軍師、狭める
「少将の言われる事は分かりました。ですが今すぐに話をという訳には参りません。アッシュの性格上わざわざ私に追い掛けられて話をなどと言われてもはいそうしますと言うような事はないでしょうし、自由行動をと言ったのにそれを覆すのかといったような言いがかりをつけて話を逃れようとしてくる可能性が高いでしょうからね」
「・・・彼の性格なら確かにそうなるでしょうね・・・」
「それに加えて船の上でというのもアッシュに乗り気になっていただける状況ともならないでしょう。逃げ場がない状況では彼は不機嫌になって口をつぐむだけとなるでしょうからね・・・そういった点を踏まえればグランコクマが場所としてもそうですが、貴殿方の手を借りるのにも都合がいいでしょう」
「我々の手、ですか・・・?」
ただと孔明は今すぐは無理と言いつつグランコクマで協力をしてほしいと言い、フリングスは何故自分達の事が入るのかと眉を寄せる。
「ではその理由を説明致しますが、少々お時間をいただきます」
勿論説明はすると時間はかかると前置きをしてから孔明は話を始める。
「・・・と言うわけです」
「成程・・・それなら確かにグランコクマでの方がよろしいでしょうね」
「それで協力していただけますか、少将?」
「えぇ、それなら私も協力出来そうですが・・・大佐にはこの事をお伝えした方がいいのではないのですか?」
「そちらは少将にお任せしてよろしいでしょうか?明日には船に乗りますので、大佐とお二人になられた時に説明していただけると自然でいてアッシュに悟られぬ状態になるでしょうからね」
「分かりました、そうさせていただきます」
・・・それで少し長くなった説明も終わった所でフリングスは全面的に納得といった様子になり、孔明の要望に疑う様子もなくすんなりと頷く。
「ただ後は出来るなら万全の状態にするためにも、ルーク様の意志の確認をしたいところですが・・・」
「そこに関してはやむを得ない物だとお思いください。どのような選択をするかの予想はつけられても本人の口から出てきた答えでなければ、行き違いが起きかねませんからね。まずはアッシュの本意はなんなのかを確認することが出来れば良しとしましょう」
「そうですね・・・急いては事を仕損じると言いますから」
しかしやはりルークの考えも知りたいと漏らすフリングスに孔明が今した話から出たことを進めるのが最善とする旨の話に、すぐに納得する。下手に急ぎすぎても良くないと。
・・・それからフリングスは話が済んだということで孔明の部屋から出て、孔明自身もケテルブルクで自分が何かをやれることはないということからゆったりとした時間を過ごしながら一晩を過ごした。
それで翌日、街の入口で全員が集まったのを確認してから孔明達は船へと向かった。変わった様子を見せることのない、不機嫌さを滲ませたままのアッシュの姿を確認しつつ。
「・・・成程、そのような手段でアッシュに真意を聞くという訳ですか」
「えぇ。少将からの要望は我々にとっても渡りに船であり、協力を取り付けるいい機会でしたからね。ですからグランコクマで彼に今の考えについてを聞かせてもらいます」
「素直に言うことを聞くとは思えないですけど、だからこそ言うことを聞かざるを得ない状況にする・・・流石です、丞相」
それで船に乗ってリグレットとシンクの二人と同じ部屋に入った孔明は宿での話し合いの中身を話し、共に納得といった様子を浮かべるばかりかシンクは憧憬の念まで浮かべていた。
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「・・・彼の性格なら確かにそうなるでしょうね・・・」
「それに加えて船の上でというのもアッシュに乗り気になっていただける状況ともならないでしょう。逃げ場がない状況では彼は不機嫌になって口をつぐむだけとなるでしょうからね・・・そういった点を踏まえればグランコクマが場所としてもそうですが、貴殿方の手を借りるのにも都合がいいでしょう」
「我々の手、ですか・・・?」
ただと孔明は今すぐは無理と言いつつグランコクマで協力をしてほしいと言い、フリングスは何故自分達の事が入るのかと眉を寄せる。
「ではその理由を説明致しますが、少々お時間をいただきます」
勿論説明はすると時間はかかると前置きをしてから孔明は話を始める。
「・・・と言うわけです」
「成程・・・それなら確かにグランコクマでの方がよろしいでしょうね」
「それで協力していただけますか、少将?」
「えぇ、それなら私も協力出来そうですが・・・大佐にはこの事をお伝えした方がいいのではないのですか?」
「そちらは少将にお任せしてよろしいでしょうか?明日には船に乗りますので、大佐とお二人になられた時に説明していただけると自然でいてアッシュに悟られぬ状態になるでしょうからね」
「分かりました、そうさせていただきます」
・・・それで少し長くなった説明も終わった所でフリングスは全面的に納得といった様子になり、孔明の要望に疑う様子もなくすんなりと頷く。
「ただ後は出来るなら万全の状態にするためにも、ルーク様の意志の確認をしたいところですが・・・」
「そこに関してはやむを得ない物だとお思いください。どのような選択をするかの予想はつけられても本人の口から出てきた答えでなければ、行き違いが起きかねませんからね。まずはアッシュの本意はなんなのかを確認することが出来れば良しとしましょう」
「そうですね・・・急いては事を仕損じると言いますから」
しかしやはりルークの考えも知りたいと漏らすフリングスに孔明が今した話から出たことを進めるのが最善とする旨の話に、すぐに納得する。下手に急ぎすぎても良くないと。
・・・それからフリングスは話が済んだということで孔明の部屋から出て、孔明自身もケテルブルクで自分が何かをやれることはないということからゆったりとした時間を過ごしながら一晩を過ごした。
それで翌日、街の入口で全員が集まったのを確認してから孔明達は船へと向かった。変わった様子を見せることのない、不機嫌さを滲ませたままのアッシュの姿を確認しつつ。
「・・・成程、そのような手段でアッシュに真意を聞くという訳ですか」
「えぇ。少将からの要望は我々にとっても渡りに船であり、協力を取り付けるいい機会でしたからね。ですからグランコクマで彼に今の考えについてを聞かせてもらいます」
「素直に言うことを聞くとは思えないですけど、だからこそ言うことを聞かざるを得ない状況にする・・・流石です、丞相」
それで船に乗ってリグレットとシンクの二人と同じ部屋に入った孔明は宿での話し合いの中身を話し、共に納得といった様子を浮かべるばかりかシンクは憧憬の念まで浮かべていた。
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