軍師と女忍、合流する

・・・ここで時間は進んで場は変わり、ケセドニアにいる孔明へと場面は移る・・・









「・・・そろそろといった所でしょうか・・・」
・・・マルクトの領事館の中にて、自身に用意された部屋の椅子に腰かけていた孔明。本に目を向けていたその視線をふと入口の扉へと視線を向ける。
‘コンコン、ガチャッ’
「・・・失礼します、丞相。奥方殿を始めとした皆さまが来られましたので、こちらにお通ししてもよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
するとすぐにノックと共にマルクトの兵士が入ってきてくのいち達の来訪を告げてきたため、孔明は微笑を浮かべながら立ち上がり頷く。



・・・そして数分後、孔明の部屋へとくのいち達が入ってきた。
「・・・皆様、お久しぶりです。そして貴方はその容貌から察するに、フリングス少将でしょうか?」
「はい、そうですが・・・私の事を御存知だったとは・・・」
「いえ、妻の手紙によりおそらくそうではないかと考えただけですよ」
「そうですか・・・では改めまして私はマルクト帝国軍少将、アスラン=フリングスです。此度は皆様への協力をカーティス大佐と共に行うようにとピオニー陛下より命を受けて参りました。どうぞよろしくお願いいたします」
「えぇ、よろしくお願いいたします」
孔明は部屋に入った人員について確認するよう見ていく中、新たに見えたフリングスと穏やかに会話を交わしていく。心強い協力者が増えたことに。
「・・・それですみませんが、丞相の兵は今どちらにいますか?」
「現在はマルクト側の領土のマルクト軍の方々のいる駐屯地の中に場所をお借りして待機していただいています。神託の盾の服装を脱がせた上でそちらに入っていただく形を取ってです」
「・・・大量の神託の盾兵士がケセドニアに入ってきたとキムラスカとここの住人に知られないようにするためですか」
「そうなります。ケセドニア側はまだよくとも、キムラスカ側には謡将がこちらに寄ったと言ったように勘違いされて報告されるといった可能性がありますからね。マルクトの方々の協力をいただいた上で念には念を入れて対処させていただきました」
「成程・・・そこまで用心をしているというのであれば大丈夫でしょうね。キムラスカ側に情報は漏れていないのでしょう」
続いてジェイドが孔明の手勢についてを聞いてきた為、どうしているのかに入ってきた手段とその理由についてを話した孔明に納得する。秘密裏に行動出来ていると。
「・・・ただ、それはいいのですが肝心の謡将達の様子と言うか、居場所は掴めているのですか?話によればキムラスカにモースの追求が来ないようにするためとアクゼリュスをどうにかすることも踏まえて、何処かに雲隠れしている可能性が高いとの事ですが・・・」
「その居場所に関してですが検討はついていますので、ご安心を・・・ただ早速船に向かいますか?そちらも船旅が続いて疲れが溜まっているでしょうから、今日の所は休息していただく形を取っても良いかとは思いますが・・・」
「ふむ・・・今日くらいは船の上で休息したくないという方がいましたら手を上げるなりなんなりしてもらえますか?・・・・・・どうやらいないようですね。では船に向かいたいのですが、もう船の出立の用意は済んでいるのですか?」
続けてヴァン達の居場所についてを問うジェイドに孔明は分かっていると言いつつ休憩はどうするのかと聞くと、周りに意見を求めても特に何もなかった為手筈についてを聞いていく。
「はい、そろそろ貴殿方が来る頃だと見越して用意をお願いしてあります。後は我々が船に向かい、人員を乗せればいつでも出航可能な状態とのことです」
「ならいいのですが・・・肝心の謡将達がどこにいるか、先に教えていただけませんか?」
「それでしたらコーラル城です。大方謡将からすればマルクト内は流石に隠れ蓑としては不適格ではあるから除外するが、アクゼリュス付近から遠く離れる訳にもいかず、かといってキムラスカ側に下手に近付くわけにはいかない・・・と言った理由からコーラル城を選んだと思われます。我々はそこに船で港から見えないように大回りをしつつ、コーラル城付近の岸辺に接岸して上陸して彼らを制圧するという手筈を取ります」
「ふむ、決戦の場はコーラル城ですか・・・」
孔明は手筈についてを淡々と語っていき、目的地がコーラル城と言った所で自然とジェイドだけでなく周りも気を引き締めるといった空気になる。そこが対峙する場所なのだと。









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