女忍、邁進する
「私達としてもそんな展開なんか望んじゃいないんだよね。ただそれで一番厄介なのがガイがその事を決して口にはしないだろうってことなんだよ」
「・・・それは当然でしょう。自分がガルディオスだと宣言するような事をすれば、まず間違いなくファブレにいられなくなる所の話ではなくなるのはいくらガイの見通しが甘いとしても分かることです」
「そう。だからこそガイにはファブレへの復讐について諦めてもらうと共に、ガルディオスに戻る戻らないは別にしてもキムラスカから離れて欲しいんだよね~。だから私としてはマルクトでガイを引き取って欲しいんだけどな~」
「・・・何故我々マルクトがガイを引き取るという話になるのですか?ダアトで彼の身を引き受けることも出来ない訳はないと思うのですが・・・」
それでそうしたくないと自身も言いつつもマルクトにガイを引き取って欲しいとくのいちが発言したことに、ジェイドは自分達が厄介者を引き受けるのは嫌だとばかりのニュアンスで何故と問い返す。
「確かにダアトでガイを引き受ける事が出来ない訳ではないと思うよ?実際、旦那様の手腕があればガイの働き手だったりも斡旋が出来るだろうし。でもガイにとっての故郷ってダアトじゃなくてマルクトなんだよね~、やっぱり。それでさっきの話の延長線上になるけど、ガイがマルクトかダアトか・・・もしキムラスカを出てどっちに行きたいかって言うのは、やっぱりマルクトだと思うんだよね~。それもダアトと言うか神託の盾に謡将がいなくなった後の事を考えると、尚更ダアトに心引かれるなんて思えないしね」
「・・・だからガイを引き取るなら、まだ心が引かれるマルクトの方がいいということですか・・・その方がまだ安心が出来ると」
「そうそう、そういうこと・・・ま、ガイからガルディオスの事実を引き出したってダアトに所属してる私達がそれを活かす事が出来ないのも大きいんだよね~。それでダアトはどうするのってなる上に、やれることって言ったらキムラスカかマルクトにその身柄を引き渡すか絶対に裏切らないって確約してもらった所で、手駒として動いてもらうくらいしか無いと思うけど・・・それもいつまで続くかというか、ダアトに所属を縛られてくれる保証なんて全くないでしょ」
「確かに謡将のいないダアトに、ガイがいつまでも大人しくいてくれる可能性・・・いえ、言い替えるなら拘束力は弱いと言えるでしょう。その点で言うとこちらはまだマルクトという故郷であり、ガルディオスに戻れる機会も少なからず得られるだろうことからガイを何もさせずこちらで拘束出来る可能性は高いと」
「そういうこと。まぁ今後の展開にもよるだろうけど、どういう扱いになるにしたって基本的にキムラスカに近付けないことは必須になるだろうけどね~」
そこからくのいちはダアトよりマルクトがいいとなる理由に関してを詳しく話していき、気楽そうに語っていくその中身とは対照的にジェイドは眼鏡に手を添えて顔を隠す。
「・・・正直気は進みませんし確固たる証拠もない状況ではありますが、少なくともガイを放っておいて後々に面倒な事になり得ると思うと無視する事は出来ませんからね・・・ですから貴女方がガイをマルクトに向かわせるよう流れを主導してくれるのならこちらもそう動くようにしますよ。私から積極的にガイにマルクトに来るようにと言うのは些か不自然ですから、貴女方がその流れを作って私がそれを引き受ける・・・と言ったようにするのが自然でしょうからね」
「それでいいよ~。その方がこっちもやりやすいしね~♪」
そして極めて面倒そうでいて仕方無いとばかりに妥協案を述べるジェイドに、くのいちは笑顔で了承する。ジェイドからそこまで引き出せれば上々とばかりに。
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「・・・それは当然でしょう。自分がガルディオスだと宣言するような事をすれば、まず間違いなくファブレにいられなくなる所の話ではなくなるのはいくらガイの見通しが甘いとしても分かることです」
「そう。だからこそガイにはファブレへの復讐について諦めてもらうと共に、ガルディオスに戻る戻らないは別にしてもキムラスカから離れて欲しいんだよね~。だから私としてはマルクトでガイを引き取って欲しいんだけどな~」
「・・・何故我々マルクトがガイを引き取るという話になるのですか?ダアトで彼の身を引き受けることも出来ない訳はないと思うのですが・・・」
それでそうしたくないと自身も言いつつもマルクトにガイを引き取って欲しいとくのいちが発言したことに、ジェイドは自分達が厄介者を引き受けるのは嫌だとばかりのニュアンスで何故と問い返す。
「確かにダアトでガイを引き受ける事が出来ない訳ではないと思うよ?実際、旦那様の手腕があればガイの働き手だったりも斡旋が出来るだろうし。でもガイにとっての故郷ってダアトじゃなくてマルクトなんだよね~、やっぱり。それでさっきの話の延長線上になるけど、ガイがマルクトかダアトか・・・もしキムラスカを出てどっちに行きたいかって言うのは、やっぱりマルクトだと思うんだよね~。それもダアトと言うか神託の盾に謡将がいなくなった後の事を考えると、尚更ダアトに心引かれるなんて思えないしね」
「・・・だからガイを引き取るなら、まだ心が引かれるマルクトの方がいいということですか・・・その方がまだ安心が出来ると」
「そうそう、そういうこと・・・ま、ガイからガルディオスの事実を引き出したってダアトに所属してる私達がそれを活かす事が出来ないのも大きいんだよね~。それでダアトはどうするのってなる上に、やれることって言ったらキムラスカかマルクトにその身柄を引き渡すか絶対に裏切らないって確約してもらった所で、手駒として動いてもらうくらいしか無いと思うけど・・・それもいつまで続くかというか、ダアトに所属を縛られてくれる保証なんて全くないでしょ」
「確かに謡将のいないダアトに、ガイがいつまでも大人しくいてくれる可能性・・・いえ、言い替えるなら拘束力は弱いと言えるでしょう。その点で言うとこちらはまだマルクトという故郷であり、ガルディオスに戻れる機会も少なからず得られるだろうことからガイを何もさせずこちらで拘束出来る可能性は高いと」
「そういうこと。まぁ今後の展開にもよるだろうけど、どういう扱いになるにしたって基本的にキムラスカに近付けないことは必須になるだろうけどね~」
そこからくのいちはダアトよりマルクトがいいとなる理由に関してを詳しく話していき、気楽そうに語っていくその中身とは対照的にジェイドは眼鏡に手を添えて顔を隠す。
「・・・正直気は進みませんし確固たる証拠もない状況ではありますが、少なくともガイを放っておいて後々に面倒な事になり得ると思うと無視する事は出来ませんからね・・・ですから貴女方がガイをマルクトに向かわせるよう流れを主導してくれるのならこちらもそう動くようにしますよ。私から積極的にガイにマルクトに来るようにと言うのは些か不自然ですから、貴女方がその流れを作って私がそれを引き受ける・・・と言ったようにするのが自然でしょうからね」
「それでいいよ~。その方がこっちもやりやすいしね~♪」
そして極めて面倒そうでいて仕方無いとばかりに妥協案を述べるジェイドに、くのいちは笑顔で了承する。ジェイドからそこまで引き出せれば上々とばかりに。
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