「ユリアシティでの会話の際、謡将からフェンデ家としてガルディオスに仕えていたという言葉が出ていました・・・ティア＝グランツはまだ年齢的に幼かったことから事実は知らないだろうにしても、謡将ならガイがガルディオスの生き残りかどうかに関しては知っている可能性は十分に有り得ると思います」
「だから謡将にガイがそうなのか確かめるような機会を設けたい、と言うことですか？」
「えぇ、二人で話し合いをした結果なのですが・・・いかがでしょうか？」
ジェイドはヴァンとガイの関係性からどうにかガルディオスの事を確かめられないかと、孔明に伺うように問い掛けと視線を向ける。
「・・・その事に関しては別に構わないと言いたいのですが、ガイをダアトに連れていくか謡将をマルクトに連れていくかどちらかにするかが重要になります」
「・・・どちらを選ぶにしても、直接会わせる必要があるのですか？」
「えぇ。謡将がガイを庇う可能性もありますが、どちらかと言えば問題なのはガイが謡将がこう言ったと言ってもしらを切る可能性の方です。言ってはなんですが今までのガイに関しての証拠はあくまでも状況証拠にしか過ぎず、謡将がガルディオスだという言葉を口にしたと人伝に言っても嘘だとかそうではないと言って自分だけ責任逃れに入ることは有り得るでしょう。ですのでそういった事になるのを避けるためには、謡将と直接対峙していただいた上でその場にいる我々が言質を取ることが最上かと思われます」
「成程・・・言い逃れの出来ない状況を作ることが重要だということですか・・・」
「えぇ。ですのでお二人のどちらかをどちらかに連れていく事が必要になるのですが、我々としては先程ティアに述べたようにあまりダアトから謡将を出したくはありませんし、ガイの真実を日の目に晒す為だと言ったなら乗り気になってくれるとも思えません」
「・・・となればガイをダアトに連れてきた方が手っ取り早そうですし確実そうですが、そうした方がいいなら我々もそうするようにとピオニー陛下に働きかけますが・・・」
「いえ、ガイをダアトに連れていくにしても途中で何か彼からして不穏な気配というものを察することも有り得ない訳でもありません。それに彼の立場をどうするかをピオニー陛下も交えて決めることが肝要かと思われます。もし我々に彼の処断を任せるというのでしたらダアトに連れてきた方が手早く済みますが、そうでなく以降もマルクトで彼に生きていただく予定であるなら途中で物理的に逃げるかあの世に逃げるか・・・そういった危険性も出てきますからね」
「成程・・・どちらにもメリットはあるが、デメリットもあるといった状況だということですか」
孔明はそれなら直接二人を会わせる必要があることにその際の危険性は少なからずあるのだと説明していくと、フリングスも重々しく頷く。そうそう楽観視出来るような状況ではないと。
「・・・ではこの話はピオニー陛下の御前でということにしましょう。丞相の話ではどちらでもよろしいといったような様子でしたし、近い内にグランコクマに行くことになるでしょうからね」
「えぇ、それで構いませんよ。ガイの事に関して今のところ結論を急がねばならない訳でもありませんからね」
それでジェイドが話はグランコクマでとまとめた事に孔明も反対せずに頷く。ガイの秘め事を明かす時が一刻一刻と近付いていると場にいる面々全員が感じるようになる形で・・・









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