「んじゃ逆に今度はこっちから質問するけど、もしリグレット達の事を知ったなら・・・もっと言うなら旦那様がこういう狙いがあるって知らされたなら、アッシュはどういう反応をしてたの？私達の味方をするか、それとも逆に謡将達にその情報をぶちまけるつもりだったの？」
「っ・・・俺はただ、テメェらが俺を騙してた事が気に食わねぇと・・・」
「騙してたのが気に食わないだけ？・・・私達が何も言わなかったのは謡将にバレるのを避けたかったってのもあるけど、アッシュが謡将の味方なのかどうか分からなかったからなんだよ？だって神託の盾に来てからアッシュはリグレット達の事を味方だなんて思った様子を見せず、謡将にだけ心を開いてるみたいな態度を見せてる様子を見てアッシュに言っても何も言わずに黙ってくれるから大丈夫・・・なんて思うと思う？自分の態度を思い返して考えて」
「っ・・・！」
くのいちがそんな声に言ってほしかったのかといったように聞いて気に入らないと返しかけたアッシュだが、言わなかった根拠はヴァンにのみ態度を軟化させていた事と返されたまらず歯を噛み締める。アッシュ自身ヴァンとリグレット達のどちらを信頼していたかとなればヴァンであると言える上、もし事実を聞かされても誰にも何も言わずにいられるかというのは有り得ないと感じた為に。
「・・・なぁ、今度は俺からいいか？」
「ん？どうしたんですかい？」
すると部屋の隅で暗い面持ちで一人黙っていたルークがくのいちへと声をかけたことに、首を傾げ何事かと返す。
「・・・そろそろ話してほしい。一体俺が何者で、どういう風になってるのか・・・その事実を・・・」
「いいんで？聞けば辛い事になるとは一応は言いやしたけど・・・」
「・・・聞かなきゃ何の解決になんねぇって思ったのもあるけど、話の流れを聞いてたら不意に俺が聞きたいことをぶちまけられるんじゃないかって思ったんだよ・・・なんつーか、アッシュとの会話を聞いてたらそんな感じがしてな・・・だったら自分から聞きたいんだよ。そんなことになったら余計に辛い事になりそうだって・・・」
「・・・覚悟は決めたってことっすか」
ルークは重さを感じさせる声で自分の事について話してほしいと切り出し、その考えが生半可な気持ちではないとくのいちも理解して頷く。
「・・・じゃあ話をするって言いたい所だけど、アッシュ・・・もう予想はついてるだろうけど、アッシュの事を言わせてもらうよ？彼にとってもだけど、アッシュにとってもこれからの話は必要な事だからね」
「・・・この屑だけでなく、俺にとってもだと？どういうことだ、俺は関係無い筈だ」
「んじゃあアッシュ・・・まずは一つ聞くけど、一応アッシュは謡将の元を離れることを選んだよね？アッシュにとって不本意かどうかはともかくとして」
「・・・あぁ」
「それでなんだけど・・・アッシュはこの先にもダアトって言うか、神託の盾にいるつもりはあるの？その答え次第じゃ、旦那様がどうアッシュの事を取り扱うかが決まるよ」
「何・・・っ！？」
そこから今度はアッシュに意を確認するくのいちに、話が進む中で驚愕する。孔明が自身の扱いを決めると、良くない予感も含めてそんなこと決められるのかといった様子で。
「確かに私達はアッシュの事実を知ってるけど、だからってどうしたいかまでは知らない・・・その上でもしアッシュが神託の盾にいたいって言うならそのまま神託の盾に在籍させるにしたってどうするかって事もそうだけど、そうじゃないなら・・・全部終わった後にアッシュの身柄をキムラスカに引き渡すかどうかもね」
「っ！？」
だがくのいちの突き刺すような鋭い視線からの言葉にアッシュはハッとした・・・事実を知るからこそどうするかを考えていると、そう孔明の考えをハッキリと突き付けられた為に。











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