女忍、前進する
「んだよそれ・・・その考えに当てはめっと、あいつがやったことってダアトじゃねぇから遠慮なくやれるって無責任に考えてたって事じゃねぇか・・・そんなもんに俺は巻き込まれたってのかよ・・・」
「そうなりますが、本人にそういった自覚はまずないと見ていいでしょう。単純にダアトの人間が迷惑を散々かけておきながらダアトの人間がやったことだから許されたと言ったエピソードなどを聞いたりして、迷惑をかけたなら謝ればいい・・・という風に感じていた程度に認識しているでしょう。それをダアトがやられたらダアトを相手になんて事をするのかと怒り、相手を寛大な気持ちで許すようなことなどないでしょうけれどね」
「うわ・・・つーかそんななのに、何であいつジェイドに対してはやけに敬意を持ったっていうかそういった姿勢になるんだよ・・・?」
「それはおそらくリグレットによる教えが大きいからでしょうね。彼女がティアに教官として色々教えてきたことについてその経過は私も時々は聞いてはいましたが、最初は謡将が私に教えてくれなければ嫌だと駄々をこねて講義の時間をすっぽかしていたそうですよ。ただそれもしばらくしてからティアの態度がマシになって素直に話を聞くようになって、教えやすくなったと言っていましたね」
「えっと、師匠に教えてもらわなきゃって?」
「奥方も言っていましたが元々から神託の盾に入るというのは謡将の役に立ちたいという考えの元だったようですが、それだから教導を取るのも兄に取ってほしいと駄々をこねたそうです・・・貴方の場合は謡将が目的の為というのでファブレと懇意にしていたから例外としますが、本来でしたら有り得ないんですよ?例え血の繋がった身内であるとは言え、軍のトップである者がまだ軍人にすらなってない者の教導を取ることもそうですが、リグレットのように現役でいて前線でバリバリやっている人間が指導を取ることなんて」
「・・・それって、良くないことなんだな?」
「一兵士に取っていい待遇でないのは間違いありませんよ。そんな風にこの人の教えを受けたいから今の教官の言うことは聞かないだとかボイコットをするだなんてことを全部が全部許してしまえば、まず組織という物自体が成り立たなくなりますし後進がろくでもない人物ばかりになるのは目に見えています・・・まぁそれでもあくまでティアの教導に関しては人目につかない場所だったので、ほとんどの教団員に知られることはありませんでしたからまだよしとしても、破格の対応だったことには違いはありません・・・話は少しずれましたが、リグレットも謡将から命じられたからとはいえ一人の人間に教えを授けるとなった身。ですからこそリグレットは軍人としての戦い方もそうですが、軍における上官に対する態度に心構えを教えていったでしょう」
「・・・その結果として、ジェイドにはあぁいった態度になったと?」
「軍は国や団体などに属する物ではありますが、その統率の在り方はある意味では軍は一個の国と捉えることも出来ます。むしろ軍に入るということはただ単に国に所属するよりも、過酷な国に所属する事と同義足り得る事になるとも言えます。そんな場においてまず重要と言えるのはいかに上下関係をハッキリさせるかです」
「そんなになのか?」
「えぇ。基本的に軍というのは個人の活動はあまりなく、団体での生活及び任務に挑むのが普通のことです。そんな暮らしをする最中でもし任務で行動をしなければならない時に私は上官なんて気にしないし、この人の命令は聞きたくないから私は私の思う通りに行動したいから、皆もそう思うなら私に従え・・・と言ったような事を下の者から落ち度も何も無いのに、ただ自分がそう思ったからそうした何て言われたら気分はいいと言えますか?」
「んなもん気分がいいわけねぇだろ。落ち度も何も無いってんなら尚更だ」
「そうです。下の者でも何か不平不満があるなら意見を上に通すことはおかしくはありませんが、だからと言って身分の上下について一切考えず私情で物事を捉えて動くなど有り得ない事です。そういった考えの者のせいで被害を受けるのがその者だけならまだしも、それで軍が被害を受けてしまえば目も当てられませんからね・・・そしてティアは兄が目的で神託の盾に入りたいと、リグレットという神託の盾の中でも上位にいる地位の人間を初めて会った時に全く敬うことをしなかった。自分が神託の盾に入れば自分の立場は兄の次か同等の物と、例え幼心とは言え抱く形でです・・・だからこそリグレットもそういった考えを矯正する意味も含め、軍の上下関係を重んじるようにと教鞭を取ったのでしょう」
「軍人としてやらせていく為にか・・・」
それでディストに詳しく話を聞くルークは重く納得する、ティアのジェイドに対する態度はリグレットの危惧が主な理由なのだと。
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「そうなりますが、本人にそういった自覚はまずないと見ていいでしょう。単純にダアトの人間が迷惑を散々かけておきながらダアトの人間がやったことだから許されたと言ったエピソードなどを聞いたりして、迷惑をかけたなら謝ればいい・・・という風に感じていた程度に認識しているでしょう。それをダアトがやられたらダアトを相手になんて事をするのかと怒り、相手を寛大な気持ちで許すようなことなどないでしょうけれどね」
「うわ・・・つーかそんななのに、何であいつジェイドに対してはやけに敬意を持ったっていうかそういった姿勢になるんだよ・・・?」
「それはおそらくリグレットによる教えが大きいからでしょうね。彼女がティアに教官として色々教えてきたことについてその経過は私も時々は聞いてはいましたが、最初は謡将が私に教えてくれなければ嫌だと駄々をこねて講義の時間をすっぽかしていたそうですよ。ただそれもしばらくしてからティアの態度がマシになって素直に話を聞くようになって、教えやすくなったと言っていましたね」
「えっと、師匠に教えてもらわなきゃって?」
「奥方も言っていましたが元々から神託の盾に入るというのは謡将の役に立ちたいという考えの元だったようですが、それだから教導を取るのも兄に取ってほしいと駄々をこねたそうです・・・貴方の場合は謡将が目的の為というのでファブレと懇意にしていたから例外としますが、本来でしたら有り得ないんですよ?例え血の繋がった身内であるとは言え、軍のトップである者がまだ軍人にすらなってない者の教導を取ることもそうですが、リグレットのように現役でいて前線でバリバリやっている人間が指導を取ることなんて」
「・・・それって、良くないことなんだな?」
「一兵士に取っていい待遇でないのは間違いありませんよ。そんな風にこの人の教えを受けたいから今の教官の言うことは聞かないだとかボイコットをするだなんてことを全部が全部許してしまえば、まず組織という物自体が成り立たなくなりますし後進がろくでもない人物ばかりになるのは目に見えています・・・まぁそれでもあくまでティアの教導に関しては人目につかない場所だったので、ほとんどの教団員に知られることはありませんでしたからまだよしとしても、破格の対応だったことには違いはありません・・・話は少しずれましたが、リグレットも謡将から命じられたからとはいえ一人の人間に教えを授けるとなった身。ですからこそリグレットは軍人としての戦い方もそうですが、軍における上官に対する態度に心構えを教えていったでしょう」
「・・・その結果として、ジェイドにはあぁいった態度になったと?」
「軍は国や団体などに属する物ではありますが、その統率の在り方はある意味では軍は一個の国と捉えることも出来ます。むしろ軍に入るということはただ単に国に所属するよりも、過酷な国に所属する事と同義足り得る事になるとも言えます。そんな場においてまず重要と言えるのはいかに上下関係をハッキリさせるかです」
「そんなになのか?」
「えぇ。基本的に軍というのは個人の活動はあまりなく、団体での生活及び任務に挑むのが普通のことです。そんな暮らしをする最中でもし任務で行動をしなければならない時に私は上官なんて気にしないし、この人の命令は聞きたくないから私は私の思う通りに行動したいから、皆もそう思うなら私に従え・・・と言ったような事を下の者から落ち度も何も無いのに、ただ自分がそう思ったからそうした何て言われたら気分はいいと言えますか?」
「んなもん気分がいいわけねぇだろ。落ち度も何も無いってんなら尚更だ」
「そうです。下の者でも何か不平不満があるなら意見を上に通すことはおかしくはありませんが、だからと言って身分の上下について一切考えず私情で物事を捉えて動くなど有り得ない事です。そういった考えの者のせいで被害を受けるのがその者だけならまだしも、それで軍が被害を受けてしまえば目も当てられませんからね・・・そしてティアは兄が目的で神託の盾に入りたいと、リグレットという神託の盾の中でも上位にいる地位の人間を初めて会った時に全く敬うことをしなかった。自分が神託の盾に入れば自分の立場は兄の次か同等の物と、例え幼心とは言え抱く形でです・・・だからこそリグレットもそういった考えを矯正する意味も含め、軍の上下関係を重んじるようにと教鞭を取ったのでしょう」
「軍人としてやらせていく為にか・・・」
それでディストに詳しく話を聞くルークは重く納得する、ティアのジェイドに対する態度はリグレットの危惧が主な理由なのだと。
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