女忍、邁進する
「まぁそういうわけなんで、今は保留って言った方がいいかな~。今はアッシュを手元に置いといて、最終的に旦那様に判断を委ねるのが妥当だろうし。それとも大佐殿がマルクトでアッシュを引き受けるようにする?それならそれでこっちは構わないけど」
「それは御免です。彼を無事に受け入れられる気がしませんし、何より彼がマルクトに大人しく来てくれるなどとは到底思えませんからね・・・そちらが引き受けるかキムラスカに戻すかが妥当でしょう」
「ありゃりゃ。まぁいいか、予想はしてたことじゃあったし」
そういった点から判断を孔明に委ねるとしつつマルクトではどうかと聞くくのいちに、ジェイドはあっさり嫌だと返したがあっさりとした笑顔を浮かべる。否定されるのは大したことじゃないと。
「んじゃ、質問はこれで終わり?」
「えぇ、一先ずは・・・では私もしばらく休憩します。何かあればこちらに来てください、では」
そして最後に終わりかと問うくのいちに、頷いた後にジェイドは場を離れていく。
「・・・さて、どうでしたか?ジェイドの印象に関しては」
「十分十分。大佐殿はガイ達に比べると警戒心やら頭の回転はすごいけど、その反面として自分に自信があって足下をすくえるスキは十分にあるって改めて感じたからね」
「自分に自信がある、ですか・・・」
「能力は旦那様と比べると方向性が違うだけで遜色はないみたいには言ったけど、旦那様と大佐殿で決定的に違うのは自信の在り方なんだよ。旦那様は自信は持ってはいるけど事に当たるに至っては万全で抜けの無いように挑むのに対して、大佐殿は自分が大丈夫って思えば穴があっても大したことが無いとか触れたくないことには出来る限り触れようとせずに終わらせようとするんだよね~。特に触れたくないことに関しては私よりディストの方が心当たりあるんじゃない?」
「そうですね・・・ジェイドは昔からそういった所は確かにありました。出来る限り触れたくない物は言及せず、そこを追求されたならいかにその話題を早く終わらせようとするか・・・そういった面は確かに見受けられました」
ディストはジェイドの姿が見えなくなったのを見計らいくのいちに経過の程を確かめると、自信の在り方と言った上で行動の取り方について返された事に納得と言った声を上げる。ジェイドのらしさを大いに表しているものと。
「そんなやり方がなまじ成立してきたもんだから、あの大佐殿は自分のやり方に関しては疑問を抱けないんだよね~。今までそれでやってきたのだから大丈夫、私達がある程度必要な分の情報開示をして判断の材料も揃ってるから自分なら間違えない・・・そう思ってそれ以上踏み込んだ考えにはならないって形になってね」
「その考えが丞相とジェイドの差ということですか・・・そしてそこにフォミクリーという触れたくないことの存在があるからこそ、尚ジェイドは一歩更に踏み込む事が出来ないと・・・」
「そういうことだけど、やっぱりディストからして複雑?あの大佐殿のこと」
「・・・否定出来ませんね。私も貴殿方に出会っていなかったらこうやって思い直すこともなく、踏み込んだ考えに到る事も無かったでしょう。そういった領域にジェイドが入れないと言うのに複雑な気持ちがあるのは事実です・・・ただそれでも今の私にとって重要なのは、貴女方の支えとなって忠節を尽くすことです。そういった視点で考えればジェイドのそういった姿勢は却ってやりやすいと、そう私は思っています」
だからこそその甘さが孔明との違いと語るくのいちに、ディストは若干ジェイドに対する苦い気持ちを浮かべながらもこちらの陣営として考えるなら好都合と口にする。割り切った考えから言うなら、孔明にないその甘さがつけ入るスキだと。
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「それは御免です。彼を無事に受け入れられる気がしませんし、何より彼がマルクトに大人しく来てくれるなどとは到底思えませんからね・・・そちらが引き受けるかキムラスカに戻すかが妥当でしょう」
「ありゃりゃ。まぁいいか、予想はしてたことじゃあったし」
そういった点から判断を孔明に委ねるとしつつマルクトではどうかと聞くくのいちに、ジェイドはあっさり嫌だと返したがあっさりとした笑顔を浮かべる。否定されるのは大したことじゃないと。
「んじゃ、質問はこれで終わり?」
「えぇ、一先ずは・・・では私もしばらく休憩します。何かあればこちらに来てください、では」
そして最後に終わりかと問うくのいちに、頷いた後にジェイドは場を離れていく。
「・・・さて、どうでしたか?ジェイドの印象に関しては」
「十分十分。大佐殿はガイ達に比べると警戒心やら頭の回転はすごいけど、その反面として自分に自信があって足下をすくえるスキは十分にあるって改めて感じたからね」
「自分に自信がある、ですか・・・」
「能力は旦那様と比べると方向性が違うだけで遜色はないみたいには言ったけど、旦那様と大佐殿で決定的に違うのは自信の在り方なんだよ。旦那様は自信は持ってはいるけど事に当たるに至っては万全で抜けの無いように挑むのに対して、大佐殿は自分が大丈夫って思えば穴があっても大したことが無いとか触れたくないことには出来る限り触れようとせずに終わらせようとするんだよね~。特に触れたくないことに関しては私よりディストの方が心当たりあるんじゃない?」
「そうですね・・・ジェイドは昔からそういった所は確かにありました。出来る限り触れたくない物は言及せず、そこを追求されたならいかにその話題を早く終わらせようとするか・・・そういった面は確かに見受けられました」
ディストはジェイドの姿が見えなくなったのを見計らいくのいちに経過の程を確かめると、自信の在り方と言った上で行動の取り方について返された事に納得と言った声を上げる。ジェイドのらしさを大いに表しているものと。
「そんなやり方がなまじ成立してきたもんだから、あの大佐殿は自分のやり方に関しては疑問を抱けないんだよね~。今までそれでやってきたのだから大丈夫、私達がある程度必要な分の情報開示をして判断の材料も揃ってるから自分なら間違えない・・・そう思ってそれ以上踏み込んだ考えにはならないって形になってね」
「その考えが丞相とジェイドの差ということですか・・・そしてそこにフォミクリーという触れたくないことの存在があるからこそ、尚ジェイドは一歩更に踏み込む事が出来ないと・・・」
「そういうことだけど、やっぱりディストからして複雑?あの大佐殿のこと」
「・・・否定出来ませんね。私も貴殿方に出会っていなかったらこうやって思い直すこともなく、踏み込んだ考えに到る事も無かったでしょう。そういった領域にジェイドが入れないと言うのに複雑な気持ちがあるのは事実です・・・ただそれでも今の私にとって重要なのは、貴女方の支えとなって忠節を尽くすことです。そういった視点で考えればジェイドのそういった姿勢は却ってやりやすいと、そう私は思っています」
だからこそその甘さが孔明との違いと語るくのいちに、ディストは若干ジェイドに対する苦い気持ちを浮かべながらもこちらの陣営として考えるなら好都合と口にする。割り切った考えから言うなら、孔明にないその甘さがつけ入るスキだと。
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