軍師と女忍、解決に踏み切る

「・・・とりあえず少し先に進むよ~。ここで休憩してもいいけど、パッセージリングの操作盤の周りなら魔物とかは来ないって調べはついてるからね」
「あ、はい・・・分かりました・・・」
そんな光景に先にと理由つきで言うくのいちにティアは何とも言いがたそうながらも頷き、先へと歩むその姿にイオンを気遣うようにしながらも歩き出す。



・・・それでパッセージリングの中の操作盤の所に辿り着いた一同。
「ん~・・・この様子だと中の仕掛けを解かないと封呪の解除が出来ないっぽいな~」
「奥方、私に任せてしばらくお待ちください。こういった時にこそ私が活動するべきです」
「あぁ、じゃあお願いディスト」
「では少しお待ちください」
しかし周りの様子から仕掛けがあると判断したくのいちにディストが自分が行くと切り出し、それに頷くとそのまま空を飛んで奥の方へと進んでいく。
「・・・なぁ、単に待つだけもなんだから質問するけどよ・・・なんでパッセージリング近くに魔物とかは来ないってなるんだ?色々と調べてるのは聞いたけど、その理由まで分かるのか?」
「ん~、その辺りに関してはディストの調べになるんだけれど操作盤の周辺って魔物が好まないような成分が含まれた物質が使われてるらしいんだよね~。これは人が入らないっていうか入れないようにセフィロトを設置したけれど、流石に魔物まではどうしても隙間だったりから入ってくるのは避けられなかったようだからね。だからもし何らかの事態が起こらないようにって事で、そんな造りになったらしいんだよね。そしてそれがあるからここにはアリエッタの友達を連れてきてないんだよ・・・頼めば来てはくれはするようだけれど、あんまり来たくはないって言ってたって事らしいし」
「あ~、だからこの中から歩きで来たってことか」
「そう、です・・・皆ここに入るの嫌がるから、アリエッタも一緒に入るの、止めるようにってお願いしてる、です」
「成程ねぇ・・・」
そんな中でルークがさっきの発言についてどういうことかと問うと、くのいちがその訳についてを説明した上でアリエッタが強調すると納得する。魔物が来ないのは確かなことで、だから入口で魔物に待ってもらっているのだと。
「・・・つーかそれなら他に魔物がいたらって、そういやディストは空飛ぶ椅子に乗ってるからすぐに逃げれるんだよな」
「そうそう。それにこういった場所の仕掛け関係に関しちゃディストの右に出るものはいないし、ゆっくり待っておけばいいよ。少ししたら解除してきてくれるだろうしね~」
「そっか・・・んじゃ安心だな」
ただディスト自体の危険についてをと言おうとして途端に空を飛べたことをルークは思い出し、くのいちの言葉にホッとしたように表情を緩ませる。
「あの・・・イオン様、大丈夫ですか・・・?」
「僕は大丈夫です。少し休めば体調は戻りますから・・・」
「何かあれば言ってください、出来る限りの事はしますので・・・」
そんな会話からティアがイオンの心配をするのだが、大丈夫と首を横に振る姿に一層心配の声を向ける。



(ここだけ見るといかにも人として優しいみたいな感じになるんだろうけど、あくまでそれは自分の思う偉い人だったり優先すべきの基準があってのこと・・・それが悪いとは言わないけれど、やっぱりルークに対しての態度から考えるとそれは兵士って立場から考えると良くないとしか言えないんだよなぁ・・・)
そんな光景にくのいちは内心冷めた気持ちをティアに対して浮かべる。やはり普通の人としてはまだともかくとしても、兵士としては未熟であると・・・









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