軍師と女忍、対峙する
「・・・そうしないと確約も即答も出来ないと言うのであれば、バチカルでの際には貴女を連れていくような事はしません。その上で言わせていただきますが後で貴女が決意を固めたから大丈夫だからと、連れていってほしいといった類いの言葉を出してきてもそうはしません」
「なっ・・・!?」
「貴女がその類いの言葉を出して無理をしてグランコクマからここまで来て、先程のような結果になったのは自身でお分かりの筈です・・・次は大丈夫だとか迷いはないと言った言葉を信じるには信用がないと言うこともありますが、何より時間があまりにも短い・・・ここからバチカルに向かうまでで全く迷いもなく貴女が大詠師と向き合えるような精神状態になるとは思えません。それとも大詠師に対して希望や夢を見るような事など思わず、ただ敵として相対する覚悟があると自信を持って言えますか?」
「・・・い、え・・・出来ません・・・」
「でしたら船の中に残ってください。後、一応言わせていただきますがバチカルでの際にやはり直接話を聞きたいからと城の中に独断で付いてくるか潜入するようなことをしたなら・・・それこそ首をはねられても文句など言えない事態になると、そう認識しておいてください。いいですね?」
「っ!・・・はい・・・」
その様子に更にティアが逃げ場など残さないようにと孔明は話を進めていき、強引な手段は許さないと締め括るとティアはとうとう観念したと言ったようにうなだれる。自分の気持ちだけを優先した行動はもう許されないのだと否応なしに理解して。
「・・・さて、後は皆さんに任せて我々は船に戻りましょう。そして謡将達の収監が終われば、船をバチカルへと向けますので」
「はい、では参りましょう」
そして言いたいことは言い終わったと孔明は船に戻るように提案し、ジェイドの同意で一同は動き出す。ヴァンとラルゴの捕縛を済ませて兵に連行を頼んだくのいちと、立ち直れずにいるティアと未だにしっくり来ない表情を浮かべているアッシュも共に・・・
「・・・さて、改めてご苦労様でした。シンク、アリエッタ」
「いえ、これも任務ですから」
「アリエッタは嬉しい、です・・・丞相の役に立てたことが」
「ふふ、頑張ってくれましたねアリエッタ」
・・・それで船の甲板の上に戻ってきた孔明は二人に対して礼を言い、冷静に返すシンクに対してアリエッタは気恥ずかしそうに返し、孔明は柔らかい笑みで応える。
「・・・おい、てめぇら。いつから丞相の手先になっていやがった?」
「いつからも何も、僕の場合は最初からさ。イオンの事はあんたも聞いただろうが、イオンのようにダアト式譜術を完全に使えるレプリカを作るまでは何としてもやれってディストにヴァンは厳命していた・・・そんな中でイオンが生まれるまで僕以外にも5人のレプリカが生まれたが、その他のレプリカと共に僕が秘密裏に逃げようとした時に最後に移動していた僕がヴァンに見つかって僕に神託の盾に入れって言ってきたのさ。こんな世界に、預言に復讐しないか・・・みたいにね。その時にディストのフォローもあったから僕はボロを出さずに何とかなったが、ヴァンの元から抜け出すことは出来なくなった為に半ば強制的に神託の盾にいることになったんだよ。だから当初の予定とは違うことにはなったが、僕も神託の盾でヴァンのスパイとして活動することにしたのさ」
「・・・それであの結果というわけか・・・」
ただアッシュは不機嫌そうに空気を気にせずいつから裏切っていたのかとばかりに問いを投げ掛けると、シンクがまず自分の事についてを答えていきその中身に何とも言いがたそうに納得するに留まる。
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「なっ・・・!?」
「貴女がその類いの言葉を出して無理をしてグランコクマからここまで来て、先程のような結果になったのは自身でお分かりの筈です・・・次は大丈夫だとか迷いはないと言った言葉を信じるには信用がないと言うこともありますが、何より時間があまりにも短い・・・ここからバチカルに向かうまでで全く迷いもなく貴女が大詠師と向き合えるような精神状態になるとは思えません。それとも大詠師に対して希望や夢を見るような事など思わず、ただ敵として相対する覚悟があると自信を持って言えますか?」
「・・・い、え・・・出来ません・・・」
「でしたら船の中に残ってください。後、一応言わせていただきますがバチカルでの際にやはり直接話を聞きたいからと城の中に独断で付いてくるか潜入するようなことをしたなら・・・それこそ首をはねられても文句など言えない事態になると、そう認識しておいてください。いいですね?」
「っ!・・・はい・・・」
その様子に更にティアが逃げ場など残さないようにと孔明は話を進めていき、強引な手段は許さないと締め括るとティアはとうとう観念したと言ったようにうなだれる。自分の気持ちだけを優先した行動はもう許されないのだと否応なしに理解して。
「・・・さて、後は皆さんに任せて我々は船に戻りましょう。そして謡将達の収監が終われば、船をバチカルへと向けますので」
「はい、では参りましょう」
そして言いたいことは言い終わったと孔明は船に戻るように提案し、ジェイドの同意で一同は動き出す。ヴァンとラルゴの捕縛を済ませて兵に連行を頼んだくのいちと、立ち直れずにいるティアと未だにしっくり来ない表情を浮かべているアッシュも共に・・・
「・・・さて、改めてご苦労様でした。シンク、アリエッタ」
「いえ、これも任務ですから」
「アリエッタは嬉しい、です・・・丞相の役に立てたことが」
「ふふ、頑張ってくれましたねアリエッタ」
・・・それで船の甲板の上に戻ってきた孔明は二人に対して礼を言い、冷静に返すシンクに対してアリエッタは気恥ずかしそうに返し、孔明は柔らかい笑みで応える。
「・・・おい、てめぇら。いつから丞相の手先になっていやがった?」
「いつからも何も、僕の場合は最初からさ。イオンの事はあんたも聞いただろうが、イオンのようにダアト式譜術を完全に使えるレプリカを作るまでは何としてもやれってディストにヴァンは厳命していた・・・そんな中でイオンが生まれるまで僕以外にも5人のレプリカが生まれたが、その他のレプリカと共に僕が秘密裏に逃げようとした時に最後に移動していた僕がヴァンに見つかって僕に神託の盾に入れって言ってきたのさ。こんな世界に、預言に復讐しないか・・・みたいにね。その時にディストのフォローもあったから僕はボロを出さずに何とかなったが、ヴァンの元から抜け出すことは出来なくなった為に半ば強制的に神託の盾にいることになったんだよ。だから当初の予定とは違うことにはなったが、僕も神託の盾でヴァンのスパイとして活動することにしたのさ」
「・・・それであの結果というわけか・・・」
ただアッシュは不機嫌そうに空気を気にせずいつから裏切っていたのかとばかりに問いを投げ掛けると、シンクがまず自分の事についてを答えていきその中身に何とも言いがたそうに納得するに留まる。
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