「・・・陛下、すみません。少し私の方からお聞きしたいのですが、改めてルークとアッシュの事についてどうするかについて話していただけませんでしょうか・・・？」
「「・・・！」」
そんな時に公爵が二人の方を見ながら話を聞きたいと言い出したことに、ルークとアッシュの二人は表情を歪める。二人の各々の立場に考え方は違えど、どちらからしても自身の親という認識で間違いない人物がどうしていいか分からないといった視線を向けていた為に。
「・・・この問題に関しては私からどのようにするからこうしたい、と言ったような事は言えません。これは二人がどうしたいかに公爵に陛下がどのように二人にしてほしいかがまず第一になり、私が出来ることと言えばどのような事になったとしてもその選択の援護と言うことになります。私は大詠師のようにキムラスカの内政に口を出すような考えはありませんので」
「・・・それはつまり、我々にどうするか決めるのを委ねるということですか？」
「そうなりますが・・・まずはお二人にどのようにしたいかを聞かれてください。公爵に陛下より直接・・・」
「・・・では・・・ルークにアッシュよ、お前達はどうしたいと考えているのだ？」
「「っ・・・」」
その姿に孔明はあくまでサポートはするが決めるのはそちらといった姿勢を貫くと言い、話をするよう勧められた公爵が二人に話し掛けると二人ともに息を呑む。
「・・・・・・正直な所、俺はキムラスカに戻っていいものかって思っています・・・この旅で俺がアッシュのレプリカで、偽物だっていうことは重々理解しました・・・そんな俺がアッシュと一緒でもそうでなくとも、戻っていいものかと・・・」
「成程・・・ではアッシュ、お前はどうだ・・・？」
「・・・その前に叔父上、お聞きしてよろしいですか？」
「・・・何だ、アッシュ？」
それで覚悟を決めて重い内心を重く語るルークの姿を確認して公爵はアッシュにも聞くが、その前にとインゴベルトへ問いを向けたいとする様子に答える体勢に入る。
「・・・ナタリアには入れ換えの事は話さないと先程おっしゃいましたが、それは本当なのですか？」
「・・・そうだが、嘘かどうかなど何故疑う？」
「それは・・・・・・俺自体はキムラスカに戻れなくても構いません・・・ですが俺が戻らないのと引き換えにしてでも、ナタリアにはその事実を伝えないでいて欲しいのです・・・それが俺が父上や叔父上達に願うことです・・・」
「・・・むぅ・・・」
そこで出てきたのはナタリアの事で自分の事よりナタリアの事を優先するよう切に口にするアッシュに、インゴベルトもそうだが公爵も何とも言いがたそうに唸り表情を歪める。
「・・・では二人ともにキムラスカに戻れなくなる可能性に関しては一応は考えてはいるというのか？」
「・・・はい、それは・・・」
「・・・俺は元々、父上から聞かれなくても戻るつもりなどありませんでした・・・」
「・・・ぬぅ・・・」
二人の意志は確認出来たがそれでも一応再度確認する公爵に、二人が間違いないと返す様子に表情を悩ましげに歪める。アッシュの方が強い言い方でこそあるが、どちらもキムラスカと離れる覚悟はあるということに。
「・・・よろしいのですか、アッシュ？そのような事を言って貴方もそうですが、ルーク様もキムラスカからいなくなるとなればキムラスカの王族の血が実質的に途絶えることになりますし・・・何より貴方には行き場がないのですよ」
「っ・・・！」
「行き場が、ない・・・それは、どういうことですか丞相・・・！？」
だが孔明がそんな頑固な気持ちを揺らすように口にした言葉にアッシュは痛いところを突かれたとばかりに息を詰まらせ、公爵はその中身に焦ったようにどういうことかと問う。









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