軍師と女忍、合流する
「それで、話はこれで終わりですか?」
「そんなことはありませんよ。今の話は確かに必要でこそありますが、あくまであの大佐に向けての建前です。こちらの手の内は敵であっても同盟相手であっても必要な分こそ見せはしても、味方でなければそれ以上は見せないように進める・・・それが兵法の常道です」
「やっぱりさっすが~♪旦那様ならそう見越してあの時にこの状況にしてくれたって思ってやしたぜ~♪」
「それを言うなら貴女がそう察してくれるとも思っていましたよ、くのいち」
くのいちは話はそこで終わりかと聞くが、孔明が自信に満ちた微笑みで否定する様子に満面の笑顔を浮かべる。それでこそ孔明とばかりに、これでこそくのいちとばかりに互いに分かりあう形で。
・・・そう、孔明がジェイドに向けて取っていた行動はティアの事を話し合う時間にしたい・・・という物が本題と見せる為の物で、あくまでティアに視線をやったのは目眩ましの為だ。散々問題を起こしてきたティアの事を丞相として把握したいといったように見せるようにジェイドにアピールする形で。
ただ狙いとしてはそれだけではなく、もしこういった行動を取っていなければジェイドは後にしろと言うなりティアの事を言うのではないと感じただろうが、最も最悪な可能性は同席することもそうだがティアの事をティアがいてもぶちまけかねないことだ。
そんなことになれば話が面倒な流れ・・・自分の事についての弁解を始めとして、場の空気に流れなど気にすることなくわめきたてるだろう。そうなれば話がグダグダになるのもそうだし、ティアがこれからの孔明達の言うことを聞かなくなる可能性が出てくる。
孔明ならそういった事になってもティアを説得出来るだけの弁舌は持っているが、それでティアが大人しくなってくれるのは一時的な効果に過ぎない。だからこそティアに何も聞かせないよう、それでいて孔明を挑発なり真意を無駄に探ろうとするように牽制を仕掛ける意味合いもあるのだ。
「まぁそれならこのまま話を進めてもらって大丈夫と思うんですけど、まず何が聞きたいですか?」
「そうですね・・・とりあえずグランコクマで手紙を送ってきてからここに来るまで、何か変わったことはありましたか?」
「変わったことですか~・・・」
それで早速次の話題をと口にするくのいちに孔明は変わったことを聞きたいと言い、少し考え込む。
「・・・取り立てて目立って変わったところは無いって言いたいところですけど、フリングス少将がこちらに派遣された件に関してですが・・・これは大佐に内密で旦那様に話をしてほしいと少将に言われたので今言いますが、単に戦力強化だけではなく大佐の補佐に来たとの事だそうです・・・ただそれは陛下自身は補佐のつもりなのか、それとも是が非でも大佐の失言を止める役でつけたのかが判断がつけにくいと少将は言っていました」
「・・・判断がつけにくいとは、どういう意味ですか?」
「少将はどちらの性格に行動も把握してはいるそうですが、大佐の考えにどれだけ寛容な感じかたをしているのか判断がつけにくい状態らしく・・・判断がしにくいそうなんです。大佐はこの件に関してはマルクトの責任者として動いて少将はあくまで補佐という形なので、どこまでの権限があるのか分からないと」
「・・・ふむ、少将の立場を考えれば分からない事ではないとも言えますね」
「はい。そして少将は口にはしていませんが、大佐は陛下と幼馴染みであり懇意の仲でもある・・・それが少将にとっても悩みの種なんだと思います」
「成程、立場に関わらない関係もまた考えに障害になっているということですか」
そこからフリングスの立場に下された命令がいかなものかと説明していくくのいちに、孔明は納得といった表情を浮かべる。フリングスなら致し方ない物だと。
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「そんなことはありませんよ。今の話は確かに必要でこそありますが、あくまであの大佐に向けての建前です。こちらの手の内は敵であっても同盟相手であっても必要な分こそ見せはしても、味方でなければそれ以上は見せないように進める・・・それが兵法の常道です」
「やっぱりさっすが~♪旦那様ならそう見越してあの時にこの状況にしてくれたって思ってやしたぜ~♪」
「それを言うなら貴女がそう察してくれるとも思っていましたよ、くのいち」
くのいちは話はそこで終わりかと聞くが、孔明が自信に満ちた微笑みで否定する様子に満面の笑顔を浮かべる。それでこそ孔明とばかりに、これでこそくのいちとばかりに互いに分かりあう形で。
・・・そう、孔明がジェイドに向けて取っていた行動はティアの事を話し合う時間にしたい・・・という物が本題と見せる為の物で、あくまでティアに視線をやったのは目眩ましの為だ。散々問題を起こしてきたティアの事を丞相として把握したいといったように見せるようにジェイドにアピールする形で。
ただ狙いとしてはそれだけではなく、もしこういった行動を取っていなければジェイドは後にしろと言うなりティアの事を言うのではないと感じただろうが、最も最悪な可能性は同席することもそうだがティアの事をティアがいてもぶちまけかねないことだ。
そんなことになれば話が面倒な流れ・・・自分の事についての弁解を始めとして、場の空気に流れなど気にすることなくわめきたてるだろう。そうなれば話がグダグダになるのもそうだし、ティアがこれからの孔明達の言うことを聞かなくなる可能性が出てくる。
孔明ならそういった事になってもティアを説得出来るだけの弁舌は持っているが、それでティアが大人しくなってくれるのは一時的な効果に過ぎない。だからこそティアに何も聞かせないよう、それでいて孔明を挑発なり真意を無駄に探ろうとするように牽制を仕掛ける意味合いもあるのだ。
「まぁそれならこのまま話を進めてもらって大丈夫と思うんですけど、まず何が聞きたいですか?」
「そうですね・・・とりあえずグランコクマで手紙を送ってきてからここに来るまで、何か変わったことはありましたか?」
「変わったことですか~・・・」
それで早速次の話題をと口にするくのいちに孔明は変わったことを聞きたいと言い、少し考え込む。
「・・・取り立てて目立って変わったところは無いって言いたいところですけど、フリングス少将がこちらに派遣された件に関してですが・・・これは大佐に内密で旦那様に話をしてほしいと少将に言われたので今言いますが、単に戦力強化だけではなく大佐の補佐に来たとの事だそうです・・・ただそれは陛下自身は補佐のつもりなのか、それとも是が非でも大佐の失言を止める役でつけたのかが判断がつけにくいと少将は言っていました」
「・・・判断がつけにくいとは、どういう意味ですか?」
「少将はどちらの性格に行動も把握してはいるそうですが、大佐の考えにどれだけ寛容な感じかたをしているのか判断がつけにくい状態らしく・・・判断がしにくいそうなんです。大佐はこの件に関してはマルクトの責任者として動いて少将はあくまで補佐という形なので、どこまでの権限があるのか分からないと」
「・・・ふむ、少将の立場を考えれば分からない事ではないとも言えますね」
「はい。そして少将は口にはしていませんが、大佐は陛下と幼馴染みであり懇意の仲でもある・・・それが少将にとっても悩みの種なんだと思います」
「成程、立場に関わらない関係もまた考えに障害になっているということですか」
そこからフリングスの立場に下された命令がいかなものかと説明していくくのいちに、孔明は納得といった表情を浮かべる。フリングスなら致し方ない物だと。
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