアッシュに関する事を話してきた孔明達。そこからも様々な話をしつつ過ごしてきた孔明達は数日後にグランコクマに辿り着いたのだが、その数日の間にアッシュと顔を合わせる時などほぼないままに過ごしていた。



「・・・少々こちらで待たれてください。我々が戻ったことは知られているでしょうが、今から陛下にお伺いを立てに行ってきますので」
「えぇ、分かりました」
そして港から出て宮殿の前にまて来た所でフリングスが先に話をしに行くと言い出したことに孔明が頷き、ジェイドと共に宮殿の中に入っていく。









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