軍師、侵略する
「・・・確かにトリトハイム殿がお答えしにくい気持ちになるのは仕方ない事かと思います。ですがもしここで私を捕らえると選択したとして、トリトハイム殿に他の詠師の皆様がどうなるか分かりますか?」
「え・・・ど、どうなると言うのですか・・・?」
「私を捕らえた後、大詠師はまず詠師の皆様に聞かれることでしょう。何故孔明を捕らえたのかの、その詳細を聞く気はあるのかと・・・これに関しては私の事がある程度ダアトでも知られる所になるからこそ、教団でも上の立場にいる詠師の皆様は知らぬ存ぜぬで通すことは相当に難しいと思われます」
「それは確かに・・・そして私に至っては丞相自身から話を聞いてすらいる・・・」
「えぇ・・・その上で聞かれるのは間違いないでしょうが、そこでの選択で皆様の命運が分かれることになります」
「命運が、分かれる・・・?」
「もし事実を聞かないとするなら大詠師は何も処置をせずに終わらせる可能性は高いでしょう。ただそれはあくまで以降に何も追求なりしなければという条件の元であって、是非にと蒸し返すことを強調すれば口止めにと強行手段を取ることも視野に入れる可能性は高いと言えます」
「っ!・・・それは、預言の中身を漏らさない為にですか・・・」
「はい。そして事実を聞きたいか、もしくはトリトハイム殿が事実を明かすべきだと言ったなら大詠師は即刻で処断を下す決意を固めるでしょう。特に後者の場合は事実を他の詠師の皆様が聞かれた場合は口封じにとまとめて処罰に踏み切る可能性が非常に高くなります」
「なっ・・・だ、大詠師はそこまでするというのですか・・・!?」
「今までの経緯に大詠師の性格を踏まえると、無事で済む可能性は相当に低いとしか言えません。そして事実はどうあれそこから生き残りたいと言うのであれば、大詠師の忠実な部下となり預言の事に達成するための手段の一切の批判に不満といった言葉を絶対に口にしない事以外にありません。大詠師からして腹心の立場であった私が反逆した以上、下手に怪しいと見られれば即刻疑わしきこそ罪とばかりに処罰にかかるでしょうからね」
「そっ!?我々にまでそこまでするというのですか、大詠師は・・・!?」
「全ては預言の為に・・・そう思っているからこそ、大詠師は躊躇わないのです。預言を達成することこそが至上・・・その過程で出る犠牲に邪魔者の排除は預言を達成することが出来るなら二の次どころではなく当然の事で、その犠牲者達の事を憐れみ悼むと言った行動を取るどころか気持ちすら一片も浮かぶことはない・・・だからこそ詠師の方々でも邪魔であったり障害だと断じたなら、大詠師は容赦なく貴殿方を処断するでしょう」
「・・・貴方を大詠師に突き出すというなら、死にたくなければ余計なことはするな・・・ということですか・・・」
「そうなりますが、そうするのであれば貴殿方はダアトにおいて発言権などなくなり大詠師にただ付き従うだけの飾りの人間となることと同義になります。例え大詠師のやり方に不満であったり意見などを言いたいという気持ちを抱いたとしても、何も言えなくなるでしょう。それこそ追求が来ないならと大詠師は全ての自身の行動を預言だからと言って、教団の内外を問わず暴虐の限りを尽くしたとて・・・です」
「っ・・・!」
これからの選択がいかに重要か、そしてモースに付いた場合はどうなるのか・・・それらの可能性についてを事細かに、それでいて酷しかないのではと言えるような未来予測を孔明は説明してトリトハイムの顔を盛大にひきつらせた。詠師という立場でも例外ではないと示された事に。
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「え・・・ど、どうなると言うのですか・・・?」
「私を捕らえた後、大詠師はまず詠師の皆様に聞かれることでしょう。何故孔明を捕らえたのかの、その詳細を聞く気はあるのかと・・・これに関しては私の事がある程度ダアトでも知られる所になるからこそ、教団でも上の立場にいる詠師の皆様は知らぬ存ぜぬで通すことは相当に難しいと思われます」
「それは確かに・・・そして私に至っては丞相自身から話を聞いてすらいる・・・」
「えぇ・・・その上で聞かれるのは間違いないでしょうが、そこでの選択で皆様の命運が分かれることになります」
「命運が、分かれる・・・?」
「もし事実を聞かないとするなら大詠師は何も処置をせずに終わらせる可能性は高いでしょう。ただそれはあくまで以降に何も追求なりしなければという条件の元であって、是非にと蒸し返すことを強調すれば口止めにと強行手段を取ることも視野に入れる可能性は高いと言えます」
「っ!・・・それは、預言の中身を漏らさない為にですか・・・」
「はい。そして事実を聞きたいか、もしくはトリトハイム殿が事実を明かすべきだと言ったなら大詠師は即刻で処断を下す決意を固めるでしょう。特に後者の場合は事実を他の詠師の皆様が聞かれた場合は口封じにとまとめて処罰に踏み切る可能性が非常に高くなります」
「なっ・・・だ、大詠師はそこまでするというのですか・・・!?」
「今までの経緯に大詠師の性格を踏まえると、無事で済む可能性は相当に低いとしか言えません。そして事実はどうあれそこから生き残りたいと言うのであれば、大詠師の忠実な部下となり預言の事に達成するための手段の一切の批判に不満といった言葉を絶対に口にしない事以外にありません。大詠師からして腹心の立場であった私が反逆した以上、下手に怪しいと見られれば即刻疑わしきこそ罪とばかりに処罰にかかるでしょうからね」
「そっ!?我々にまでそこまでするというのですか、大詠師は・・・!?」
「全ては預言の為に・・・そう思っているからこそ、大詠師は躊躇わないのです。預言を達成することこそが至上・・・その過程で出る犠牲に邪魔者の排除は預言を達成することが出来るなら二の次どころではなく当然の事で、その犠牲者達の事を憐れみ悼むと言った行動を取るどころか気持ちすら一片も浮かぶことはない・・・だからこそ詠師の方々でも邪魔であったり障害だと断じたなら、大詠師は容赦なく貴殿方を処断するでしょう」
「・・・貴方を大詠師に突き出すというなら、死にたくなければ余計なことはするな・・・ということですか・・・」
「そうなりますが、そうするのであれば貴殿方はダアトにおいて発言権などなくなり大詠師にただ付き従うだけの飾りの人間となることと同義になります。例え大詠師のやり方に不満であったり意見などを言いたいという気持ちを抱いたとしても、何も言えなくなるでしょう。それこそ追求が来ないならと大詠師は全ての自身の行動を預言だからと言って、教団の内外を問わず暴虐の限りを尽くしたとて・・・です」
「っ・・・!」
これからの選択がいかに重要か、そしてモースに付いた場合はどうなるのか・・・それらの可能性についてを事細かに、それでいて酷しかないのではと言えるような未来予測を孔明は説明してトリトハイムの顔を盛大にひきつらせた。詠師という立場でも例外ではないと示された事に。
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