女忍、影に動く
「・・・まず確認致しますが、お二方は外殻大地の仕組みについてはご存知ですね?」
「ま、まぁある程度ではあるが・・・昔からこの大地は空に浮いていて、それを浮かせて支えているのがセフィロトでパッセージリングだということくらいは・・・」
「分かりました、そういう認識だということは。そしてそういう認識であることは大詠師が属する預言保守派もそうであり、お二方も教団の者からそう教えられたと事でしょう・・・ただそこで謡将はそこに留まらず、セフィロトとパッセージリングの性質及びその耐久性に目をつけました。そしてその結果としてパッセージリングがその名の通りに輪となって繋がっていて、セフィロトのある土地であるホドが消滅したことにより耐久力が落ちていてアクゼリュスのセフィロトが消滅すれば一気に他のセフィロトを繋ぐパッセージリングの耐久力が著しく落ちるとのことです。それも、年内には他のセフィロトがアクゼリュスの消滅により外殻大地を浮かせる事が出来なくなる程にと」
「「なっ!?」」
くのいちは一応の確認として知っているかと聞いた上でパッセージリングにセフィロトの耐久力がまずいのかを話していき、二人はまた絶句する・・・話が本当であれば、外殻大地全てが落ちる可能性があるという事になるために。
「恐らく今お二方は預言にはそんなことはないだとか、詠まれていない事は起こらないのではと希望的な観測から来る想いを抱いているかと思われます・・・ですがパッセージリングの耐久力がホドの時点で他のセフィロトとリングに影響を多大に与える形で著しく落ちているのは事実で、現在のアクゼリュスが消滅してもですが崩落しても他のセフィロトに多大に影響が出るのは間違いないと見られています。現に今アクゼリュスで噴出しているという障気についてですが、それはホドの消滅によって最も影響を受けたのがアクゼリュスのセフィロトとその地帯を支えるパッセージリングで、魔界からの障気が噴出してきたのはその影響を受けた際に出来た傷から漏れて溢れ出てきた物なのです」
「っ!・・・で、では・・・もし万が一他の外殻大地を支えるセフィロトが浮力を保ち続けられるよう耐久力を保ったとしても、障気はアクゼリュス消滅の影響を受けて各地で噴出してくる可能性が出てくるというのか・・・!?」
「外殻大地が浮き続けられる可能性自体が奇跡以下の物になりますが、そうなったとしても障気は確実に噴出してくるでしょう」
「「・・・っ!」」
そんな希望にすがりたいと考えている二人をあくまで現実の結果から来る話を持って柔らかに、だが中身は一切の容赦なく叩き伏せるくのいちに二人はぐっと声を詰まらせる。どう転がったとしても障気を避けられることはないということもだが、外殻大地が浮き続けられる可能性がないと断じた事に。
「ただ・・・丞相もそうですが、謡将もそういった話をしたとしてもまず受け入れないであろうという存在が大詠師と同じ事実を共有している預言保守派の方々になります。おそらくなどという言葉などではなく、まず間違いなく預言にアクゼリュス以外の外殻大地の消滅など以降に詠まれていないからそんなことなど気にする必要はないと言い出すのは明白です。いえ、そればかりかもし預言通りに世界が終わることになったとしてもその結果を認めず、預言通りにしなかった誰かがいるだとか本物の第七譜石はもっと別にあると言い続けたまま亡くなると思われます」
「・・・そういった考えがあるからヴァンもそうだが、丞相も何もモースに言わなかったということか・・・」
「そうなります」
しかしそれでも尚モースが事実を受け入れることはないだろうと断じる様子に、インゴベルトも否定が出来なかった。モースなら預言には栄光の結果が詠まれてなければならないと考えるしかないと言われて。
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「ま、まぁある程度ではあるが・・・昔からこの大地は空に浮いていて、それを浮かせて支えているのがセフィロトでパッセージリングだということくらいは・・・」
「分かりました、そういう認識だということは。そしてそういう認識であることは大詠師が属する預言保守派もそうであり、お二方も教団の者からそう教えられたと事でしょう・・・ただそこで謡将はそこに留まらず、セフィロトとパッセージリングの性質及びその耐久性に目をつけました。そしてその結果としてパッセージリングがその名の通りに輪となって繋がっていて、セフィロトのある土地であるホドが消滅したことにより耐久力が落ちていてアクゼリュスのセフィロトが消滅すれば一気に他のセフィロトを繋ぐパッセージリングの耐久力が著しく落ちるとのことです。それも、年内には他のセフィロトがアクゼリュスの消滅により外殻大地を浮かせる事が出来なくなる程にと」
「「なっ!?」」
くのいちは一応の確認として知っているかと聞いた上でパッセージリングにセフィロトの耐久力がまずいのかを話していき、二人はまた絶句する・・・話が本当であれば、外殻大地全てが落ちる可能性があるという事になるために。
「恐らく今お二方は預言にはそんなことはないだとか、詠まれていない事は起こらないのではと希望的な観測から来る想いを抱いているかと思われます・・・ですがパッセージリングの耐久力がホドの時点で他のセフィロトとリングに影響を多大に与える形で著しく落ちているのは事実で、現在のアクゼリュスが消滅してもですが崩落しても他のセフィロトに多大に影響が出るのは間違いないと見られています。現に今アクゼリュスで噴出しているという障気についてですが、それはホドの消滅によって最も影響を受けたのがアクゼリュスのセフィロトとその地帯を支えるパッセージリングで、魔界からの障気が噴出してきたのはその影響を受けた際に出来た傷から漏れて溢れ出てきた物なのです」
「っ!・・・で、では・・・もし万が一他の外殻大地を支えるセフィロトが浮力を保ち続けられるよう耐久力を保ったとしても、障気はアクゼリュス消滅の影響を受けて各地で噴出してくる可能性が出てくるというのか・・・!?」
「外殻大地が浮き続けられる可能性自体が奇跡以下の物になりますが、そうなったとしても障気は確実に噴出してくるでしょう」
「「・・・っ!」」
そんな希望にすがりたいと考えている二人をあくまで現実の結果から来る話を持って柔らかに、だが中身は一切の容赦なく叩き伏せるくのいちに二人はぐっと声を詰まらせる。どう転がったとしても障気を避けられることはないということもだが、外殻大地が浮き続けられる可能性がないと断じた事に。
「ただ・・・丞相もそうですが、謡将もそういった話をしたとしてもまず受け入れないであろうという存在が大詠師と同じ事実を共有している預言保守派の方々になります。おそらくなどという言葉などではなく、まず間違いなく預言にアクゼリュス以外の外殻大地の消滅など以降に詠まれていないからそんなことなど気にする必要はないと言い出すのは明白です。いえ、そればかりかもし預言通りに世界が終わることになったとしてもその結果を認めず、預言通りにしなかった誰かがいるだとか本物の第七譜石はもっと別にあると言い続けたまま亡くなると思われます」
「・・・そういった考えがあるからヴァンもそうだが、丞相も何もモースに言わなかったということか・・・」
「そうなります」
しかしそれでも尚モースが事実を受け入れることはないだろうと断じる様子に、インゴベルトも否定が出来なかった。モースなら預言には栄光の結果が詠まれてなければならないと考えるしかないと言われて。
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