軍師、責める

「嘘だと信じたいというお気持ちに関しては察します。ですが物事には始まりがあり、そして終わりがあります。先の話で我々がいかに行動をしてきたかに、その時に出した話の中身・・・これらを鑑みればいかに信じたくないという気持ちはあれども、全くのデタラメでないと分かるはずです」
「・・・それは・・・そう、ですが・・・」
「・・・このような言い方は好きではありませんが、貴方がどう否定をしようとも最早事態はどうにも出来ない所にまで来ています。外殻大地の限界が近いこと、キムラスカとマルクトにダアトの各勢力の首脳陣がそれらを知ったこと、そして第七譜石についても知られていること・・・ここまでの状況になっているというのに、未だに預言にしがみ続ける姿勢を崩そうとしないことは最早滑稽を通り越して哀れさすら覚えます」
「っ・・・!」
孔明は話は分かったのかを確認するがまだ未練で言葉を濁す市長に、言葉通り孔明にしては珍しく侮蔑の言葉と視線を向けると唖然とした表情になる・・・孔明は悪印象を抱く相手に対して直接的な言葉を滅多に用いないが、今そうしているということに。
「・・・市長。何も今すぐに全てを理解し、心の内を全て入れ換えるようになどとまでは言いません。ですが状況としてはもうユリアシティの方々も外殻大地の問題から、オールドラント中に姿を現さなければならないことになります。そうならない状況ということは即ち外殻大地について何の対策も取ることが出来ず、魔界に外殻大地が落ちて障気に呑まれてキムラスカもマルクトもダアトも関係無くこのユリアシティ以外が消えてしまう時になります。そしてそうなればユリアシティもまた遠くない内に滅びる事になるでしょう・・・食料の不足という事態で」
「っ!!」
ただ孔明が様子を取り戻して続いた言葉はそんな心情からは別の現実的な視点から見た問題であり、市長は決して無視出来ない問題を前にして息を詰まらせた。食料の事に関してはやはりというか、ユリアシティから見れば死活問題としか言えないために。
「・・・本来でしたらここで貴殿方の協力を取り付けたかった所ですが、どうやら時間が必要なようですから一先ずお暇させていただきます。ですがこれからの事もありますので貴殿方には我々に協力していただけるかどうか、出来るだけ早く聞かせていただかねばなりません。ですので今日はティアをここに置いていきますから、明日までに住民の方々も合わせてどうするのかについてを話し合われてください。そして明日になったならばどうするのかについてを記した証明の為の手紙を彼女に託し、ダアトに彼女を送ってください」
「・・・もし我々が貴殿方に協力しないとの結論を出したなら、貴方はどうするつもりですか?」
「食料の配給に関してを止めるつもりはありませんが、代わりにユリアロード付近に私の配下の兵を配置させていただきます。そして外殻大地と障気についての対策を取った後は外殻大地が魔界に降りてきても大丈夫な処置を取ったなら兵はその時には使えなくなるだろうユリアロードから撤退はさせますが、代わりに外殻大地が魔界に降りた後の時勢では貴殿方を積極的に擁護するような体勢は取りません。むしろ大詠師のやり方を幇助し、新体制となったダアトとは相容れぬ存在だということになるでしょう」
「「っ・・・!」」
そこで孔明は協力を無理に切り出されるより考える時間を設けると言うと、市長が拒否した場合の事を聞いてきた為にその対応についてを返すとティアが共に驚愕する形で息を飲んだ。ユリアシティをダアトの庇護から外すだけではなく、むしろ敵に近い形になる体勢を取る心積もりであると聞いて。









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