女忍、前進する

「そういう訳なんで、ティアはここにいてガイと一緒にどうするかをちゃんと考えてね。少なくともそれをどうにか自分の中で折り合いをつけてからじゃないと、わたしもティアのことを大丈夫だなんて旦那様に会った時に言えないし・・・旦那様もティアなら大丈夫だから、連れていきましょうだなんて言うとはとても思えないしね」
「・・・分かりました。今日は気持ちを落ち着かせて考えをまとめたいと思います」
それでくのいちがちゃんと考えるよう強調して言えば、流石にティアもそれ以上は強く言えないと感じて素直に頷いた。決して離脱なんかするつもりはないと、そう言った気持ちも匂わせるような形で。











・・・それで話も済んでジェイドが迎えに来たため、くのいち達はピオニーの待つという部屋へと案内された。



「・・・よく来てくれたと言いたいが、二人ほどいないようだが?」
「少しこのまま二人を連れていけばいいというよいなものではないと二人の状況から感じたものですから、今日は今後のことを考えるようにと言って部屋に残ってもらいました。もし迷いを残したままで下手に足踏みされるような事態になることもそうですが、これから話す話は世界的な規模で見ても重大な話になることは避けられません・・・そこで事実を受け止められないか、もしくは良からぬ事を考えられる可能性も有り得ます」
「・・・それだけの事を話すつもりでいるのか?そちらは」
「はい、丞相からも導師からもこれは必要な事だと仰せつかってはいますが・・・何分それだけの秘密ですから、知る者は少なくしたいのです。信頼出切る者、裏切る可能性の無い者だけに今からの話を聞いてほしいので」
「・・・まぁ妥当ではあるが、もし二人のどちらもだがどっちかでも大丈夫だと言わなかった場合はどうするんだ?」
「その時は申し訳無いのですが、こちらでお預かりしてはいただけないでしょうか?大佐殿にはガイに関しては先に話をしてはいますが・・・」
「そうなのか、ジェイド?」
「はい、ガイの事に関しては話を聞いてはいました。ティアについてはまだ聞いてはいませんでしたが、どちらにしても二人は迷っているようですし一人も二人も然程違いはありません。それに土壇場で尻込みされるような事だったり、それこそ裏切り行為を行われるのは私としてもごめんですから、吹っ切れない様子でしたらこちらで保護することには賛成です」
「・・・そういうことなら別にいいだろう。明日になって二人の考えが同道をするには危ういと判断したなら、こちらで二人を保護しよう。それくらいなら容易い事だ」
「ありがとうございます、陛下」
・・・それで部屋に入るなりピオニーが場に来てない二人についての指摘をしてきたため、くのいちはジェイドにもフォローを頼んだ上で噺を進め、ピオニーが受け入れると決めたことに頭を下げる。
「それはいいが、早速話を始めたいんだが構わないか?ゼーゼマンにジェイドにアスラン、俺の護衛を兼ねた上で信頼出来る者をこの場に呼んだ。これ以上人数を減らせというのは流石に聞けんぞ」
「いえ、構いません。ここまでしていただいているのに、そのような不満などあるはずがありません」
「そうか・・・では早速話を始めてほしい。こちらもこれからの話を聞いた上でどうするかと他の者達を待たせてあるんでな」
「分かりました。では早速お話したいと思います」
それで脇に控える面子を紹介しつつ話をするようにと言ってくるピオニーに、くのいちは頷く。これからする話がどんなものかを暗示させるように真剣でいて重い様子で。












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