女忍、影に動く

「とは言っても今の彼に何かをする必要はありません。むしろ何かをする方が却って余計な事になりかねませんので、今の時点ではほっといた方がいいでしょう。今の彼なら我々の元を何だかんだと自主的に離れようとすることは出来ないでしょうからね・・・貴女が脅しをかけた効果もあって」
「んっふっふ~♪あの程度で押し黙って言うことを聞く辺り、まだまだ甘いっすね~♪まぁそんなことを言ったら後悔しようが強がりで何か言いそうだし、旦那様にもこうやって口止めされたからには何も言わないですけどね~♪」
ただ今は何もしないでいいと語る孔明にくのいちもまた調子よく笑顔で返す。アッシュのことは大したことではないといったように。
「とは言えそれでもアッシュには時間が必要なのも事実です・・・ですからここを出て明日にバチカルに向かうことを説明しに行きますよ。そうすれば否応なしに彼も覚悟を決めねばならないと考えることでしょうし、他の面々にも明日だと話をしなければなりませんからね」
「それはいいですけど、大佐にティアの方は特に問題はないんですよね?」
「えぇ。大佐はこちらに分かりやすい反感の態度を取ることは無いですし、ティアも流石にあれだけ言いましたからそれでもと言い続ける程の度胸はありませんよ」
「そうですか。では行きましょうか」
「えぇ、そうしましょう」
それで孔明が説明に向かうことを切り出すが残った二人の仲間ではない人物に対しての疑問を口にするくのいちに、大丈夫だとの確信を得ている答えを返すと大して気にすることではないといった空気に二人ともになってその場から動き出す。話題に出した二人の事はくのいちからすればついでに過ぎず、孔明もそれを分かってるからこそだったために両者共に事実確認を終えればそれでいいとなったために。









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