軍師と女忍、解決に踏み切る

「・・・あ~、もう勝手に我慢してくれるならそれでいいって思うしかないか・・・多分お前が凝った事をすれば何かボロを出しそうだとは思うけれど、だからって今それをしたら面倒になるんだろうしよ・・・」
「あ~、そう言ってくれると助かるっす・・・気にはなるけれど、それを明らかにしたならティアに何事もなく付いてきてもらうのが難しくなりそうなんで・・・」
それで追求はしない方向にしようと疲れたように言い出すルークに、くのいちもまた同意だと頷く。ティアが何故痛みに対して強いか、今の状態では知っても得も何もないために。
「まぁティアが何も言わないのはともかくとして・・・パッセージリングが後何ヵ所回らないといけないかとかハッキリ聞いてねぇけど、それだけ回る間であいつの体って持つのか?すげぇ負担がかかるってんなら結構微妙な気がするんだけどよ」
「ん~、その辺りは謡将の体調を調べたディストの計算じゃ全部回ったら死ぬ可能性もあるけれど、生き残る可能性もあるってくらいだって言ってたね。と言っても兵士としての任に就くどころか、寝床から体を起こすことすら難儀なくらいの状態になるらしいっすけど」
「そんな状態がずっと続くってのか?」
「うん、それは間違いないって。まだ謡将も二ヶ所しか行ってなかったからまだやせ我慢が効いて活動出来るくらいらしいけれど、あくまでその二ヶ所を押さえれば謡将としての計画は最低限達成出来る見込みがあったからそれだけで済ませただけ・・・だから謡将はまだ気力で動けるくらいにはなってはいたけど、これからのティアに関してはやせ我慢が続いても多分最後辺りにはもう限界が来るのは避けられないだろうとは思うんだけれど・・・それでも今までの自分を曲げようとしない様子とあぁまでして涼しい顔でやせ我慢を続ける姿を見ると、もしもの事も有り得そうなんすよ・・・」
「もしもの事っつーと・・・そんだけの痛みでも神託の盾に普通にいようとし続けて、上を目指してくるってことか」
「そういうことっす・・・」
それで話題転換にとルークが体が持つのかについてを聞くのだが、無理矢理にでも意識を保たせ活動を続けかねない事も有り得るとくのいちは脱力気味にその可能性について漏らす。
「だったら機を見てティアに体の事を俺達が表向きに知られる・・・みたいなきっかけを作った方がいいんじゃねぇか?あいつから言い出そうとしないし気力で我慢するかもしれねぇってんなら、それを自然にぶちまけざるを得ないような形にでもしてよ」
「あ~、そうした方がいいっすね確かに・・・自分から言い出すとしたらそれこそ死ぬ間際になる程で我慢なんて出来ない状態になってだろうけれど、それを乗り切ってしまったら以降に自分の状態についてを明かしてくるとは無いだろうし・・・」
「んじゃコーメイに言うのか?」
「いや、報告はしやすが指示は仰がないっす。旦那様にはあっしにどうするかを任せるって言われやしたし、今回で一通りパッセージリング回りは終了させる予定なんでそんな時間はないんすよね」
「そう言うことなら仕方ねぇか・・・」
そんなくのいちを見かねてたまらず打開策を口にするルークに素直にそうすると答え、孔明について更に聞くが自分の判断に委ねられていると返す様子にルークも納得する。一々不安だからと指示をもらいにいくといったそんな時間はないし、何より孔明から判断を一任されているのだと。









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