「えぇ、私はそう考えました。そうなってしまえば大詠師は私にリグレット達の人員を補充した後、何事も無かったかのように後に動こうとするでしょう・・・私はおろか、謡将やリグレット達がどのような考えをもって動いてきたのかを受け止めて改めることもないままに」
「・・・大詠師はそのようなことはしない、とは言えないのが辛い所ですね・・・むしろそのような事を聞いても、預言の達成の為に犠牲になったのだから光栄だと思えといったように言いそうなのが・・・それも、自身がその立場に立たされたならと思うこともなく・・・」
「えぇ、実際の所謡将を止めるために協力するための説得もうまくいく可能性は相当に低いのは目に見えていますからね・・・それに、ユリアシティの事もあります。あの街の方々が付いている以上、大詠師の強気の姿勢は崩れる事はないでしょう」
「ユリアシティ、ですか・・・」
孔明はモースの考え方からユリアシティという存在についてを口にすると、詠師陣は揃って表情を悩ましげに歪める。
「・・・ユリアシティには事実を話されないのですか？我らのように・・・」
「無論そうしようと思っていますが、現状でユリアシティの方々が我々の言葉を簡単に信じてくれるとは思ってはいません。もし信じるとするなら謡将がユリアシティの意向を裏切り利用していることもそうですが、預言にも詠まれていないようなあちらにとって想定外の出来事が無ければこちらの言葉にすんなりと頷いてくれる可能性は低いと思われます」
「謡将の事実だけでは、ダメなのですか？」
「それでは精々が謡将の動機について納得を向こうがするのみで、預言の実行に関しては犠牲の出ることは仕方のないこと・・・と、実質は大詠師の言葉を幾分か柔らかい程度に表現した気持ちが出てくるのが関の山と言った所になるでしょう。そして大詠師と少し違い我らに説得と言う名の話し合いの場を設けはするでしょうが、頷いても頷かなくても大詠師が我々をすんなりと許すとは思えません・・・まず今の時点で話をしに行っても、あまり良くない結果になることは容易に想像がつきます」
「っ・・・と言うことは、ユリアシティには事実は伝えるべきではないと言うことですか・・・」
「えぇ、少なくとも今の時点では。そしてあちらは頻繁にではないとは言え、人をこちらに遣り状況を確認しています・・・しばらくの間は表立って派手に動くようなことはしない方がいいでしょう」
「・・・では、いつ表立って動かれるというのですか？丞相は・・・」
それでユリアシティへの警戒と共に慎重に対応すべきと自身の考えを述べ上げていく孔明に、詠師陣は更に先をと望む。孔明の話を聞く・・・いやもう聞かずにはいられないといった様子で・・・


















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