軍師、勧誘する
「ですが何故、丞相がそんなことを・・・いえ、マルセルが助かったことをそんなことと言うのはいけないのでしょうが・・・」
そんなリグレットは未だ動揺冷めやらぬ様子で互いに視線をキョロキョロさせながら、気まずそうに理由を問う。
「色々理由はありますが、最も大きな理由としては無意味な兵の損失を避けたいと常々から思っているからですよ。謡将がマルセル達を始めとした兵達を派遣した際、ろくな指示もないままに戦場に向かわされたそうです・・・おそらく謡将は初めから彼らに死が詠まれていたからこそ、救うことなど考える気にもならなかったのでしょうね。そうでなければあのような無責任な指示は到底出せるものではありません」
「っ・・・無責任なとは、そこまでだったというのですか・・・!」
孔明は理由の一つを兵の損失についてと言うのだが、その中身を受けてリグレットは怒りを滲ませる・・・今現在こそヴァンの配下に収まり目指す物に惹かれているリグレットだが、元々弟のマルセルを見殺し同然に殺した事を恨んだ身。その当時の事情をまるで見たかのよう話されては、流石に今は惹かれているとは言えリグレットでも当時の怒りを思い出さざるを得なかった。
「・・・む?少しお待ちを。今丞相はまるでそこで指示を出してきたかのように言いましたが、丞相はあまりダアトから離れないはず。当時の配置は覚えていませんが、ダアトにいたはずではないのですか?」
「あぁ、その事については・・・」
「私が変装した姿だよ~♪」
「っ!?・・・貴女は、確か丞相の奥方・・・と言うか、どこから・・・!」
「そりゃっ♪」
‘ボンッ’
「っ!?・・・丞相と、瓜二つな姿・・・!?」
だがその見たかのような中身にリグレットは丞相としての立ち位置について疑問を向けるが、孔明が説明しようとしている最中にその隣に突然現れた女性に驚くばかりかいきなり煙幕を張った後に現れた孔明そっくりな姿に更に驚愕する。
「・・・そういうわけです。彼女には私の代わりになっていただき、ダアトの人々の目を欺いてもらっていました。そして私は秘密裏に戦場となる場へと赴き、彼らを救うために策を用いたのです。表向きは死んだと見せる形でです」
「・・・何故、そのような形を取ったのですか?助けたのなら、そのままダアトに戻すべきでは・・・」
「貴女も今は理解しているのでしょう?そのようにして助かったのなら秘預言の通りにして使い倒しても構わないと、モースのような輩は考えるであろうと」
「っ!?」
理解したと見える姿を見て話を進める孔明は当時取った行動を言うと回りくどいのではとの疑問の声が出てきたことに、モースと自身の上司を呼び捨てにしたことやそのやり方を熟知してるとばかりの声にまた驚愕する。
「・・・どうですか?そう思うか、思わないかどちらでしょうか?」
「っ・・・正直に申し上げるなら、私もそうなるだろうと今なら思えます。ですが貴方の立場でそのようなことを言うとは・・・貴方は一体何を・・・」
「私もまた、ローレライ教団や預言の在り方に賛同出来ないと思って動いているに過ぎません。そう、貴女が今身を寄せている謡将とは少し方向性が違いますけどね」
「っ!・・・そこまで貴方は・・・と、その前にその変装でしょうか?そろそろ解いてはいただけませんか?そろそろ丞相が二人のままというのに耐えられなくなってきたのですが・・・」
「あぁ、ごみんごみん♪ついつい話を聞いちゃってて解くのを忘れちゃってた♪」
‘ボンッ’
孔明はそのまま確認を取ろうとするが終始圧倒されながらも何とか話をしていくが、途中で隣にいた孔明そのままの姿の奥方に変装を止めるように願うと何でもないとばかりに変装を解いた。そこには天真爛漫さがあるが、どこか食えない気配を滲ませる女性の笑顔があった。
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そんなリグレットは未だ動揺冷めやらぬ様子で互いに視線をキョロキョロさせながら、気まずそうに理由を問う。
「色々理由はありますが、最も大きな理由としては無意味な兵の損失を避けたいと常々から思っているからですよ。謡将がマルセル達を始めとした兵達を派遣した際、ろくな指示もないままに戦場に向かわされたそうです・・・おそらく謡将は初めから彼らに死が詠まれていたからこそ、救うことなど考える気にもならなかったのでしょうね。そうでなければあのような無責任な指示は到底出せるものではありません」
「っ・・・無責任なとは、そこまでだったというのですか・・・!」
孔明は理由の一つを兵の損失についてと言うのだが、その中身を受けてリグレットは怒りを滲ませる・・・今現在こそヴァンの配下に収まり目指す物に惹かれているリグレットだが、元々弟のマルセルを見殺し同然に殺した事を恨んだ身。その当時の事情をまるで見たかのよう話されては、流石に今は惹かれているとは言えリグレットでも当時の怒りを思い出さざるを得なかった。
「・・・む?少しお待ちを。今丞相はまるでそこで指示を出してきたかのように言いましたが、丞相はあまりダアトから離れないはず。当時の配置は覚えていませんが、ダアトにいたはずではないのですか?」
「あぁ、その事については・・・」
「私が変装した姿だよ~♪」
「っ!?・・・貴女は、確か丞相の奥方・・・と言うか、どこから・・・!」
「そりゃっ♪」
‘ボンッ’
「っ!?・・・丞相と、瓜二つな姿・・・!?」
だがその見たかのような中身にリグレットは丞相としての立ち位置について疑問を向けるが、孔明が説明しようとしている最中にその隣に突然現れた女性に驚くばかりかいきなり煙幕を張った後に現れた孔明そっくりな姿に更に驚愕する。
「・・・そういうわけです。彼女には私の代わりになっていただき、ダアトの人々の目を欺いてもらっていました。そして私は秘密裏に戦場となる場へと赴き、彼らを救うために策を用いたのです。表向きは死んだと見せる形でです」
「・・・何故、そのような形を取ったのですか?助けたのなら、そのままダアトに戻すべきでは・・・」
「貴女も今は理解しているのでしょう?そのようにして助かったのなら秘預言の通りにして使い倒しても構わないと、モースのような輩は考えるであろうと」
「っ!?」
理解したと見える姿を見て話を進める孔明は当時取った行動を言うと回りくどいのではとの疑問の声が出てきたことに、モースと自身の上司を呼び捨てにしたことやそのやり方を熟知してるとばかりの声にまた驚愕する。
「・・・どうですか?そう思うか、思わないかどちらでしょうか?」
「っ・・・正直に申し上げるなら、私もそうなるだろうと今なら思えます。ですが貴方の立場でそのようなことを言うとは・・・貴方は一体何を・・・」
「私もまた、ローレライ教団や預言の在り方に賛同出来ないと思って動いているに過ぎません。そう、貴女が今身を寄せている謡将とは少し方向性が違いますけどね」
「っ!・・・そこまで貴方は・・・と、その前にその変装でしょうか?そろそろ解いてはいただけませんか?そろそろ丞相が二人のままというのに耐えられなくなってきたのですが・・・」
「あぁ、ごみんごみん♪ついつい話を聞いちゃってて解くのを忘れちゃってた♪」
‘ボンッ’
孔明はそのまま確認を取ろうとするが終始圧倒されながらも何とか話をしていくが、途中で隣にいた孔明そのままの姿の奥方に変装を止めるように願うと何でもないとばかりに変装を解いた。そこには天真爛漫さがあるが、どこか食えない気配を滲ませる女性の笑顔があった。
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