軍師、責める

「そういうことならお答えしますが、端的に申し上げるならかつてのホドの中に第七譜石がありその中身はキムラスカが勝利した後に流行り病が起こり、そして障気によりオールドラントが滅びると言うものです」
「なっ!?第七譜石がホドにあったこともそうだが、中身が・・・オールドラントの滅び、だと・・・!?」
「う、嘘よそんなこと!預言にそんなことが詠まれてるなんて!」
「嘘だと言うなら、何故ユリアの詠んだ預言は最大で七つまでなのですか?」
「「・・・え・・・?」」
ヴァンはそこからあっさりと第七譜石の中身を暴露して市長とティアは驚愕に信じきれてない様子を見せるが、孔明の問い掛けに揃って声を漏らす。第七までの理由についてなど考えたことなどないといったように。
「譜石が第七までということに関して、楽観的な人々の意見はそこまでの預言が達成出来れば後は何をせずとも無条件に繁栄をもたらしてくれると言った意見がありますが・・・そこから先が無いということは例え預言の中身が繁栄を示していたと仮定して、預言を詠むことに意味がなくなる世界になることと同義であるとは思えないですか?」
「「「「っ!?」」」」
・・・そして孔明から出てきたオールドラントの人間からは出てこないだろう、預言の意味が別方向に無くなる言葉に市長達だけでなくルーク達にヴァンまでも驚愕した。まさかの視点からの言葉に。
「預言が尊いと言われているのは、その中身に従えば大小問わずに繁栄が訪れると言う魅力があります。ですがそれはあくまでも詠めることが出来る間までの物になり、その例え通りになるとしたなら一般的に詠まれる預言もまた同様の物となるでしょう。後は好き勝手にやればそれでいいと、そういったようにです」
「そんな・・・預言がそんな風になるなんて・・・」
「有り得ない・・・そうおっしゃりたいのでしょうが、ならばこそ第七までしか譜石が無いのかの意味は何なのでしょうか?ちなみに先に言わせていただきますが、第七譜石の中身は他の第一から第六までの譜石と比べて最も長期間に渡って詠まれていて、最期の預言はまだまだ先になる・・・などという答えは通じませんよ。第六までの譜石は大体同じような長さで詠まれていますから第七譜石だけ別物扱いで長いと言うのは考えにくいことですし、何よりまだ先と信じると言うのは今の貴方にとっての現実逃避でしかありませんし物事にはいつか終わりは必ず訪れる物です。ただこれはあくまで例え話の中の物・・・現実は更に過酷な物です。滅びと言う結果が詠まれた現実は」
「・・・っ!」
それでいかに預言が詠まれなくなった世界になるのかを語ると信じたくないといったように首を横に振る市長に、更にそれがいかに起きえることかと根拠を口にしたかと思いきやいきなり現実に引き戻すように本当の中身についてを口にする孔明の饒舌さに怯えた様子を浮かべる。どちらが本当かなど最早市長にとっては大差など無いといった中身を受けて。
「私としましては今までの預言の中身からしてそのような後は好きにすればいいなどというようなフワリとしか表現で預言が終わる事は到底有り得ないと思っていますし、謡将が詠んだというその中身なら第七までしかないという理由も納得出来ました・・・本来預言は繁栄を詠んだ物ではなくむしろ逆で、第七譜石に詠まれた結末を避けるための物として普及されたのだと」
「っ!」
そのまま孔明は自身がいかに考えていき結論を出したのかを言葉にし、市長はたまらず衝撃に後ずさりをしてしまう。繁栄の為の道筋ではなく滅びを避けるために詠まれたと、一般論から全く真逆の結論に。









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