女忍、影に動く
(うんうん、上々上々♪流石にこっちの言葉だけじゃ向こうも信用出来ない部分は出てくるだろうからモースを出したけど、効果はてきめんだったね~♪)
そんな二人の様子に内心成功だとくのいちは楽し気に考える。
・・・言葉だけで人を説得するというのは出来ない訳ではないが、難しい事である。親しい間柄同士ならまだその関係性もあって言葉だけでも何とかなる事も多いが、くのいちは二人とは二回程しか話してもいないし何なら不穏な話を持ってきた怪しい奴と言ったように見られてもおかしくはないのだ。
そんな風にあまり良くない状況を打破する為にくのいちが投じた手は証拠の提示である。自分の言葉が嘘ではないという証拠の。そしてそれがモースがヴァンの事を本当は知らないという物である。
くのいちが言ったアッシュも含めてのヴァンが神託の盾の人事権であったり配置などに関して、モースは本当にヴァンに丸投げをしている。モースにとって誰がどういった配置についているだとか、目ぼしい人物がどこかにいてその人物を手元に置きたいだなんて事に興味はないからだ。それこそ些事はヴァンに孔明が行うもので、二人以下の人物の事など精々よく会うかそうでないか程度で判断すればいい・・・と言ったくらいにしか考えていない為に。
だからこそヴァンはそんなモースの事を見極めてアッシュの事を堂々と手元に置くことが出来たわけだが、それを今度はくのいちが同じよう・・・いや、それ以上に利用した訳だ。自分の言葉の信憑性を増すと同時に、配下達の行動をモースは全く把握してない・・・そう強調させる為の証拠として。
「・・・ではすまんが、話を続けてほしい。そちらもまだ話していないことはあるだろうし、何より何故アッシュをこちらに連れてこれているのか・・・それがこちらの疑問なのでな」
「分かりました、お話致します」
と、視線をインゴベルトは戻して真剣な様子で話を続けるように言ったことにすぐに頷いて返す。
「アッシュを連れてこれている理由に関しましてですが、こちらに関しましては当人の気持ちが未だに定まっていないからこそ・・・という点があるからこそになります」
「気持ちが定まっていない?・・・どういうことだ?」
「その前に言葉にされなくてよろしいですが、アッシュがキムラスカから拐われたにも関わらずこの7年・・・何故キムラスカに戻ろうとしなかったかについて心当たりはございますか?」
「「・・・っ!」」
話を続けるくのいちだがその中身に早速インゴベルトが疑問を口にすると、アッシュが帰らなかった理由の推測について問い返すと二人ともにハッとした表情を浮かべて顔を見合せあう。
「・・・どのような考えを思い浮かべられたかについては敢えてお聞きはしませんが、アッシュはキムラスカに戻らないと考えるに至った理由は確かに存在はしています。ですが同様に謡将に対して師への敬愛の念などを始めとした感情に考え方を持ちはしつつも、同時に疑念であったり謡将に付いていけないという考えも抱いてきたからこそなのです」
「何・・・何なのだ、それは・・・?」
「まず当人は否定というか言葉にこそしてはいませんが、キムラスカに対しての心残りも存在していると見たからです。特にナタリア様の話が出た際には殊更に反応していました・・・話を聞く限りでは良く話にあるような親が決めたから婚約していたというだけでなく、それ以上の関係であったようですからね」
「「・・・っ!」」
(ん?この反応は・・・)
そこには触れないとしつつ更にアッシュについてを口にしていくくのいちだが、ナタリアの事を口にした後の二人の一瞬の苦み走った反応を見てあることを感じ取った。
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そんな二人の様子に内心成功だとくのいちは楽し気に考える。
・・・言葉だけで人を説得するというのは出来ない訳ではないが、難しい事である。親しい間柄同士ならまだその関係性もあって言葉だけでも何とかなる事も多いが、くのいちは二人とは二回程しか話してもいないし何なら不穏な話を持ってきた怪しい奴と言ったように見られてもおかしくはないのだ。
そんな風にあまり良くない状況を打破する為にくのいちが投じた手は証拠の提示である。自分の言葉が嘘ではないという証拠の。そしてそれがモースがヴァンの事を本当は知らないという物である。
くのいちが言ったアッシュも含めてのヴァンが神託の盾の人事権であったり配置などに関して、モースは本当にヴァンに丸投げをしている。モースにとって誰がどういった配置についているだとか、目ぼしい人物がどこかにいてその人物を手元に置きたいだなんて事に興味はないからだ。それこそ些事はヴァンに孔明が行うもので、二人以下の人物の事など精々よく会うかそうでないか程度で判断すればいい・・・と言ったくらいにしか考えていない為に。
だからこそヴァンはそんなモースの事を見極めてアッシュの事を堂々と手元に置くことが出来たわけだが、それを今度はくのいちが同じよう・・・いや、それ以上に利用した訳だ。自分の言葉の信憑性を増すと同時に、配下達の行動をモースは全く把握してない・・・そう強調させる為の証拠として。
「・・・ではすまんが、話を続けてほしい。そちらもまだ話していないことはあるだろうし、何より何故アッシュをこちらに連れてこれているのか・・・それがこちらの疑問なのでな」
「分かりました、お話致します」
と、視線をインゴベルトは戻して真剣な様子で話を続けるように言ったことにすぐに頷いて返す。
「アッシュを連れてこれている理由に関しましてですが、こちらに関しましては当人の気持ちが未だに定まっていないからこそ・・・という点があるからこそになります」
「気持ちが定まっていない?・・・どういうことだ?」
「その前に言葉にされなくてよろしいですが、アッシュがキムラスカから拐われたにも関わらずこの7年・・・何故キムラスカに戻ろうとしなかったかについて心当たりはございますか?」
「「・・・っ!」」
話を続けるくのいちだがその中身に早速インゴベルトが疑問を口にすると、アッシュが帰らなかった理由の推測について問い返すと二人ともにハッとした表情を浮かべて顔を見合せあう。
「・・・どのような考えを思い浮かべられたかについては敢えてお聞きはしませんが、アッシュはキムラスカに戻らないと考えるに至った理由は確かに存在はしています。ですが同様に謡将に対して師への敬愛の念などを始めとした感情に考え方を持ちはしつつも、同時に疑念であったり謡将に付いていけないという考えも抱いてきたからこそなのです」
「何・・・何なのだ、それは・・・?」
「まず当人は否定というか言葉にこそしてはいませんが、キムラスカに対しての心残りも存在していると見たからです。特にナタリア様の話が出た際には殊更に反応していました・・・話を聞く限りでは良く話にあるような親が決めたから婚約していたというだけでなく、それ以上の関係であったようですからね」
「「・・・っ!」」
(ん?この反応は・・・)
そこには触れないとしつつ更にアッシュについてを口にしていくくのいちだが、ナタリアの事を口にした後の二人の一瞬の苦み走った反応を見てあることを感じ取った。
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