女忍、邁進する
・・・ジェイドが述べた事は、一般的な視点から見れば間違ってはいない物であった。
キムラスカとマルクトの関係が良好でないのはオールドラントの人間ならむしろ知らない者がいない方がおかしいほどの常識であり、同時に互いの民もその関係に大いに引きずられて相手の事をよく思ってない事が多い。その中でガイはファブレというキムラスカの重鎮中の屋敷で働いていて、マルクトに対して良からぬ気持ちを抱かぬまでも友好的な気持ちを抱くには考え方として難しい物がある。卓上旅行ででも敵国に向かうなど、頭の固い者であれば真っ向から切り捨てるような物な為に。
だがガイはそうではなかった。ガイの若さならまだ頭も固くなく戦争も出身地域などでは実際には体感していないため、マルクトに対する負の感情が無かったと説明出来ない訳ではないが・・・
「どういった視点からの言葉を貴女が求めていたかは分かりませんが、貴女方からの言葉で私も彼についてより疑い・・・いえ、危険性を感じることが出来ました。誰が標的かは分かりませんが、少なくともガイの殺意が結果として現れた場合キムラスカもそうですがマルクトにも被害が及ぶ可能性が高いでしょう。そしてそれを行ったのがかつてのガルディオスの遺児で、マルクトに戻ってくる・・・となれば、それこそ戦争は避けられない最悪の事態になります」
「おや?ガイがガルディオスとしてマルクトに戻るとお思いで?」
「むしろ戻らないと考える方がおかしいと言えます・・・これまでの旅でガイの性格に関してはある程度把握していますが、彼は最初こそは忠実なファブレの使用人として動きはしつつも態度はルークに私達と崩していいと見た瞬間に崩しました。その事から少なからず彼には自分が偉い立場にいるのだという自負があると感じ、今の話から考えました。その様は、貴族としての誇り・・・いえ、こだわりがあるからこそではないかと。だからこそガイがガルディオスの生き残りであり、ファブレを始めとした面々に対して良からぬ感情を抱いているのではないかと思いました」
「ふ~む、成程ね~」
更にジェイドが推測を進めてガルディオスとしてマルクトに戻ること及び、ガイの心の中にある物についてを話すとくのいちも納得する。
・・・そう、マルクト相手ではなくキムラスカ・・・もっと言うならファブレという自らの雇い主でもある存在に対して、負の感情を持つことの方がおかしいと言わざるを得ないのだ。
それらを踏まえて見ればガイは元々キムラスカの人間ではなく、マルクト・・・それもガルディオスの人間ではないのかと、そう考えた方が様々な点でつじつまが合わせやすい。キムラスカとマルクトの好意の評価が逆な事を筆頭としてだ。
そして更にジェイドがこうも言ったが、ガイの態度が使用人にしては不遜で尊大であるという事も大きい・・・主であるルークに許されているからとはいえ人前で堂々とタメ口であるし、従者という身分としては平民と然程変わらない位置にいる筈なのにジェイドやくのいち達と言った種類の違うお偉方に対しても、砕けた態度でいいならと言わんばかりに気楽な口調に態度で接してきた。
これは普段あまり上下関係や形式ばった力のこもる軍人らしい態度など気にしないジェイドだったためにガイにあえて口にしなかった事だが、それでもガイの態度が使用人にしては相当な意味で逸脱しているとは分かってはいた。ただ、それも今となってはガイがガルディオスとしての自覚があるからこその偉ぶる気持ちがあるから・・・そしてファブレに対して復讐の念があるからこそではないかとジェイドは告げているのだ。
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キムラスカとマルクトの関係が良好でないのはオールドラントの人間ならむしろ知らない者がいない方がおかしいほどの常識であり、同時に互いの民もその関係に大いに引きずられて相手の事をよく思ってない事が多い。その中でガイはファブレというキムラスカの重鎮中の屋敷で働いていて、マルクトに対して良からぬ気持ちを抱かぬまでも友好的な気持ちを抱くには考え方として難しい物がある。卓上旅行ででも敵国に向かうなど、頭の固い者であれば真っ向から切り捨てるような物な為に。
だがガイはそうではなかった。ガイの若さならまだ頭も固くなく戦争も出身地域などでは実際には体感していないため、マルクトに対する負の感情が無かったと説明出来ない訳ではないが・・・
「どういった視点からの言葉を貴女が求めていたかは分かりませんが、貴女方からの言葉で私も彼についてより疑い・・・いえ、危険性を感じることが出来ました。誰が標的かは分かりませんが、少なくともガイの殺意が結果として現れた場合キムラスカもそうですがマルクトにも被害が及ぶ可能性が高いでしょう。そしてそれを行ったのがかつてのガルディオスの遺児で、マルクトに戻ってくる・・・となれば、それこそ戦争は避けられない最悪の事態になります」
「おや?ガイがガルディオスとしてマルクトに戻るとお思いで?」
「むしろ戻らないと考える方がおかしいと言えます・・・これまでの旅でガイの性格に関してはある程度把握していますが、彼は最初こそは忠実なファブレの使用人として動きはしつつも態度はルークに私達と崩していいと見た瞬間に崩しました。その事から少なからず彼には自分が偉い立場にいるのだという自負があると感じ、今の話から考えました。その様は、貴族としての誇り・・・いえ、こだわりがあるからこそではないかと。だからこそガイがガルディオスの生き残りであり、ファブレを始めとした面々に対して良からぬ感情を抱いているのではないかと思いました」
「ふ~む、成程ね~」
更にジェイドが推測を進めてガルディオスとしてマルクトに戻ること及び、ガイの心の中にある物についてを話すとくのいちも納得する。
・・・そう、マルクト相手ではなくキムラスカ・・・もっと言うならファブレという自らの雇い主でもある存在に対して、負の感情を持つことの方がおかしいと言わざるを得ないのだ。
それらを踏まえて見ればガイは元々キムラスカの人間ではなく、マルクト・・・それもガルディオスの人間ではないのかと、そう考えた方が様々な点でつじつまが合わせやすい。キムラスカとマルクトの好意の評価が逆な事を筆頭としてだ。
そして更にジェイドがこうも言ったが、ガイの態度が使用人にしては不遜で尊大であるという事も大きい・・・主であるルークに許されているからとはいえ人前で堂々とタメ口であるし、従者という身分としては平民と然程変わらない位置にいる筈なのにジェイドやくのいち達と言った種類の違うお偉方に対しても、砕けた態度でいいならと言わんばかりに気楽な口調に態度で接してきた。
これは普段あまり上下関係や形式ばった力のこもる軍人らしい態度など気にしないジェイドだったためにガイにあえて口にしなかった事だが、それでもガイの態度が使用人にしては相当な意味で逸脱しているとは分かってはいた。ただ、それも今となってはガイがガルディオスとしての自覚があるからこその偉ぶる気持ちがあるから・・・そしてファブレに対して復讐の念があるからこそではないかとジェイドは告げているのだ。
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