軍師、責める

「そういった方であったからこそティアの異変に謡将と何があったかについてを詳しく知ろうとしなかった事に加え、謡将自身の事についてを深く知ろうとしなかった。これはユリアシティの場所が魔界にあるということもあって自分達が積極的に動けないこともあると加味しても、預言の達成を第一にして全て人任せにしてきたことの弊害と言えます」
「それは確かに、言えるでしょうね・・・ユリアシティの存在の秘匿も目的であったからこそという点もあったのでしょうが、それでもやはり肉親の変化にそこまで鈍感だというのは・・・」
「その事に関しては今この場で深く論じるよりも、明日のユリアシティで本人と対峙した上で話した方がよろしいでしょう。当人にもこの事を後の為にも自覚していただく必要がありますからね」
「・・・そうですね。今ここで話すよりは当人に聞いていただいた方がよろしいでしょうね」
それで孔明が市長がそうなった理由を述べていくとトリトハイムは真剣に何故と口にするが、続きは本人の前でと言われて確かにと頷く。
「ただユリアシティには兵力がないのは承知はしていますが、本当に大丈夫でしょうか?特に拘束を緩めないとは言え、謡将もいるということは市長が逆上でもして謡将に戦えと命じることも考えられると思いますが・・・」
「その件に関しては心配いりません。市長が我々に戦いを挑んだとしても戦力は我々だけで問題はありませんし、謡将も市長にそうするようにしろと言われても彼の目的に性格上、市長の方に味方をするとも思えません。元々の目的が目的ですし先程も申し上げたよう、市長に対していい気持ちなど抱いていない事もありますからね・・・その事を告げれば市長も謡将に頼ろうなどとは考えないどころか、むしろ警戒して迂闊に動けないと考えるでしょう。それらを踏まえれば市長はこちらに暴力に訴えることはまずないと思いますよ」
「そこまで見通されているのですか・・・ですが確かに謡将と市長の関係を考えれば、そうなるでしょうね」
しかしまだユリアシティでの安全面に不安があると口にするトリトハイムに孔明が大丈夫と市長とヴァンの関係性を主な理由として挙げると、安心したように頷く。
「とりあえずユリアシティに関しては一先ずはここまでです。ここからはユリアシティまで行った後の事についてをお話しさせていただきます。本来ならユリアシティに行った後に私がダアトに残るのがいいと思われるでしょうが、しばらくはまだ私も行動を共にしないといけません」
「以前のように奥方に任せるというわけにはいかないのですか?正直な気持ちを申し上げるなら、丞相に我々の指揮を取っていただきたいのですが・・・」
「彼女になら任せても問題はないとは思いますが、これからまたバチカルにグランコクマの両国の首都を始めとして様々な場所に行かねばなりません。そうなれば私が出向くように要請された場合、場所にもよりますが到着までの時間を私が向かうまでの待機の為だけに費やすのはあまり効率的ではありませんからね」
「ふむ・・・それならば仕方ありません。丞相達が戻られるまで、我々でダアトを守らせていただきます」
「お願いします。それと他の詠師の方々にもよろしくお願いしますとお伝えしてください」
孔明はそこで話を切り替えようと切り出すのだがトリトハイムがダアトに残ってほしいといったように言ってきた為、今はまだ望ましくないと行った理由を返すと理解と覚悟が出来たと言った為に他の詠師達にもよろしく頼むようにと頭を下げた。









・・・それでしばらくトリトハイムを話をした後に孔明達は休息を取ろうという話になり、各自の部屋に戻った。

そして翌日、再び同じ部屋へと孔明達は集まる。









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