女忍、邁進する
「まぁ少なくとも今こうして我々もそうですが、貴殿方が無事でいられるのも丞相による面が大きいのは確かな事です。そう考えれば貴方も丞相が敵ではないとくらいは分かるでしょう?」
「それはそうですが・・・全てが終われば丞相が我々の敵になるということも私は危惧しています。それだけの謀略を張り巡らせる事が出来るのなら、いずれキムラスカとマルクトのどちらかかもしくはどちらも侵略し傘下に置く可能性がある・・・という危険性をね」
「・・・成程、貴方ならそう考えるでしょうね」
その上でディストは孔明を信用出来ると言ったように言うが、ジェイドがあからさまに警戒を解けないといった返しをしてきたことに嘆息をしそうになりかけつつ納得する。孔明が優秀で謀略に長けているからこそ信用出来ないといわん様子で。
「・・・ジェイド、貴方がそういった心配をする気持ちを持つことは貴方の立場からすれば間違ってはいないのでしょう。ですがコーメイもですが僕達が目的としているのはあくまでダアトにおける神託の盾や預言もですが、教団の在り方と今の体制の改革にあります。その目的の中にキムラスカとマルクトへの侵略行為を行うことはありませんし、むしろ全てを無事に終わらせたなら両国との関係については友好的にしたいとコーメイに僕達は考えています」
「イオン様・・・それは本当ですか?」
「はい。それにコーメイの見立てではもしモースにヴァン一派の排斥を為したとしても、今までダアトに根付いてきた意識などの改革を行うには地道に時間をかける必要があるとのことです。ですからもし全てが終わったなら僕達はしばらくの間は外に目を向けることより、内側をどう変えていくかについてを考えて動いていかなければなりません。そうしなければ外交は順調に行っても、後々に足元をすくわれるどころかダアトそのものが瓦解しかねない事が起きかねない・・・そうコーメイは言いました」
「成程。そういった事態を防ぐためにも、キムラスカやマルクトに目を向けるような事をするつもりはないという事ですか」
そこに入ってきたのはイオンでそんな心配をする必要はないといった根拠とも言えるその後の予定を話していき、その中身にジェイドは妥当といったような声を漏らす。
「まぁ今までが今までだしダアトもそうだけど私達を含めて旦那様を信用出来ない気持ちってのもあるだろうけれど、とりあえず今は協力しあいましょうや。大佐殿が後でマルクトの上層部に私達に関してどういう判断を下して報告をするのかは分からないけど、少なくとも今は協力しあえる状況だしそうしなきゃならない状況だとも分かってるだろうしね」
「・・・そうですね。確かに今は貴殿方の手を振り払うような事など出来るような状況ではありません。となればこれ以上貴殿方の事を不審だというような事ばかり言うのは望ましくないでしょうしね」
「そう分かってくれたならよかったよかった。てなわけで、今後ともよろしく~♪」
「えぇ、よろしくお願いします」
最後にくのいちがだめ押しとばかりに今の状況で手を離すことは不利をマルクトにもたらすと暗に示すよう告げると、ジェイドも流石にそれ以上難癖をつけられないとして笑顔のくのいちに頷き返す。
「ま、こんなこと言ったばかりでなんだけどしばらくタルタロスを動かすのはこっちに任せてね~。ホントなら大佐殿が指揮をしたいだろうけど、今タルタロスを動かしてるのは旦那様の兵で私が一応指揮権を持ってるから私が色々やる方が手っ取り早いから」
「・・・それは仕方ありませんね。私以外にマルクトの兵がいない状況ではタルタロスを動かすことすら出来ないわけですから」
ただすぐにタルタロスの事に関して話題を変えて使用権についてを口にしたくのいちに、ジェイドは言葉通り仕方無いと表情を変える。自分の持っている手札が少ない状況では、如何とも出来ないと理解している為に。
.
「それはそうですが・・・全てが終われば丞相が我々の敵になるということも私は危惧しています。それだけの謀略を張り巡らせる事が出来るのなら、いずれキムラスカとマルクトのどちらかかもしくはどちらも侵略し傘下に置く可能性がある・・・という危険性をね」
「・・・成程、貴方ならそう考えるでしょうね」
その上でディストは孔明を信用出来ると言ったように言うが、ジェイドがあからさまに警戒を解けないといった返しをしてきたことに嘆息をしそうになりかけつつ納得する。孔明が優秀で謀略に長けているからこそ信用出来ないといわん様子で。
「・・・ジェイド、貴方がそういった心配をする気持ちを持つことは貴方の立場からすれば間違ってはいないのでしょう。ですがコーメイもですが僕達が目的としているのはあくまでダアトにおける神託の盾や預言もですが、教団の在り方と今の体制の改革にあります。その目的の中にキムラスカとマルクトへの侵略行為を行うことはありませんし、むしろ全てを無事に終わらせたなら両国との関係については友好的にしたいとコーメイに僕達は考えています」
「イオン様・・・それは本当ですか?」
「はい。それにコーメイの見立てではもしモースにヴァン一派の排斥を為したとしても、今までダアトに根付いてきた意識などの改革を行うには地道に時間をかける必要があるとのことです。ですからもし全てが終わったなら僕達はしばらくの間は外に目を向けることより、内側をどう変えていくかについてを考えて動いていかなければなりません。そうしなければ外交は順調に行っても、後々に足元をすくわれるどころかダアトそのものが瓦解しかねない事が起きかねない・・・そうコーメイは言いました」
「成程。そういった事態を防ぐためにも、キムラスカやマルクトに目を向けるような事をするつもりはないという事ですか」
そこに入ってきたのはイオンでそんな心配をする必要はないといった根拠とも言えるその後の予定を話していき、その中身にジェイドは妥当といったような声を漏らす。
「まぁ今までが今までだしダアトもそうだけど私達を含めて旦那様を信用出来ない気持ちってのもあるだろうけれど、とりあえず今は協力しあいましょうや。大佐殿が後でマルクトの上層部に私達に関してどういう判断を下して報告をするのかは分からないけど、少なくとも今は協力しあえる状況だしそうしなきゃならない状況だとも分かってるだろうしね」
「・・・そうですね。確かに今は貴殿方の手を振り払うような事など出来るような状況ではありません。となればこれ以上貴殿方の事を不審だというような事ばかり言うのは望ましくないでしょうしね」
「そう分かってくれたならよかったよかった。てなわけで、今後ともよろしく~♪」
「えぇ、よろしくお願いします」
最後にくのいちがだめ押しとばかりに今の状況で手を離すことは不利をマルクトにもたらすと暗に示すよう告げると、ジェイドも流石にそれ以上難癖をつけられないとして笑顔のくのいちに頷き返す。
「ま、こんなこと言ったばかりでなんだけどしばらくタルタロスを動かすのはこっちに任せてね~。ホントなら大佐殿が指揮をしたいだろうけど、今タルタロスを動かしてるのは旦那様の兵で私が一応指揮権を持ってるから私が色々やる方が手っ取り早いから」
「・・・それは仕方ありませんね。私以外にマルクトの兵がいない状況ではタルタロスを動かすことすら出来ないわけですから」
ただすぐにタルタロスの事に関して話題を変えて使用権についてを口にしたくのいちに、ジェイドは言葉通り仕方無いと表情を変える。自分の持っている手札が少ない状況では、如何とも出来ないと理解している為に。
.