軍師と女忍、解決に踏み切る

「ではティアがこちらに来るまでに残りの面々をどう分け、どう動くのかを話し合いましょう。彼女がユリアシティからこちらに来るまでにはまだ時間はかかるでしょうからね」
それで孔明が余った時間をどう使うかについてを口にし、周りも反対といった様子を見せずに頷く。









・・・それで少し経ち、ティアが孔明達の元を訪れる。
「・・・お待たせしました、丞相」
「来ましたね。では早速市長を始めとしたユリアシティの方々がどんな結論を出したのか聞かせてもらえますか?」
「・・・この手紙に詳細は書かれていますが、自分達も協力すると言ってくれました。ただお祖父様以外の人達は完全に納得はしきれていない様子でしたが、それでも今の状況と丞相の話を聞いてやむを得ないと言った様子になっていました」
「それくらいは妥当な所でしょう。それでも了承の返答が返ってきた事は十分な成果です・・・どうぞ、トリトハイム殿」
「確かに受け取りました」
入室してきたティアが緊張した面持ちで話し掛けてきた為に結果を問うと、手紙を出しつつ一応は成功と若干苦そうな表情をしながら返す様子に孔明は対照的に冷静な表情のまま手紙を受け取り、トリトハイムに手渡す。
「さて・・・では先程まで話していたことについてを貴女にお話しましょう。この後すぐに我々はここを発つ予定ですからね」
「?・・・はい、分かりました・・・」
そのまま先程の話をすると言うのだが、ティアは何の事か分からないために首を傾げそうになりながらも頷く。









・・・と言ってもちゃんとティアに聞かせるつもりのない部分についてはちゃんとカットしながら孔明は話を進め、先程のメンバー分けに加えてパッセージリングに向かう組にアニスとディスト、タルタロスに向かう組にはリグレットとシンクが行くことが伝えられた。



「・・・あの・・・そのパッセージリングに向かう組の中に何故私がいなければならないのか、それをお聞きしていないのですが・・・」
「あぁ、その事についてお伝えしていませんでしたね」
そんな話を聞く中でティアがおずおずと理由についてを聞いてきた事に、孔明は失念していたと笑顔を浮かべる。
「簡単に言うならパッセージリングには封印がかけられているんです。それもユリアの血族の者でなければ解けない封印が」
「・・・つまり、私はそれを解くための役割を担うということですか?」
「えぇ、そうです。謡将をこのまま連れていくのは流石に色々と危険が生じます。二手に分かれねばならぬ事もありますが、しばらくはダアトの安定の為にも兵達の多数を残しておきたいので人手が少なくなります。そのような状況ですから何らかの予測出来ない事が起きて拘束が外れることもそうですが、何より船の上が最も危険になります・・・謡将は自らの野望を諦めたと言ったような態度ではいましたが、これ以上我々にいいように使われてなるものかと海に身投げをする可能性も全くないとは言い切れません」
「っ!」
孔明は簡潔にその理由を言った後にヴァンに頼まないのは何故かとその危険性も併せて説明すると、ティアは瞬時に顔色を青ざめさせた。兄がそのような意地を張ったが故の無惨な結末になりかねないという恐怖に。









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