軍師、責める

・・・それから多少は時間こそはかかったが、孔明は説明を市長へとし終わった。時折くのいちにリグレットを始めた六神将陣に・・・ヴァン本人にまでと、どういった事が起こってきたかに起こしてきたかを。尚、その際には前に言ったように第七譜石の中身についてをティアに聞かれないように意図的に話から外しておいた。



「・・・ということです」
「・・・そんな、事が・・・!」
孔明が説明は終わりだと締め括ると案の定というべきか、市長は呆然としたように声を漏らしながらヴァンに視線を向ける。
「ヴァン・・・今丞相が言ったことは、嘘ではないのだな・・・本当に・・・?」
「信じたくないという気持ちが強いようですが、間違いなど一つ足りとてありませんよ。市長」
「っ!・・・何と言うことだ・・・この子なら預言の達成は出来ると、信じて送り出した筈の孫が・・・」
「フン・・・祖父としての役割は十全に果たしていると言ったように言っているが、所詮その関係も我々が崩落した後のホドからユリアシティに来てからの物。それにそれも我々がユリアの子孫だからこそ貴方は我々を引き取ったに過ぎず、我々との間に血は繋がってはいないということも忘れたのか?」
「待って兄さん!それはどういうこと!?」
そこから二人の会話が始まり弱る市長にヴァンは強気な言葉で返していくのだが、ティアが孔明の言葉など意味を成さなかったといったようにたまらず大きな声で制止をかける。話の中身が本当ならグランツ兄妹と市長には血の繋がりはない、そうなるために。
「ティア・・・いや、メシュティアリカよ。そもそもお前もそうだが、何故私もヴァンデスデルカという本名にフェンデの名字を敢えて名乗らぬ形で活動してきたか分かるか?」
「えっ・・・そ、それは・・・その・・・」
「・・・分からぬようだから説明するが、フェンデ家は元々ホドの領主であったガルディオスと近しい家の者としてマルクトもそうだが、キムラスカにも多少なりは名前が売れていた。そんな名字の人間が生きているということを隠すためが理由の一つだ」
「それは・・・確かにガルディオスの事については知ってはいたけど・・・」
「「・・・」」
ヴァンはその姿に仕方ないと自分達の本当の名前と名字についてを口にした上で理由の一つを明らかにするのだが、困惑するティアを尻目にジェイドとフリングスの二人がそっと目を細めていた。ガルディオスの単語を聞いて。
「そしてそれは市長の立場にも多少関わり、単純にグランツの姓でなければ市長の孫という立場になるには面倒があったからだ。まぁ祖父と孫の代になれば名字の違う環境もあるが、それでも市長の血縁と強調する意味もありグランツの名と名前の一部を使うことにして名を隠すことにしたのだ。現に本名については普段は名乗ることはしないようにとは言ったが、自分と私の本名について知っているだろう?」
「そ、それはそうだけど・・・」
「それが血が繋がらない理由にはならないと思っているのだろうが・・・それなら本人から聞いてみたらどうだ?」
「お、お祖父様・・・?」
「・・・ヴァンの言っていることは本当だ。間違いではない」
「っ!?」
続けるヴァンの本名を名乗らない理由を話すとティアが釈然としない様子を見せた為、本人に聞くよう市長へ話題を振れば少し苦々しげに肯定を返す様子に驚愕に目を見開いた。本当にそう返ってくるとは微塵も思ってなかったというように。









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