軍師、焔達と会う
「では続けてお聞きしますが、貴女が何故謡将を襲ったのか・・・その理由について聞かせてください」
「それ、は・・・個人的な事です、言えません・・・」
「言えない、ですか。それがもう個人的な物では済まされないと分かっていて言っては・・・いませんね、貴女の様子では」
「え・・・個人的な事じゃないって、どういうことですか・・・?」
続けて孔明から向けられた理由を問う質問に顔を背け言いたくないと力なく言うティアだが、問い掛けでなく断定で分かっていないと言い切られた事に顔を向け直して不安そうに訳を問う。
「今言いましたが、キムラスカからダアトに送られてきた抗議文・・・これは今も貴女が着用している神託の盾の軍服に加え、謡将が貴女が誰かというのを説明したからこその物です。まぁ後者に関しては身内だから貴女が誰かというのは説明は簡単につけられますが、前者に限って言うならダアトの神託の盾がファブレというキムラスカの王族に連なる大貴族の家を襲った・・・という、字面だけで見るなら国際問題どころの話ではありません。最悪の事態を想定すればダアトがキムラスカに対して敵意を露にしたと、戦争にもつれ込む可能性すら有り得ます」
「「「「!?」」」」
「そんな!?私は個人で行動しただけです!ダアトは関係ありません!」
そこから孔明はティアの行動はダアトの意志と見られ戦争になる可能性を上げ、くのいちにジェイドを除く一同は驚愕して当人はそんなことにはならないはずだと焦って叫ぶ。
「そう言うだけでしたら貴女の勝手ですが、端から見た状況としては神託の盾の軍服を着た人間が同じ神託の盾の人間を襲う・・・肉親であることを差し置いても、同じ神託の盾の身内同士の争いをキムラスカのバチカルというダアトとは何の関係もない所で引き起こしたのです。ここで前提として貴女が本当に神託の盾やダアトと関係無いと示したかったのだったら、貴女は神託の盾の軍服を着てくる事はおろか神託の盾自体を辞めるべきでした。個人的な事と言うのなら尚更です」
「そんな!?神託の盾を辞めるべきだったなんて・・・!」
「貴女が今も尚着用しているその軍服・・・それは端から見てどういう立場の人物であるのかをパッと見ただけで分からせるような代物です。それに謡将は貴女の兄で、まず貴女が同じ神託の盾に所属していることを知らない筈もありません・・・そういった事を考えることもなく貴女は神託の盾の軍服に身を包み辞表を提出することもないまま、ファブレ邸に押し入り・・・そして、ダアトに抗議文を送られるという結果になった。これは例え貴女からしての想定外の結果になってしまったと言っても、到底もう個人的な事と言えるような事態とは言えないんですよ。私もそうですが詠師の皆さん、更には現在バチカルにいるであろう大詠師の頭を悩ませているであろうことを考えると」
「!!・・・詠師の方々だけでなく、モース様までこの事を知っていて、迷惑をかけているというの・・・私が・・・!?」
・・・モースの名前が出てきたことで、今までの反応からより大きくティアは動揺して泣き出しそうに表情を歪めた。
個人的な事とはもう到底言えないという根拠を並べていく孔明にティアがそういった様子になる中、ジェイドが眼鏡を押さえながら口を開く。
「話の途中失礼します。現在大詠師はバチカルにおられるのですか?」
「えぇ、導師がダアトを出てから数日後にバチカルに向かわれましたが何故そのようなことを?」
「いえ、少々気になった事がありましたので少し聞いただけです・・・邪魔をしてすみません、続けてください」
「はい、そうさせていただきます」
その中身はモースの居場所について聞いてきた物で孔明はちゃんと答えつつも問いかけの理由について聞くが、大したことはないと言った上で話を戻すように言われすぐに孔明もまた視線をティアに戻す。
.
「それ、は・・・個人的な事です、言えません・・・」
「言えない、ですか。それがもう個人的な物では済まされないと分かっていて言っては・・・いませんね、貴女の様子では」
「え・・・個人的な事じゃないって、どういうことですか・・・?」
続けて孔明から向けられた理由を問う質問に顔を背け言いたくないと力なく言うティアだが、問い掛けでなく断定で分かっていないと言い切られた事に顔を向け直して不安そうに訳を問う。
「今言いましたが、キムラスカからダアトに送られてきた抗議文・・・これは今も貴女が着用している神託の盾の軍服に加え、謡将が貴女が誰かというのを説明したからこその物です。まぁ後者に関しては身内だから貴女が誰かというのは説明は簡単につけられますが、前者に限って言うならダアトの神託の盾がファブレというキムラスカの王族に連なる大貴族の家を襲った・・・という、字面だけで見るなら国際問題どころの話ではありません。最悪の事態を想定すればダアトがキムラスカに対して敵意を露にしたと、戦争にもつれ込む可能性すら有り得ます」
「「「「!?」」」」
「そんな!?私は個人で行動しただけです!ダアトは関係ありません!」
そこから孔明はティアの行動はダアトの意志と見られ戦争になる可能性を上げ、くのいちにジェイドを除く一同は驚愕して当人はそんなことにはならないはずだと焦って叫ぶ。
「そう言うだけでしたら貴女の勝手ですが、端から見た状況としては神託の盾の軍服を着た人間が同じ神託の盾の人間を襲う・・・肉親であることを差し置いても、同じ神託の盾の身内同士の争いをキムラスカのバチカルというダアトとは何の関係もない所で引き起こしたのです。ここで前提として貴女が本当に神託の盾やダアトと関係無いと示したかったのだったら、貴女は神託の盾の軍服を着てくる事はおろか神託の盾自体を辞めるべきでした。個人的な事と言うのなら尚更です」
「そんな!?神託の盾を辞めるべきだったなんて・・・!」
「貴女が今も尚着用しているその軍服・・・それは端から見てどういう立場の人物であるのかをパッと見ただけで分からせるような代物です。それに謡将は貴女の兄で、まず貴女が同じ神託の盾に所属していることを知らない筈もありません・・・そういった事を考えることもなく貴女は神託の盾の軍服に身を包み辞表を提出することもないまま、ファブレ邸に押し入り・・・そして、ダアトに抗議文を送られるという結果になった。これは例え貴女からしての想定外の結果になってしまったと言っても、到底もう個人的な事と言えるような事態とは言えないんですよ。私もそうですが詠師の皆さん、更には現在バチカルにいるであろう大詠師の頭を悩ませているであろうことを考えると」
「!!・・・詠師の方々だけでなく、モース様までこの事を知っていて、迷惑をかけているというの・・・私が・・・!?」
・・・モースの名前が出てきたことで、今までの反応からより大きくティアは動揺して泣き出しそうに表情を歪めた。
個人的な事とはもう到底言えないという根拠を並べていく孔明にティアがそういった様子になる中、ジェイドが眼鏡を押さえながら口を開く。
「話の途中失礼します。現在大詠師はバチカルにおられるのですか?」
「えぇ、導師がダアトを出てから数日後にバチカルに向かわれましたが何故そのようなことを?」
「いえ、少々気になった事がありましたので少し聞いただけです・・・邪魔をしてすみません、続けてください」
「はい、そうさせていただきます」
その中身はモースの居場所について聞いてきた物で孔明はちゃんと答えつつも問いかけの理由について聞くが、大したことはないと言った上で話を戻すように言われすぐに孔明もまた視線をティアに戻す。
.