女忍、影に動く
「・・・話を戻しますが、そういった事を言われはしましたが丞相が聡明な方であることを改めて話した上で、私が口添えをしたなら丞相が一刻も早い許しを求めて反省をすることなくリグレットを頼った・・・そう見抜く可能性が高いからこそ大人しくしなければ今度こそ実刑を伴う処断を下されるかもしれないと言ったら、ティアは顔を青くしながらようやく引いてくれました。おそらく単にダメだと言っただけではどうにかに何とかと言った言葉で食い下がり、口添えをするとの言質を取って丞相に突撃していたでしょう。事は早い方がいい、自分もモースと話をするのだと意気込んで・・・そしてそうなればまず間違いなく、また謡将の時と同じように動揺に揺れて崩れ落ちていたでしょう」
「二度あることは三度あるとは言うけど、三度目の正直ってのが有り得るとはとても思えないんだよね~ティアの場合。もうティアは吹っ切れたし、誰に会って何を言われようとも揺るぐことのない状態に変わった・・・なんて正直が起こり得る可能性が」
それで気を取り直してどう諦めてもらったかについて説明するリグレットに、くのいちは気楽な口調でティアを評する。揺れる心をどうにか出来るような人間ではないと辛辣に。
「・・・ティアは兵士になるべき娘では無かったのでしょうね、今思えば。二年前はまだ謡将の頼みであったとはいえ何も知らず、それでいて次第に心を開いてくれたティアの事を好ましく思っていましたが・・・謡将を刺したことに加えて今までの一連の行動に発言は、どう控え目に見て評価を下しても兵士として望ましい物ではありません・・・」
「それはね~・・・兵士であろうとしても、忍であろうとしても私達の根幹にあるのは自分達が人間だってことはそれは誰でも変わらない。だからその事実とどう向き合って行くかに心境や気持ちを適応させていくかが重要になっていくんだけど、あの娘はそんな事なんてしてなかったんでしょ・・・兵士としての心構えに姿勢を身につけたつもりではいても、その実は外側を固めただけで中身を変えなかった。いや、変える必要なんてないと考えた・・・自分がすごい人間なんだからとうぬぼれる形で。そしてそのうぬぼれに拍車と言うか自信を持たせた最も大きな理由は、自分がユリアの血族っていう自負だろうね」
「ユリアの血族・・・確かにそういった節はありましたね。そして兄が謡将という神託の盾の要職に着いていたことも、それに拍車をかけたと・・・」
それで本音としてティアが兵士になるべきではなかったと漏らすリグレットにくのいちも同意といったように噺をしていき、ユリアの血族の自負との言葉にリグレットも思い出すように漏らす。ティアにはその節はあったと。
・・・ティアがこの話を聞けば否定を返すだろうが、偉人の血族というだけで自分の価値を勘違いする人物は十分にいる。勿論能力を遺憾無く発揮して活躍する人物もいるが、ティアに限って言えば前者と言えよう。身体的能力に戦闘能力はまだしもとしても、人間としての常識に能力に著しく欠ける形でだ。
その点でティアは今までの自分の行動を過小評価し過ぎている。本来ならティアの行動はダアトの法令に合わせて裁けば神託の盾からの除名など生温いばかりか、本当に即刻命を奪われるような物となってもおかしくない代物なのにだ。
そんなティアが自分の過ちを軽い物と見ているのは自分が結果として悪いことをしていないという考えがあると共に、ユリアというオールドラントにおいて最も有名であり・・・偉大な存在の血族であることはウェイトの多くを占めているのは間違いないとくのいちは見ている。
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「二度あることは三度あるとは言うけど、三度目の正直ってのが有り得るとはとても思えないんだよね~ティアの場合。もうティアは吹っ切れたし、誰に会って何を言われようとも揺るぐことのない状態に変わった・・・なんて正直が起こり得る可能性が」
それで気を取り直してどう諦めてもらったかについて説明するリグレットに、くのいちは気楽な口調でティアを評する。揺れる心をどうにか出来るような人間ではないと辛辣に。
「・・・ティアは兵士になるべき娘では無かったのでしょうね、今思えば。二年前はまだ謡将の頼みであったとはいえ何も知らず、それでいて次第に心を開いてくれたティアの事を好ましく思っていましたが・・・謡将を刺したことに加えて今までの一連の行動に発言は、どう控え目に見て評価を下しても兵士として望ましい物ではありません・・・」
「それはね~・・・兵士であろうとしても、忍であろうとしても私達の根幹にあるのは自分達が人間だってことはそれは誰でも変わらない。だからその事実とどう向き合って行くかに心境や気持ちを適応させていくかが重要になっていくんだけど、あの娘はそんな事なんてしてなかったんでしょ・・・兵士としての心構えに姿勢を身につけたつもりではいても、その実は外側を固めただけで中身を変えなかった。いや、変える必要なんてないと考えた・・・自分がすごい人間なんだからとうぬぼれる形で。そしてそのうぬぼれに拍車と言うか自信を持たせた最も大きな理由は、自分がユリアの血族っていう自負だろうね」
「ユリアの血族・・・確かにそういった節はありましたね。そして兄が謡将という神託の盾の要職に着いていたことも、それに拍車をかけたと・・・」
それで本音としてティアが兵士になるべきではなかったと漏らすリグレットにくのいちも同意といったように噺をしていき、ユリアの血族の自負との言葉にリグレットも思い出すように漏らす。ティアにはその節はあったと。
・・・ティアがこの話を聞けば否定を返すだろうが、偉人の血族というだけで自分の価値を勘違いする人物は十分にいる。勿論能力を遺憾無く発揮して活躍する人物もいるが、ティアに限って言えば前者と言えよう。身体的能力に戦闘能力はまだしもとしても、人間としての常識に能力に著しく欠ける形でだ。
その点でティアは今までの自分の行動を過小評価し過ぎている。本来ならティアの行動はダアトの法令に合わせて裁けば神託の盾からの除名など生温いばかりか、本当に即刻命を奪われるような物となってもおかしくない代物なのにだ。
そんなティアが自分の過ちを軽い物と見ているのは自分が結果として悪いことをしていないという考えがあると共に、ユリアというオールドラントにおいて最も有名であり・・・偉大な存在の血族であることはウェイトの多くを占めているのは間違いないとくのいちは見ている。
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