軍師、責める
「・・・話を蒸し返すようですみませんが丞相。どうしてユリアシティにそのような手段を使うと選ばなかったのか具体的な理由をお聞かせ願えますか?」
ジェイドはそのやり取りが終わったのを見計らったようにそうしない理由は何なのかと具体的に孔明に問い掛ける。
「外殻大地については貴方もそうですが、皆様も分かっておられるでしょう。ただ改めて説明しますと現在はまだ形を保っていますが、それがどこまで続くかと言われればディスト達の調べではどう長く見ても何も手を加えないと仮定した上で、数年の内には外殻大地がアクゼリュスを始めとして崩落して落ちるという結果が訪れると言います。それらをどうにかするには外殻大地が崩落するのを待つのではなく、敢えてその前に外殻大地を魔界に降ろす必要があります。勿論魔界に関しては対策を取る必要はありますが、一応はそれもどうにか出来る算段はついています」
「それは、本当なのですか?」
「はい。あくまで一時しのぎでこそありますが、それでも魔界に降りても液状化した大地に飲まれずには済むようになります。そこから完全に障気に液状化した大地をどうにかする手段についてはまた後程お伝えしますが、外殻大地を魔界に降ろしたとなれば外殻大地上に存在しなかったユリアシティがその姿を現す事になります・・・もしそこで食料が無くなり、全滅したユリアシティの住民を他国の人々が見たならどう思われると思いますか?」
「「「「・・・っ!」」」」
孔明はその理由についてを詳しく話をしていきトリトハイムの声にも答えるのだが、最後の生々しさを感じさせる問い掛けにジェイドも含めて一同はゴクリと息を飲む・・・直接的に言葉にしていないとはいえ、餓死した死体がゴロゴロ転がる街の光景を想像するなど想像を絶する物であった為に。
「そういうことです・・・元々のユリアシティの位置を外殻大地上に当てはめると、このダアトがあるパダミヤ大陸の東の海上の位置にあります。位置的に見てキムラスカであればシェリダンで、マルクトであればケテルブルクと言った港が近い街がありますし、ケセドニアからの船もダアトに向かうのは貴殿方もご存知でしょう・・・そんな環境下であるのにユリアシティが見えない上に近付かないような航路を取り続けるような都合のいい事が有り得る筈はありません。そしてユリアシティにはダアトに関する書類やら情報やらが多々存在します・・・それで死体を片付けられたりなどした上で色々と調べられれば、当然ユリアシティとダアトとの繋がりが見つかることは避けられません。死体だらけの街になっていた理由が、我々ダアトのせいだという予測も立てられる形でです」
「成程・・・後のことを考えればユリアシティには無事にいてもらうこともそうですが、協力してもらうことも必要ということですか。ユリアシティの存在を公にしなければならないことも考えて」
「はい。その為にも敵対よりは融和路線を取ることを第一にしたいと私は考えています。下手に私の配下の者を置いて誤魔化そうとした所で所詮は付け焼き刃で、いつボロが出るか分かりませんから住民の方々に協力していただいた方が手っ取り早くすみます・・・ただその為にはティア、貴女には色々と我慢していただく必要があります。具体的に言うならば、謡将の事を用いて市長達を説得しますのでね」
「っ!・・・兄さんの事を・・・」
その上でユリアシティの位置関係であったり色々と誤魔化しが難しいという話にジェイドは納得するが、孔明がヴァンの事を用いるとティアに向けて言うと辛そうに視線を背ける。兄の今までの事を暴挙ばかりとはいえ、言われたくないし聞かれたくないと妹としての気持ちを盛大に滲ませる形で。
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ジェイドはそのやり取りが終わったのを見計らったようにそうしない理由は何なのかと具体的に孔明に問い掛ける。
「外殻大地については貴方もそうですが、皆様も分かっておられるでしょう。ただ改めて説明しますと現在はまだ形を保っていますが、それがどこまで続くかと言われればディスト達の調べではどう長く見ても何も手を加えないと仮定した上で、数年の内には外殻大地がアクゼリュスを始めとして崩落して落ちるという結果が訪れると言います。それらをどうにかするには外殻大地が崩落するのを待つのではなく、敢えてその前に外殻大地を魔界に降ろす必要があります。勿論魔界に関しては対策を取る必要はありますが、一応はそれもどうにか出来る算段はついています」
「それは、本当なのですか?」
「はい。あくまで一時しのぎでこそありますが、それでも魔界に降りても液状化した大地に飲まれずには済むようになります。そこから完全に障気に液状化した大地をどうにかする手段についてはまた後程お伝えしますが、外殻大地を魔界に降ろしたとなれば外殻大地上に存在しなかったユリアシティがその姿を現す事になります・・・もしそこで食料が無くなり、全滅したユリアシティの住民を他国の人々が見たならどう思われると思いますか?」
「「「「・・・っ!」」」」
孔明はその理由についてを詳しく話をしていきトリトハイムの声にも答えるのだが、最後の生々しさを感じさせる問い掛けにジェイドも含めて一同はゴクリと息を飲む・・・直接的に言葉にしていないとはいえ、餓死した死体がゴロゴロ転がる街の光景を想像するなど想像を絶する物であった為に。
「そういうことです・・・元々のユリアシティの位置を外殻大地上に当てはめると、このダアトがあるパダミヤ大陸の東の海上の位置にあります。位置的に見てキムラスカであればシェリダンで、マルクトであればケテルブルクと言った港が近い街がありますし、ケセドニアからの船もダアトに向かうのは貴殿方もご存知でしょう・・・そんな環境下であるのにユリアシティが見えない上に近付かないような航路を取り続けるような都合のいい事が有り得る筈はありません。そしてユリアシティにはダアトに関する書類やら情報やらが多々存在します・・・それで死体を片付けられたりなどした上で色々と調べられれば、当然ユリアシティとダアトとの繋がりが見つかることは避けられません。死体だらけの街になっていた理由が、我々ダアトのせいだという予測も立てられる形でです」
「成程・・・後のことを考えればユリアシティには無事にいてもらうこともそうですが、協力してもらうことも必要ということですか。ユリアシティの存在を公にしなければならないことも考えて」
「はい。その為にも敵対よりは融和路線を取ることを第一にしたいと私は考えています。下手に私の配下の者を置いて誤魔化そうとした所で所詮は付け焼き刃で、いつボロが出るか分かりませんから住民の方々に協力していただいた方が手っ取り早くすみます・・・ただその為にはティア、貴女には色々と我慢していただく必要があります。具体的に言うならば、謡将の事を用いて市長達を説得しますのでね」
「っ!・・・兄さんの事を・・・」
その上でユリアシティの位置関係であったり色々と誤魔化しが難しいという話にジェイドは納得するが、孔明がヴァンの事を用いるとティアに向けて言うと辛そうに視線を背ける。兄の今までの事を暴挙ばかりとはいえ、言われたくないし聞かれたくないと妹としての気持ちを盛大に滲ませる形で。
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