軍師と女忍、対峙する
「ですがそれは然程大きな問題にはならないでしょう。最初は降伏勧告をするように話をすると言えばアッシュもそうですが、謡将も立場上自らの兵士の数において懐具合が厳しいのもあって話を受けざるを得ないでしょうからね。ただそうやって降伏勧告を告げるようにしなくとも、ティアなら謡将を前にして行動しないという可能性の方が低いですからアッシュの足止めは十分に可能でしょう」
「ふむ・・・成程・・・」
孔明はその切り返しに降伏勧告にティアの事があるから大丈夫だと告げると、フリングスは言葉でこそ納得するが腑に落ちないと言った表情を浮かべる。
「ですがそう聞くと・・・やはりティア=グランツの兵としての未熟さがより浮き彫りのように思います・・・戦いの為の実力だけならともかくとしても、彼女を兵として信頼出来るかと言われると・・・」
「・・・そこに関しては何度もお聞きしているかと思いますが、もうそこについては触れないでおいてください。謡将に大詠師を止め、一連の流れに一段落つけるまでは彼女と行動を共にしなければならないのですから」
「・・・はい、分かりました。以降は彼女の事に関しては慎みましょう」
フリングスはそこからティアの行動が愚かと言える方向で読めることに兵として信じられないと漏らすと、孔明が力なくもそこを突かないようにと願ったことに頷いて返す。これ以上は言わないようにすると。
・・・ティアとアッシュに内密に行われた話も済み、以降は特に何か起こることもなく船は進み・・・数日後に船はコーラル城近くの岸辺へと到着した。
「・・・さて、こうしてコーラル城近くに来たわけですが謡将達も我々の接近に気付き城の前で身構えているはずです。皆さん、気を引き締めて行軍してください。謡将の状況からいきなり攻撃を仕掛けてくる可能性は低いとは言え、全く有り得ないというわけではありませんからね」
「「「「はっ!」」」」
それでルークと幾人かの兵を残して船を降りた一行の中で孔明は羽扇を並び立った兵士達に向けつつ気を引き締めるように言い、兵士達は一斉に勢いのよい敬礼で返す。
「「・・・っ!」」
(・・・意気込むのは構いませんが、貴殿方に活躍の機会などありませんよ)
そんな中で自分の近くで表情を緊迫した物へと変えるティアとアッシュの姿を見た孔明は、内心で冷ややかに漏らす。二人の意気込みは無駄なことになると。
・・・そのような考えを浮かべながらも孔明は本人達には何も言わず、コーラル城に向かう。と言ってもコーラル城は然程距離が空いている訳でも無かったため、孔明達は時間をかけずにコーラル城前まで辿り着いた。
「・・・ふむ、見張りの兵士が中に入っていきましたか。やはり隠れている事もあって、何かあったら報せるようにという役目を負っていたのでしょうね」
「謡将の立場ならそうなるのは間違いではないのでしょうが・・・丞相が相手になると謡将は見越していたと思いますか?」
「謡将は妻と相対していますから、私が関与しているとくらいは考えてはいるでしょうが・・・こうやって直接ここに来ているとまでは思っていないでしょう。ダアトで私は基本的に裏方のような存在でしたから、精々ダアトから指示を出しているといった程度に思っている可能性が高いですね」
「成程・・・なら大丈夫ですね」
それで城の近くにいたヴァンの神託の盾兵士が城の中に入る様子を見て孔明とジェイドは会話を交わす、大して気負いしていないと言ったように。
・・・それで数分後、コーラル城からヴァン達が走り出てきて孔明達の前に姿を現した。
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「ふむ・・・成程・・・」
孔明はその切り返しに降伏勧告にティアの事があるから大丈夫だと告げると、フリングスは言葉でこそ納得するが腑に落ちないと言った表情を浮かべる。
「ですがそう聞くと・・・やはりティア=グランツの兵としての未熟さがより浮き彫りのように思います・・・戦いの為の実力だけならともかくとしても、彼女を兵として信頼出来るかと言われると・・・」
「・・・そこに関しては何度もお聞きしているかと思いますが、もうそこについては触れないでおいてください。謡将に大詠師を止め、一連の流れに一段落つけるまでは彼女と行動を共にしなければならないのですから」
「・・・はい、分かりました。以降は彼女の事に関しては慎みましょう」
フリングスはそこからティアの行動が愚かと言える方向で読めることに兵として信じられないと漏らすと、孔明が力なくもそこを突かないようにと願ったことに頷いて返す。これ以上は言わないようにすると。
・・・ティアとアッシュに内密に行われた話も済み、以降は特に何か起こることもなく船は進み・・・数日後に船はコーラル城近くの岸辺へと到着した。
「・・・さて、こうしてコーラル城近くに来たわけですが謡将達も我々の接近に気付き城の前で身構えているはずです。皆さん、気を引き締めて行軍してください。謡将の状況からいきなり攻撃を仕掛けてくる可能性は低いとは言え、全く有り得ないというわけではありませんからね」
「「「「はっ!」」」」
それでルークと幾人かの兵を残して船を降りた一行の中で孔明は羽扇を並び立った兵士達に向けつつ気を引き締めるように言い、兵士達は一斉に勢いのよい敬礼で返す。
「「・・・っ!」」
(・・・意気込むのは構いませんが、貴殿方に活躍の機会などありませんよ)
そんな中で自分の近くで表情を緊迫した物へと変えるティアとアッシュの姿を見た孔明は、内心で冷ややかに漏らす。二人の意気込みは無駄なことになると。
・・・そのような考えを浮かべながらも孔明は本人達には何も言わず、コーラル城に向かう。と言ってもコーラル城は然程距離が空いている訳でも無かったため、孔明達は時間をかけずにコーラル城前まで辿り着いた。
「・・・ふむ、見張りの兵士が中に入っていきましたか。やはり隠れている事もあって、何かあったら報せるようにという役目を負っていたのでしょうね」
「謡将の立場ならそうなるのは間違いではないのでしょうが・・・丞相が相手になると謡将は見越していたと思いますか?」
「謡将は妻と相対していますから、私が関与しているとくらいは考えてはいるでしょうが・・・こうやって直接ここに来ているとまでは思っていないでしょう。ダアトで私は基本的に裏方のような存在でしたから、精々ダアトから指示を出しているといった程度に思っている可能性が高いですね」
「成程・・・なら大丈夫ですね」
それで城の近くにいたヴァンの神託の盾兵士が城の中に入る様子を見て孔明とジェイドは会話を交わす、大して気負いしていないと言ったように。
・・・それで数分後、コーラル城からヴァン達が走り出てきて孔明達の前に姿を現した。
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