軍師、圧倒する
「簡単に何故かと申し上げるなら、ダアト式譜術という導師の血脈のみが使える譜術を完全に使える存在を謡将が求めたからです。ただフォミクリー技術と言うのは対象を完全に模倣した存在を産み出す事は非常に難しくて何らかの劣化現象を引き起こす上、どのように劣化するのか効果を見込めないという欠点があります。その為に謡将はそのダアト式譜術を使える被験者の導師のレプリカを産み出させ、その過程の上でシンクに今の導師も含め7人産まれてダアト式譜術が完全に使える存在が今の導師でシンクはそうではない存在だった為・・・謡将が自分の戦力とするために彼を引き入れたのです。アッシュ同様、大詠師なら自分の配下に興味を持たないであろうことに加えて仮面で顔を隠したならバレる事はないであろうと」
「っ!・・・で、ではコーメイ・・・お前のみならず、ヴァンにも私はそのように舐められた形で見られていたと言うのか・・・!?」
「私も謡将も貴方を舐めたような行動を取ったつもりはありません。ただ大詠師ならばこうなるであろうという予測の元で動き、そうなっただけのことです」
「なっ・・・!?」
・・・ある意味では舐められた物と思われた方がいいかもしれないといった答えが孔明から返ってきた事に、モースは絶句してしまった。その答えは要はこういった怠慢を引き起こす人物だと把握され、その通りに動く浅はかな人物だと言われたどころかそっくりそのままに見通されたことに。
そしてイオン達の説明から怒りをぶつけようとして完膚なきまでに行動を読んだと言われた後の姿に、インゴベルトと公爵もそうだがルーク達も否応なしに冷やかな目をモースに向ける。
「・・・呆れた物だ・・・百歩譲ってそちらのシンクは仮面があったから、雰囲気が似ていても口を出せなかったと言い訳も出来るだろう・・・だがアッシュの事まで何も見ていなかったどころか、そうなると見通されてそのままその通りになるとはな・・・」
「へ、陛下・・・コーメイ!貴様一体何ということをしてくれたのだ!このような形で私にローレライ教団の信頼を地に落とすようなことを・・・!」
「私は教団の信頼を落とすことなど考えてはおりません。ただ・・・貴方もそうですが、謡将の行動が目に余るとういにはあまりにも酷く規模が大きすぎる。ですがそれらの事を単純に暴いたところで貴方に謡将が素直に認めるはずもないばかりか、むしろ自分の立場に権力に兵力とあらゆる物を駆使して逆に私達を黙らせに来たでしょう・・・ですのでこのような形を取らせていただきました。貴方に謡将をローレライ教団で査問にかけ、連れ帰っても誰も止めることもないばかりかダアトでも査問を不当に妨げる者もいないよう万全の状態にするために」
「!?・・・私を・・・査問にかけるだと・・・!?」
その中で明らかに好意などなく侮蔑するような目と声をインゴベルトに向けられ、モースは何をしてくれると孔明に盛大に怒りをぶつけるが、全く気にしてないと涼しげに返されるばかりか査問との言葉に驚愕に目を見開き体を震わせる。そんなことをされるとは思わなかったとばかりに。
「あらかじめ言わせていただきますが、これは私に導師だけの独断というわけではなく詠師の皆様の総意でもあります。証拠としましてはこちらに詠師の皆様方が連名で書かれた書状がございます・・・つまり私の言葉を拒否するということは私の要望だけではなく、教団の要望を拒否することに繋がります」
「・・・っ!」
すかさず反論を封じるように懐から書状を取り出し詠師達の意志もあるというと、さしものモースも言葉を返せなかった。平時では自分より立場が下の詠師達が揃って孔明に賛同すると思っていなかった為に。
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「っ!・・・で、ではコーメイ・・・お前のみならず、ヴァンにも私はそのように舐められた形で見られていたと言うのか・・・!?」
「私も謡将も貴方を舐めたような行動を取ったつもりはありません。ただ大詠師ならばこうなるであろうという予測の元で動き、そうなっただけのことです」
「なっ・・・!?」
・・・ある意味では舐められた物と思われた方がいいかもしれないといった答えが孔明から返ってきた事に、モースは絶句してしまった。その答えは要はこういった怠慢を引き起こす人物だと把握され、その通りに動く浅はかな人物だと言われたどころかそっくりそのままに見通されたことに。
そしてイオン達の説明から怒りをぶつけようとして完膚なきまでに行動を読んだと言われた後の姿に、インゴベルトと公爵もそうだがルーク達も否応なしに冷やかな目をモースに向ける。
「・・・呆れた物だ・・・百歩譲ってそちらのシンクは仮面があったから、雰囲気が似ていても口を出せなかったと言い訳も出来るだろう・・・だがアッシュの事まで何も見ていなかったどころか、そうなると見通されてそのままその通りになるとはな・・・」
「へ、陛下・・・コーメイ!貴様一体何ということをしてくれたのだ!このような形で私にローレライ教団の信頼を地に落とすようなことを・・・!」
「私は教団の信頼を落とすことなど考えてはおりません。ただ・・・貴方もそうですが、謡将の行動が目に余るとういにはあまりにも酷く規模が大きすぎる。ですがそれらの事を単純に暴いたところで貴方に謡将が素直に認めるはずもないばかりか、むしろ自分の立場に権力に兵力とあらゆる物を駆使して逆に私達を黙らせに来たでしょう・・・ですのでこのような形を取らせていただきました。貴方に謡将をローレライ教団で査問にかけ、連れ帰っても誰も止めることもないばかりかダアトでも査問を不当に妨げる者もいないよう万全の状態にするために」
「!?・・・私を・・・査問にかけるだと・・・!?」
その中で明らかに好意などなく侮蔑するような目と声をインゴベルトに向けられ、モースは何をしてくれると孔明に盛大に怒りをぶつけるが、全く気にしてないと涼しげに返されるばかりか査問との言葉に驚愕に目を見開き体を震わせる。そんなことをされるとは思わなかったとばかりに。
「あらかじめ言わせていただきますが、これは私に導師だけの独断というわけではなく詠師の皆様の総意でもあります。証拠としましてはこちらに詠師の皆様方が連名で書かれた書状がございます・・・つまり私の言葉を拒否するということは私の要望だけではなく、教団の要望を拒否することに繋がります」
「・・・っ!」
すかさず反論を封じるように懐から書状を取り出し詠師達の意志もあるというと、さしものモースも言葉を返せなかった。平時では自分より立場が下の詠師達が揃って孔明に賛同すると思っていなかった為に。
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