「・・・つーかパッセージリングを全部回る、か・・・それだけの時間が大分かかるんだろうけれど、それが済めば俺とアッシュの問題をどうにかするための時間が近付くんだろうな・・・」
「あ～、すぐって訳じゃないにしてもパッセージリング回りが終わってそう時間は空けないとは思いやすよ。考える時間はこの旅の間で十分にあるでしょうし、旦那様の考えも大方進み終える所ですしそれくらいの時には結論が出てもらった方がいいっすね」
「やっぱそうなるよな・・・」
そこから話を自分とアッシュの事に移すルークにくのいちもその考えはまず間違いないだろうと返し、複雑そうに表情を歪ませる。
「ちなみに今のルークの気持ちはどうすることに傾いてるんで？」
「・・・ある程度決まってはいるけど、アッシュ次第って部分が大きいんだよ。あいつの感じだとどう考えたとしても、俺をどうこうしないと気に入らないとかって言いそうだからな・・・」
「まぁそこのところは旦那様に任せとくって事で、実際の所はどうなんす？もうある程度決まっててそれが変わらないって言うんなら、旦那様に報告って形で手紙を出すから方針に組み込んでもらいやすんで」
「・・・コーメイの庇護下に入りたいって、そう俺は思ってる」
「あ～、成程・・・そっち選ぶんすね」
くのいちはそこでルークの考えについてを聞き、言いにくそうだった様子に再度言葉にするようにと願うと孔明の元に行きたいと帰ってきた為に納得する。
「・・・今までの旅でよ、アッシュが俺に対して少しでもいい目を向けてくるなんて事はなかっただろ？お前が俺やアッシュの事を見てたかどうかなんか知らないけどよ・・・」
「まぁずっと見てるわけにもいかないから度々しか見れてないっすけど、アッシュがルークにいい目を向けてた時なんか確かに覚えはないっすね～。一応あっしらの言葉が効いてるからか、ルークにつっかかりはしようとせずに我慢はしてくれてはいるようっすけどね」
そこからルークが問い掛けつつもアッシュの態度が変わってないことを引き合いに出すと、くのいちも同意をしつつ我慢はしているようだと返す。



・・・くのいちが言ったが、今までアッシュがルークに突っかかることなくいたのはくのいちからの脅しがあったからに他ならない。そうでなければ今までに何度二人の間でいさかいが起きていたかなど、予想もつかない。

この辺りはくのいちの脅しがこれ以上もなく効いた為であるが、それでも何かルークに苛立ちを浮かべている場面も何度もルークもそうだがくのいちも見てきた。

だがその姿は酷い目に合うことを覚悟してまで突っかかる程の意志もない、ただ底の浅い怒りが死を前にして萎縮しているというだけにしかくのいちには見えなかったし・・・そこが攻略点になるとも孔明共々に考えていた。



「それで今あいつがどうしたいかについてどうなのかってのは予想はつかないけど、それでも今までの話とかを考えるとキムラスカに戻ることを選択したとしたらろくでもない結末になりそうな気がするんだよ・・・多分そうなったらアッシュはキムラスカに戻るなんて選択をしないってこともそうだけど、あいつが死んでるなんて状態でもなかったら俺を殺しに来る・・・なんて事も有り得そうな形でな」
「う～ん、それは否定は出来ないっすね～。そうさせる気はないにして誰の目にも届かない所に行くなんて展開は望ましくないんすけど、かといって人の目につくところに居続けるようにするのも難しいし、機を見て人の目を掻い潜って脱け出すなんてことも十分に有り得るでしょうしね～」
「そう・・・そんな事も有り得るって思った上で、死にたくない・・・そう思ったからコーメイの庇護下に入りたいって言ったんだ」
「成程ねぇ・・・」
それでいかにアッシュの殺意を驚異に思いそれをかわした上で生きたいと述べるルークに、くのいちは納得して頷く。それなら確かにキムラスカに戻るよりは孔明の庇護の下にいる方が安全だろうと。









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