「・・・この通り、アッシュはルーク様に対する抑える事が難しい気持ちを抱えています。おそらく彼が納得する形で事を進ませるか、もしくは言葉を選ばずに言わせていただくなら・・・死んでいただく事も視野に入れねば、後々の禍根になりかねません」
「っ！・・・てめぇ・・・！」
「落ち着いてください、アッシュ。私が申し上げているのはあくまで例えばの話で、最終的にどうするかに関して決めるのは貴殿方二人の意志に陛下達キムラスカがどのようにお二人に対して動くかになります。そこで少なくとも貴方がどういう選択をするか、そしてそれが平穏な物であれば私もですが陛下に公爵もそのようなことは申し上げることはないでしょう」
「・・・陛下・・・」
「・・・うむ・・・ただそうであったとしても、しばらくは時間が必要なのではないか？アッシュの様子から察するに、まだ考えも何もないとしか思えぬが・・・」
孔明はそんな姿だからこそもしもの場合についてまでもを言及してアッシュが掴みかかりそうな空気になるが、すぐさま止めた上で公爵達に話題を振るとインゴベルトが問題点に関してを口にする。アッシュが今すぐどうするかを決める様子がないということに。
「その件に関してですが、しばらくお二人はキムラスカに戻すようなことなく私に身柄を預けてはいただけないでしょうか？」
「何・・・？」
「今のままお二人を理由はどうあれキムラスカに置いたところで、静かに考え事は出来ぬでしょうしお二人の存在が今他の方々に明らかになることは望ましくないでしょう。特にナタリア様がお二人の事を知られたなら、どのように反応されるか・・・どうなるにせよ、今の時点であまり騒ぎ立てられるようなことは陛下達にとっても望ましくないでしょう」
「・・・うむ、確かにな・・・」
「っ・・・！」
そんな時にまだしばらく二人を連れていくと切り出す孔明はナタリアの事を重点的に強調するよう言葉にし、インゴベルトは複雑そうに頷きアッシュはそのナタリアに見付かることを想像してかそっと息を呑む。
「ですのでお二人がどのようにするか気持ちを固めていただく意味も含め、しばらく時間をいただきたいのです。こちらとしても今二人の事実が明らかになることは避けたいので」
「むぅ・・・確かにそちらも二人の事で混乱が起きるとまずい立場にあるというか、今の状況ではどちらかと言えばそちらの方がまずい事になるか・・・」
「はい。陛下にこうして我々の立場に思想を理解していただき大詠師をダアトに戻す事を認可していただきましたが、まだダアトは完全に大丈夫だと言える状況とは言えません。ですが今キムラスカにお二人を残すよりは私にお任せいただける方が安心出来ることに加え、お二人がどうするべきかを考える時間も取れるでしょう」
「・・・そして時期が来たなら二人を連れ、また丞相はこのバチカルに戻ってくるということか・・・」
「いかがでしょうか、陛下？」
孔明はそんなアッシュには触れずに話を進めてメリットを語り、考えるようなインゴベルトに選択を迫る。
「・・・わしはそれで構わぬが、二人にこれは言わせてほしい。我々が判断したことが判断したことな為、すぐに我々の事を信じるのは難しいであろう・・・だが我々にはもうそちらを害するつもりはない。どちらかが戻ってくるか、はたまたどちらも戻ってくるかは分からぬが我々はそなたらが戻ってくる事を望んでいる。その事を頭に入れてどうするかを考えてほしい・・・」
「・・・分かりました。どうするか考えます」
「・・・はい、叔父上」
少し考えてインゴベルトは二人に対して誠実に対応する事を口にした上で真剣にどうするかを決めるように願い、ルークとアッシュは揃って明るい顔は作れないものの真剣に受け止めて頷く。どうするかにどうしたいかをちゃんと決めると。










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