女忍、邁進する

・・・ここで時間と場所は孔明から、くのいちの方へと戻る。









「・・・さ~て、とりあえずゆっくりしてもらっていいよ~。しばらく時間を取ってタルタロスで動いてもらうから歩く必要はないしね~」
「・・・今更の質問かもしれませんが、このタルタロスは謡将側の神託の盾から奪い返したのですか?」
「ううん。リグレットが言うには元々タルタロスはアクゼリュスに捨てていく予定だったとのことだから・・・そうだよね?」
「そうです・・・元々謡将側の神託の盾からして、タルタロスを奪ったのは導師の身を狙った時の副産物として考えていたようです。その上であそこでタルタロスを放置していたならセントビナーからのマルクト兵が回収をし、今度は自分達が追われる可能性についてを危惧していた為にタルタロスをマルクトから遠ざける意味も含めてしばらくの足として使うことになったのですが・・・もうアクゼリュスさえ落とせば後はキムラスカとマルクトの戦争になるため、タルタロスはアクゼリュスと共に消滅させれば後腐れは無くなるとここに置いておくとなった訳です」
「成程・・・神託の盾がもう使う必要がないからタルタロスを放置し、それを貴女方が然程苦労することもなく取り戻したということですか」
・・・タルタロスの一室にて、くのいちは場にいる人物に笑顔を見せて声をかける。ちなみにティアは部屋のベッドに寝かしつけてある、下手に場を離して目覚められた場合に面倒だとなったために。
そんな中でジェイドがタルタロスをこんなにあっさり取り返せた事について懐疑的な視線と疑問を向けるが、くのいちとリグレットの言葉にすぐに納得する。困難ではなかったのだと。
「ちなみに聞きたいんだが・・・今このタルタロスはどこに向かっているんだ?俺達が来てからタルタロスが普通に動き出したから気になっているんだが・・・」
「それはセントビナー方面だよ~。アクゼリュスの人達は旦那様の兵達に護衛される形でアクゼリュスを離れてもらってるけど橋がない今、河を越えるにはタルタロスが無いと無理だしね~。だから今頃河辺りで陣を引いて待機してるアクゼリュスの人達と合流するつもりだけど、何か問題ある?なんで相談も無しにこんなことやったんだみたいな問題とか」
「い、いや・・・そういうことなら文句をつけようはないが・・・」
「と言うよりはこちらとしても願ったり叶ったりなので、むしろ文句をつけられると困るのですが・・・アッシュ、貴方はどうですか?」
「・・・別に、俺も文句はねぇ」
次にガイがタルタロスが動いていることについて聞いてきた為にくのいちはセントビナー方面に動かしているが文句があるかと聞くと、ガイにジェイドは問題ないといったように返しアッシュは気に入らないとばかりにしながらも一応はちゃんと返答を返す。
「ま、そういうわけなんで~・・・セントビナーのマクガヴァン親子への橋渡しよろしくお願いしやす、大佐殿」
「今の状況では元帥達を頼る以外に選択肢はないでしょうからね。それに私から説明しなければマルクトの方々も納得出来ないでしょうから承りますが、こうして時間があることですから話していただけることは全部話していただきますよ。こちらもまだ聞きたいことはありますからね」
「分かってやすって、大佐殿。んじゃどっから話始めやしょうかね~・・・」
そんなアッシュに特に何かを言うことなくくのいちはジェイドに話題を振ると、了承はしつつも抜け目なく話を聞きたいと眼鏡を押さえながら返す姿におちゃらけたようにしながらもどう話をするかと首を傾げる。










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