「ただこれはあくまで一つの事例というだけですので、こうなるとは言いませんしこうしろとも言いません。貴方がどうしたいかをまずは考えてください。話はそこからになります」
「・・・ちなみに期限みたいな物ってあるのか？」
「期限に関してはダアトに戻った後すぐに、なんて事にはなりません。ハッキリ日付までこうだとは言えませんが、しばらくは貴殿方に考える時間はありますよ。ただ出来るなら絶対にこうしたいとは言わずとも、ある程度の方向性が決まったなら私に内密にお話をしていただけるとありがたいですね。流石に私としても準備をするくらいの時間は欲しいので」
「そうか・・・」
孔明はそこまで言ってあくまで例えで言っただけと言った後にルークの期限についての問いにもすんなり答え、一先ず納得させる。
「ただ今の時点でちなみにという話なのですが・・・貴方はどうしたいと考えていますか？参考までにお聞きしますが」
「・・・正直、アッシュと仲良くなれる自信なんか一切ねぇ。それに叔父上達とお前が話した中身の事を考えると、俺はキムラスカに戻らねぇでアッシュを戻した方がいいって感じてる・・・つっても今までの全部を簡単に捨てきれるかって言われたら、そんなに軽々しくそうするなんて言えねぇよ・・・」
「・・・貴方の考えは至極当然の物です。今はしばらくその考えと向かい合ってどうするかを決めるようにするべきですが、ただ私の庇護下に入るというのであればファブレでの暮らしのような高い生活の質は望めないことは頭に入れておいてください。元々ダアトは導師を始めとして華美な生活を行うような環境で暮らしてはきませんでしたし、そうでなくともこれからローレライ教団の改革に取り組むに当たってあまり贅沢な暮らしというものは望めませんからね。それに貴方の立場は私の庇護下に入ると決めた時点でキムラスカの王族に貴族という立場は無くなりますので、発案などは受け入れはしますが過度な贅沢をしたいなどの欲求は却下します。よろしいですね？」
「・・・あぁ、分かった。俺の立場を考えりゃ贅沢なんてそもそも言えるようなもんでもないだろうしな」
そこから孔明が質問返しをするとルークは自分の考えの内を複雑な気持ちと共に余すところ無く話し、孔明はそれでいいと返しつつも自分の所に来た場合の注意点を挙げると素直にルークは納得する。
「ではまだ何かお聞きしたいことはありますか？無ければこれで終わりにしますが・・・」
「・・・アッシュには俺とここでしたような話はしないのか？一応っていうか、あいつの考えがどんなもんか知るためにとかよ・・・」
「そうするにはまだ早いと考えての事です。今の彼は私に対して反骨心もありますが、気持ちがまとまっていないことから話をまともにしようといった考えなど持ち合わせていないでしょう。ですので少し彼には一人で考えてもらう意味も含めて、貴方が方向性を決めるまでは話を私から彼に振ることはしないようにとは考えています」
「そうか・・・ならいい、あいつの考えを邪魔する気はないからな・・・」
それで話を終わらせるかと問う孔明にアッシュについてをルークは聞いてきた為、まだ話せる状態ではないし話すつもりもないと孔明が返せば重く納得する。今すぐ答えを急ぐつもりはないからと。









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