軍師と女忍、解決に踏み切る

「・・・ただ、一つお聞きしますが・・・この事はルークにアッシュのお二人はご存知ですか?」
「いえ。ルークの場合は衝撃を受けて動揺するだろうことからあまり進んで言うつもりはありませんが、アッシュの場合は動揺というよりは怒りに震えて自分の手でガイを殺す・・・などと言った展開にしかねません。ファブレに敵が入り込んでいたという事実に、それまでファブレにいた自分もまた騙していたという点に大いに憤る形でです」
「成程・・・そういった展開になっていたなら、流石にアッシュの事を見て見ぬふりをするというわけにもいきませんし、完全にガルディオスの生き残りだという言質がない状況でというなら尚更になりますね」
「ですのでガイに関しては二人のいる場でもそうですが、人の目のあるような場所では口外しないでください。下手にお二人・・・特にアッシュの耳に入れば面倒になりかねませんからね」
「えぇ、分かりました」
ただそこでふとジェイドがルークとアッシュがガイのことを知っているかとの問い掛けを向けてきた為、孔明が答えを返すその中身に納得して頷き返す。ルークはともかくアッシュに知られることは避けたいと、そういった考えを理解する形で。


















・・・そのような形でガイについてを話終えた孔明達は以降は特に何事もなく、船上での時を過ごした。



「・・・ではくのいち、パッセージリングを回るのは貴女にお任せします」
「はい、分かりました」
・・・それでケセドニアに来た孔明達はここでくのいち達と二手に分かれる事とし、互いに挨拶を交わす。
そして場から孔明達がマルクト行きの船に向かうのを見送った後に後ろにいたルーク達の方にくのいちは笑顔で振り向く。
「さ~てと~、んじゃ早速パッセージリング回りに向かうよ~♪まず第一の目的はここに一番近いタタル渓谷に行って、その後はザオ遺跡。そこからはまぁ口にすると色々とめんどくさいから省略するけれど、焦らず素早く確実に行くよ~♪」
そのまま一同のまとめ役と言うには軽く楽しそうな声で予定についてを明かしていく。
「・・・それはいいのですが、アリエッタの魔物はどこにいるのですか?彼女の魔物をあてにするとは聞いてはいますが・・・」
「街から少し離れた普通は近付かないような所に待機してもらってるよ~。流石に事情ありって言っても街の中でアリエッタのお友達を面倒見てもらうには街の人達からしたら怖いだろうからね。ちなみにパッセージリング回りをすることからその周辺にお友達には待ってもらってるよ♪」
「そこまで丞相は考えられていたのですか・・・やはりすごい・・・」
ただティアが魔物はどうしているのかと聞くが、街の人の為も合わせて対策済みといった返しを明るくするくのいちへ感心したような声を漏らす。
「・・・早く行く、です。アリエッタ、皆に会いたい、です」
「だな・・・まずはタタル渓谷だろ?早く行こうぜ」
「ですな。んじゃ、行きましょうか♪」
そんな空気でアリエッタが行こうと切り出してルークもさっさと同意したことに、くのいちが明るく出発を切り出す。パッセージリング回りの始まりだと。









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